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山椒は小粒でもピリリと辛い
昔から親しまれることわざにもあるように、ひと口噛めばその強烈な香りと辛みがやみつきになる山椒。日本では、北は北海道から屋久島まで生息し、日本食のアクセントとして欠かせないジャパニーズ・ハーブです。そんな山椒を使って造られたビールがあるのをご存知でしょうか?それは、岩手県一関市の世嬉の一酒造が造るいわて蔵ビールの『山椒エール』。一関市内で収穫した山椒を使用。深みのあるゴールドのエールビールをグラスに注ぐと、きめ細やかな泡がこんもりと立ち上がり、おもわず喉がゴクリと鳴ります。
このビールは、2016年4月開催の日本ビアジャーナリスト協会主催「第2回世界に伝えたい日本のクラフトビール2016」で見事。第一位に輝きました。ビールファン約1,800名による事前アンケートにより選出された8銘柄の中から、イベント当日に試飲によるジャッジなどで投票を行い、これこそが“日本が誇るビール”であるとして、栄えある頂点となりました。その副賞は、2016年7月27〜31日にアメリカ・ポートランドで開催される、「オレゴン・ブルワーズ・フェスティバル」への特別招聘です。
ピリっと爽やかな香味が口から鼻孔に広がります
さあ、ゴクリ。山椒独特の爽やかな香味と、モルトの甘味が口の中に広がり、スパイシー過ぎない仕上がりのバランスの良さに驚きます。ビールの香りは主に原料のホップに由来しますが、このビールはホップとともに山椒も使用。山椒は、雄株と雌株があり、実をつけるのは雌株だけだそうです。ホップにも雄株と雌株があって、醸造に使う鞠花をつけるのは雌株だけ。意外な共通点がありました。もちろん、このビールに合わせたいのは「鰻の蒲焼き」。7月30日の土用丑の日に、ふっくら香ばしく焼いた鰻に、冷やした『山椒エール』を合わせれば、猛暑疲れも吹き飛びます!
クラフトビールのメッカと言われるアメリカ・ポートランドで、世界の人が味わう「Japanese Herb Ale Sansho」。日本のビールの魅力が、世界でどんな評価を得るのか、こちらの結果も楽しみです!
オレゴン・ブルワーズ・フェスティバル:http://www.oregonbrewfest.com/index.php
※日本の酒税法では、発泡酒となります。
※掲載情報は 2016/07/17 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ビアジャーナリスト/パンコーディネーター
宮原佐研子
日本パンコーディネーター協会認定パンコーディネーター、日本ビアジャーナリスト協会所属ビアジャーナリストとして日本ビアジャーナリスト協会HP、雑誌『ビール王国』(ワイン王国)、世界22カ国158本のビールを紹介するe-MOOK『ビールがわかる本』(宝島社)、ビアエンタテインメントムック誌『ビアびより』(KADOKAWA)他執筆。『ビール王国』では、「コンビニ限定うんまいビア ペア」で、コンビニエンスストアで買えるビールとパンのペアリングを連載。日本パンコーディネーター協会主催の講座「ワインよりおすすめ?パンとビールのおいしい関係」でパンとビールのペアリング体験講座も実施。