記事詳細
紹介している商品
表面は「さっくり」、中は「しっとり」。餡と求肥もちのバランスが絶妙
先日、山形出身の方が実家に帰った際に、間違いなくおすすめの手土産としていただいた、「楽(らく)」を紹介させていただきましたが、その際に、同じ山形・鶴岡にある老舗「木村屋」が作った「古鏡(こきょう)」もとても気に入りました。
木村屋が創業した明治20年(1887年)以来こだわってきた特製餡に、もち粉と砂糖にこだわった「「求肥もち」を入れたお菓子で、山形・出羽三山のひとつである羽黒山の「鏡池」から出土された古鏡をかたどった、地元を代表する銘菓だそうです。
ちなみに、「古鏡」という名前の由来は、木村屋が創業以来120余年積み重ねてきた「餡」の真髄を商品化するにあたり、出羽三山のひとつである羽黒山の「鏡池」から発掘された歴史ある鏡をかたどったところからきているそうです。
こちらを買うと、歴史がしっかりと書かれたオリジナルのしおりがついており、しおりを読むと、このお菓子の歴史を振り返ることが出来ますね。
常温でいただくと表面は「さっくり」していて、中は求肥の「とろ~ん」とした柔らかさを感じられます。また、季節柄冷やして食べてみましたが、冷やすと求肥が「もっちり」として、違った風味と食感が楽しめます。
明治20年に山形県初のパン屋として鶴岡市に創業されたそうですが、実は「木村屋」の屋号は初代民吉氏が「酒種あんぱん」で有名な東京銀座木村家で修業し、暖簾分けを許されたことに由来します。
だからこそ、創業以来理想の「餡」を求め試行錯誤を重ねられてきており、餡の原料となる小豆は吟味を重ねた結果たどり着いた、風味豊かな北海道産を使用。また、創業以来積み重ねてきた製法で小豆をふっくらと炊き上げ、小豆の風味をしっかりと引き出しながらも、上品ですっきりとした「餡」に仕上げているそうです。
歴史と伝統を受け継ぐこだわりの「餡」が自慢の和菓子。暑い時期でも冷やして食べると美味しい山形銘菓はいかがですか。
※掲載情報は 2016/07/05 時点のものとなります。
- 11
キュレーター情報
洋菓子研究家
木村幸子
洋菓子に関わる雑誌・TV・WEB等での洋菓子監修・出演・コーディネート、洋菓子店やカフェの新商品開発、雑誌・企業へのレシピ考案・商品開発・製造及び指導、ホテル・イベントなどへの講演・出張講師、洋菓子に関わるイベント企画及び催行等を行っている。
パティスリーのような洗練されたお菓子を中心に、ママ&キッズ向け〜トレンド〜美容系まで対応。
ギネス世界記録「最大のチョコレートキャンディーの彫刻」の製作(2012年2月世界記録認定)
著書 『3・5・7ステップでできる!憧れのゴージャスチョコレシピ』
『大人のパンケーキ&フレンチトースト』
(共に主婦の友社発売)