元祖坊っちゃん団子
元祖坊っちゃん団子本舗「つぼや菓子舗」住所:愛媛県松山市道後湯之町14-23
明治39年に発表された、かの有名な夏目漱石の小説「坊っちゃん」。愛媛県松山市に赴任した中学教師の奮闘が描かれているが、その小説の文章の中にこんなくだりがある。
『或る晩道後という所へ行って団子を食った。この道後という所は温泉のある町で、城下から汽車だと十分ばかり徒歩で三十分で行かれる料理屋も温泉宿も、公園もあるうえに遊郭がある。おれの這入った団子屋は遊郭の入口にあって大変うまいという評判だから温泉の帰りがけに一寸食って見た。今度は誰も知るまいと思って翌日すました顔をして学校に行って見ると、一時間目の教室へ這入ると団子二皿七銭と書いてある 実際おれは二皿食って七銭拂った(原文ママ)』
この「遊郭の入口にある団子屋」が、まさに「元祖坊っちゃん団子 つぼや菓子舗」(創業明治16年)。当時の場所から少し移動した場所(道後商店街)で、今も手作りにこだわった団子を作っている。
お店の方によれば、当時は今のような三色団子ではなく、小豆餡のみの「湯ざらし団子」として親しまれていて、大正10年頃に今のカタチになり「元祖 坊っちゃん団子」とされたようだ。
現在、「坊っちゃん団子」を生産販売する店舗は松山市内にも幾つもあり、土産物屋などにも流通しているが、実は!この「元祖坊っちゃん団子 つぼや菓子舗」の坊っちゃん団子は、お店に足を運ばないと(もしくはお電話での注文)買うことが出来ない!!何故か。それは、小さな店舗の奥が厨房になっていて、職人がひとつひとつ手で丸めて作っているから。実際に作業行程を取材させてもらったことがあって、驚いたのと同時にその手のひらが愛おしく思えた。だからよく見ると、形が少々ごつごつした感じ。でもいやはやこれが、はっきり申し上げて他のそれとはまったく違う美味しさなのだ。
求肥を餡(抹茶・黄・小豆)で包んでいる団子。楊枝の根っこを指でつまんで、ひとつぱくり。最初の抹茶と食べたときからその風味と素朴な美味しさが口に広がり、そして柔らかく溶けていく。坊っちゃんに負けずに何串もイケそうな勢い。(真空パック包装されているので、賞味期限は未開封で一週間、開封後2日間)
お客様からのリクエストもあって、近年「湯ざらし団子」も復活。こちらはいつ店にお邪魔しても2パックくらいしか置いてなくて(笑)。「お土産でどんどん出るものではないので、無くなったら裏に入って作るんですよ。そのほうが出来たての柔らかいのを食べていただけるでしょ?」と奥様が笑う。
「できるだけ新鮮でおいしいものを召し上がっていただきたいので、百貨店や駅、空港などには置いておりません。不便でしょうがお店にお越しくださいませ」とのこと。この愚直な想いが、「つぼや」の坊っちゃん団子の美味しさを守っている秘訣に他ならない。
せっかくなので、日本最古の温泉道後温泉も満喫し、道後商店街を歩いて、小説「坊っちゃん」の主人公の気分でお店に足を運んでいただきたい。
元祖坊っちゃん団子本舗「つぼや菓子舗」住所:愛媛県松山市道後湯之町14-23
※掲載情報は 2016/10/30 時点のものとなります。
フリーパーソナリティ/タグプロダクト
やのひろみ
1975年生まれ。松山市出身。
有限会社タグプロダクト取締役。
小中高校と運動部に所属。バレーボール・テニス・ハンドボールと、スポーツ三昧の生活をおくる。
大学在学中は劇団に所属し、イベント音響などの裏方スタッフとして活動するうちにそれが高じてこの世界に足を踏み入れ、ディレクターはもちろん、パーソナリティとしても活動。また、愛媛県内市町主催催事や企業イベントなどの企画運営にも力を入れ、各催事を総合的に盛り上げることにもチャレンジしている。現在、テレビラジオ出演ははもちろん、CM出演や企業イメージキャラクターなども努める。
2007年6月に第一子を出産。
2010年5月に第二子を出産。
2010年 第47回ギャラクシー賞 ラジオ部門 DJパーソナリティ賞受賞(全国で1名)
2009年・2012年・2013年・2014年 民間放送連盟賞ラジオ部門全国優秀賞受賞。
NPO法人 俳句甲子園実行委員会 理事
NPO法人 国際地雷処理・地域復興支援の会 理事
キリンビールを応援する、愛媛の お祭り課長
砥部焼大使第106号
大洲味楽来しいたけ 宣伝大使