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皆さんはベルギーのチョコレートブランド「カレボー」をご存知ですか?聞き慣れない人も多いいかもしれません。「カレボーチョコレート」は、プロのシェフやパティシエだけが使用するチョコレートで、世界トップレベルのカカオ職人達によって製造されています。皆さんがよく行かれるパティスリーやレストランでもカレボーチョコレートが使用されているかもしれません。
8月3日(水)に日本とベルギー友好150周年を記念して、ベルギー王国大使館で記念イベントが開催されました。ベルギーと言えば何といってもチョコレートがおいしい事で有名です。今回このイベントを主催されたバリーカレボージャパン株式会社が、チョコレートを使ったさまざまな催しを用意してくださいました。「アステリスク」のオーナーシェフでカレボー大使の和泉光一さんと「ワールドチョコレートマスターズ2007」で総合優勝され同じくカレボー大使の水野直己さんが作るデザートビュッフェも用意されました。
シェフ・パティシエでippinキュレーターの森大祐さんも、イベントに参加され、当日会場でオープニングパフォーマンスで使用するチョコレートの調合を手がけられておりました。森シェフは現在清澄白河、にて「En Vedette(アンヴデッド)」の開業準備中です。10月下旬にオープン予定です。
今回のイベントは、書道家の紫優さんによるチョコレートを使った書道のオープニングパフォーマンスで幕を開けました。半紙の上に書かれた一文字は「絆」。森大祐シェフが書道のために特別に調合したチョコレートで書かれたこの作品は、今回のイベントに相応しい作品となりました。
続きまして、ベルギー王国大使ギュンテル・スレーワーゲン閣下によるスピーチ。驚く事に、大使も学生時代にカレボーでバイトをしていたそうです。今回のイベントには特別な思い入れがあると同時に、今回のイベントでベルギーでも最もハイクオリティーなチョコレートをより多くの人に知ってもらえる事をとても喜んでおられました。
今回のイベントのために、ベルギーからカレボーチョコレートアカデミーセンターのアレクサンドル・ボルドーさんも来日されました。ボルドーさんがカレボーの哲学である「ビーノロジー」についてと、カカオがチョコレートになるまでを説明してくださいました。
「ビーノロジー」はBean(豆)とTechnology(技術)を掛け合わせた造語ですが、カレボーがいかに良質なカカオ豆を生かして、高品質なチョコレートを作っているのかその説明を聞いて納得できました。
世界中からカレボーに集まってくるカカオ豆をまずは、「ビーノロジスト」という専門家によって選別されます。厳しい目で選別されたカカオ豆は殻ごとローストされ、数回に渡り磨砕されます。そうする事でより繊細で、色の濃いカカオマスとなります。チョコレートを作る際に使われる砂糖やミルクパウダーも厳選されたベルギー産が使われています。最後に完全に味が熟するまで何時間もチョコレートを練って柔らかい舌触り、バランスのとれた酸味を生み出します。そしてパッケージになり世界中に送り出されます。
今回、カカオがどのように発酵するのかをボンボンを使って分かりやすく紹介してくださいました。カカオに少しでも水分が残ると菌が繁殖しておいしいチョコレートを作る事ができません。カカオを生かすも殺すも生産者の取り扱い次第という事が理解できました。もちろん、カレボーでは、最良の発酵と乾燥を知り尽くした農家のみからカカオ豆を仕入れています。
今回のイベントでは、「ワールドチョコレートマスターズ 2005」に第3位に輝いた「アステリスク」オーナーシェフの和泉光一さん(左)と、「ワールドチョコレートマスターズ 2007」に日本代表として総合優勝を果たした水野直己さん(右)もご登壇され、トークショーが開催されました。お二人のカレボーに対する思いと、ワールドチョコレートマスターズでの秘話、そしてチョコレートに対する哲学なども熱く語ってくださいました。
トークイベントの後は、デザートビュッフェが振舞われました。バリーカレボージャパン(株)が運営するチョコレートアカデミーチームからカレボーチョコレートを使い、「グラスショコラ」「モチショコラ」「シラタマカカオ」が振舞われました。
「アステリスク」の和泉光一シェフからは、「アプリコジャスマン」「トロピック」「ケイク ピスターシュ」「ケイク ルージュ」と洋菓子マウンテンの水野直己シェフからは、「エフショコラ」「カシス」「杏と塩」「パナシェ」をご用意頂きました。どれも大好評で、あっという間にすべて無くなってしまいました。良質なチョコレートを生かす技術を持ったお二人だからこそ最高級のデザートを作り上げる事ができるのです。
普段何気なく食べているチョコレートも、さまざまな人達の努力を経て私達が楽しむ事ができるという事に気づかされました。カカオの発酵から乾燥に始まり、カカオ豆の選別から熟成そしてパッケージにするまで、ひとときも気を抜かないカレボーの職人魂を知ることができたイベントでした。ベルギーのチョコレート文化を支えるカレボーにこれからますます注目です!
※掲載情報は 2016/08/22 時点のものとなります。
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