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ふんわか&もっちり、香り良し味良し食感良し
「何の香りが好きですか?」と聞かれたら、迷う余地なく、「パンが焼けた香り」と答えてます。幼い頃から今も尚、パン屋さんの前を通るのがたまらなく好きなんです。それは、パンの焼けたいい匂いに出逢えるから。通らなくてもいい道でも、パン屋さんが近くにあると分かると、わざわざ遠回りしてまでそのパン屋さんの前を通ったり、「パンが焼けた時のフレグランスを作って下さい!」と香水屋さんに提案したこともあるぐらいです(却下されましたが。苦笑)。無論、香りだけでなく、パン自体も好きですが、中でも、昔から変わらず愛するパンときたら、王道の「食パン」なんですよね。
田舎で育った私は、朝ごはんには、いわゆる白ご飯とお味噌汁の日本スタイルが並ぶことが多かったのですが、たまに登場する食パンがオシャレでやけにテンションも上がり、一気に2枚は平らげていましたね(笑)。バターを塗ってはちみつをかけたり、ジャムをたっぷり添えたり、とろけるチーズをのせてピザ風にしたり、マヨネーズを食パンの縁に絞り出し、中に卵を落として、それを焼いて食べるのも大好きで……。一緒に、コーヒー牛乳を合わせて食べると、ちょっと大人になった感覚にも浸ってたなぁと、何だか当時が走馬灯のようによみがえってきましたが……。この度ご紹介している『Pasco』さんの通販限定「米粉入り食パン」を切って、焼いていたら、そんな懐かしい記憶が浮かんできて……。他の食パンも色々食べるのですが、この「米粉入り食パン」には、妙にリマインドさせられ、一食惚れしてしまったんです。
届いた段ボールを開けると、どーんと2斤分サイズの食パンが1本。見た目の迫力もありますが、切る前から心地良いパンの香りが鼻に伝わってきました。そして、その大きな食パンをやや厚めに切り、まずは焼いてバターを落としてかぶりついたのですが、普通に美味しいを通り越し、感激と感動の嵐が静かに巻き起こったんです。
むっちりなのに、ほんわかで、炊き立ての白飯と香ばしい小麦の風味が仲良く手を結び、至福の味を演出し、思わず、「何これ~~!タダモノじゃない」と叫んでしまいました(笑)。この考え尽くされたクオリティは一体なんなのかと調べたところ、パンを作るために開発されたお米「ゆめふわり」の米粉と、北海道農業センターが13年かけて開発し、優良品種として認定された「ゆめちから」(グルテンを多く含む超強力小麦)作られているとのこと。「ゆめふわり」は、小麦粉と混ぜることにより、今までにない「やわらかさ」「しっとり感」「もっちり感」を持った夢のような米粉パンができることから名づけられ、且つ、多くの方に美味しい米粉パンを提供できるように、との願いがこめられているそうです。
なるほど納得の背景ですが、この「米粉入り食パン」は、かなり特別な『Pasco』さんの通販のみでしか購入できないプレミアムパンで、毎月1回(第二木曜日発送)のみ、限定数量200本だけの生産です。「え、毎月一回だけ? 保存は? 日持ちは?」と?マークが付いた方、ご安心下さいませ。パン切り包丁で、やや厚めに切って(約3㎝)、ラップで包んで冷凍して、食べる時にトースターやオーブンで焼けば美味しさはそのまま生きています。
食べ方としては、はじめはシンプルに焼く!それでパン自体の美しい味わいを堪能した後、バターを塗ったり、先に書いたような(はちみつ・ジャム・とろけるチーズ・マヨたま等)食べ方をしたり、お好みの食べ方でどうぞです。ちょっと硬くなってしまったら、フレンチトーストにしたり、パングラタン(10~15㎝位の厚さに切ったパンの中身をくり抜き、中にホワイトソースやグラタン具材を詰めてチーズを散らして焼く)にしたりしても最高です。クセのない万能優等生食パンなので、色んな合わせ方ができるんです。つべこべ言わずにとりあえず食べてほしいですね(笑)。
また、今回は、季節のフルーツジャムが付いたセットをご紹介していますが、何とこのジャム、砂糖&増粘剤不使用なんです。「なのに、なぜこんなにちゃんと甘さのあるジャムなの??」と疑うほど美味しいジャムに仕上がっているので、びっくり。因みに、10月のジャムは、リンゴの原点とも言われる信州産の紅玉をリンゴ果汁だけで煮詰めたプリザーブタイプ(少し果肉を残した)のリンゴジャムです。他にも様々な四季を感じるジャムが登場しますが、個人的には、一つずつ手摘みされた信州産苺をリンゴ果汁とレモン果汁のみで作られた苺ジャムにもハマっています。身も心も喜ぶ体想いジャムなので、食パンと共に声を大にしておススメします。
とにかく嬉しい・美味しい・楽しいの三拍子揃った盛り沢山な『Pasco』さんの「米粉入り食パン」ですが、そもそも『Pasco』とは、『Pan Shikishima Company」(パン・シキシマ・カンパニー)の頭文字からの造語で付けられたそうです。また、創業者でもある盛田善平氏が尊敬する国学者本居宣長の和歌「敷島の 大和心を 人とはば 朝日に匂ふ 山桜花」から、『敷島製パン』という社名とされたようですね。また、「敷島」=「日本」という意味で、「敷島の」は「大和」にかかる枕詞なんですって。その上、桜の花のマークには「広く日本にパン食を普及させたい」という創業時の想いも含まれているそうです。
新しさの中に懐かしさと癒しも詰まった「米粉入り食パン」は、やはり会社自体の歴史や想いが乗り移っているんですね。そう考えると、尚のこと、お腹パンパンでも食べたいパンです(*^_^*) 出逢えたことにお腹の底から感謝です。ありがとうがパンパンに充満しながら。すみません、私は今からまた魅惑の「米粉入り食パン」を焼き始めます。
※掲載情報は 2016/10/10 時点のものとなります。
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キュレーター情報
「そのやま」店主・フードクリエイター。
園山真希絵
1978年1月5日生まれ。出雲市出身。高校時代に「食」に目覚め、食べることでキレイになるオリジナル料理の研究を始める。「豆」をベースとした料理のお陰で、2年間でリバウンドなく健康的に27キロのダイエットに成功。 現在、雑誌・テレビ・ラジオにも多数出演。また、自らを救ってくれた 「豆」に対する恩返しも兼ね、食を通じた文化交流や地方の町おこし活動も積極的に行う。さらに、出版・商品開発・食カウンセリング・飲食店『そのやま』経営・各地の親善大使も手掛ける。オフィシャルブログ「こころのごはん手帖-食べる門には福来たる- 」は毎日更新。
※『そのやま』https://www.facebook.com/sonoyama.tokyo
TEL/0363376498