記事詳細
年間3,000~5,000アイテムのワインを飲まれている岩瀬大二さん。ワインナビゲーターとして、ワインの魅力をカジュアルに伝えることを担ってる。しかし実は、元々はワインが嫌いだったという意外な経験に基づいているのだとか。ある出会いがきっかけで、1つのワインから広がる無限の世界との出会いが彼の原動力となり、今に至るそうです。元々ワイン嫌いだったからこそ、常識にとらわれることのないワイン選びから、そのワインから広がる世界観に魅了された岩瀬さんに、初心者でも楽しめるワインの楽しみ方を教えてもらいました!
ワインに惚れ込んだのは、1つのワインから広がる世界に無限の可能性があるから
【年間3,000~5,000アイテムのワインて、すごくないですか?】
通算だともう数え切れないですが、だいたい年間3,000~5,000くらいは実際飲んでます。多いときでは、4日連続で100アイテム以上飲むときもあります(笑)。なので、意識的に「飲まない日」というのも、作るように心がけているんです。そうでないと、ワインの楽しさを伝える僕が体を壊していたら、伝わるものも伝わらなくなってしまうので(笑)
【今まで飲まれたワインはどのように記憶しているんですか?】
僕は気になったものだけを記録しておくようにしています。特に試飲会などに行くと、時間との兼ね合いで、限られた時間の中でいかに気になるワインを探しだすかがポイントになるので、数をこなして記憶に残ったものだけを記録しておくようにしているんです。
【どうしてそんなに多くのワインを求めるのですか?】
ワインを通じて自分の世界が広がるからです。もちろんワインの引き出しも増えていきますが、そこから枝分かれして、新しい人との出会いがあるんです。たとえばマケドニア産のワインを流通している若いお兄ちゃんとか、普通にワインを飲むだけだったらそこまで興味を持てないと思うんですが、僕はその出会いに魅力を感じてるんです。新しいワインに出会えば、そこに新しい人との出会いがあり、僕の世界が広がる。これがあるから、どんどん数が増えてしまうし、やめられないワインの魅力なんです。
今は3000~5000アイテムですが、ここ最近でこのくらいの数になってきました。もしかしたら来年にはもっと増えているかもしれませんが、そのためにはやっぱり飲まない日は確実に入れていかなといけないと思っていますよ(笑)
「ワインが好きな人なんて嫌い!」だった20代
【そもそもワインにはいつ頃から興味を持つようになったのですか? 】
実は、僕がまだ20代でライターをしていた時に、雑誌の企画でワインを飲む機会があったんです。何種類かのワインを目隠しして飲まされて、その中には70年代のシャトー・マルゴーもありました。
ところが僕はそれを「マズい」と言ってしまったんですね。その瞬間いわゆるワイン愛好家の人たちが一斉に、「お前は何もわかっていな」「ワインの話をするな」と言い出したんです。当時の僕には、ワインの美味しさが分からなかったんですね。
それ以来僕は、”教科書の1ページ目から勉強しないことにはワインを語る資格無し”のような考えを持つ、ワイン愛好家の人たちが大嫌いになった(笑)。さらに、その人たちが好きなワインまで嫌いになってしまったんです。
【そんなワイン嫌いの状況から、ワインをお仕事にするようになるまで、どのような変化があったのでしょうか?】
30代半ばを迎えた頃、オーストラリアのシドニーへ旅行に行く機会がありました。相変わらずワイン周りの人が苦手だったし、その人たちの間ではオーストラリアのワインは、それほど評価が高くなかった頃です。でも、シドニーで最初に入った店で接客をしてくれた女性スタッフとの出会いが、その後の人生を変えてくれました。
その店に入ると、店員にまず「ドリンクは何にする?」と聞かれ、ふと「オーストラリアのワインを注文してみようかな?」と思いました。でもワインのことはよく分からないことを伝えると、彼女は僕の横に座り「任せて!シャドネー(オーストラリアでのシャルドネの読み方)はどう?」と、すごくフレンドリーに接してくれたんです。
「料理は何を食べるつもり? 今日着いたばかり? 体調はどう? 予算はいくら?」と、嫌味な雰囲気は全くなく、むしろ僕たちに合うワイン探しを楽しんでいる様子でした。そして彼女の提案によってワインを飲んだところ、それがまさにその時の気分にピッタリで。生まれて初めてワインを美味しいと思えたんです。
翌日には、オーストラリアのワイン産地として有名なハンター・バレーのワイナリーに行くオプショナルツアーを申し込みました。印象的だったのが、どこへ行ってもワイン関係者がみんなフレンドリーだったこと。そして、その日の夜も同じ店を訪れて、例の女性スタッフに「昨日勧めてくれたシラーを飲んできたよ。あれ美味しいね!」と伝えたら「そうでしょう? ここのも飲んでみる?」と。
さらに彼女は、ワインとフードのペアリングも自然にやってくれていたんです。この時の体験で、自分の中にあった変なこだわりが一気に崩れました。どんどんワインにのめり込んで、いつか自分も彼女のようになりたいと思うようになっていました。だから彼女は僕にとっての最初のメンターと言えますね。
ワインのプロと消費者を自分流につなぐ存在になりたい
▲チャコリ・チョミン・エチャニス 2014
チャコリとは、ピンチョス発祥の地でもあるスペインのバスク地方で作られている微発泡ワイン。高いところから泡立てるようにグラスに注ぐのも特徴
【岩瀬さんが日頃大切にしているスタンスやこだわりを教えていただけますか?】
僕のスタンスというのは、ワインジャーナリストや評論家よりもカジュアルな目線で、ワイン生産者やインポーターと一般消費者の間をつなぐ存在でありたいということ。絶対にそういう存在が必要だと思った時から、その想いは変わっていませんね。
以前、ある日本を代表するソムリエさんのワインセミナーに参加した際、その方がおっしゃったことが僕と同じ考えだったので、すごく嬉しかったことがあります。
フランス南西部はビストロ発祥の地と言われるくらいなので、そこで出来るワインは料理にもすごく合うんです。中でも「デュラス」というブドウ品種があって、日本でワインを勉強すると、教科書が上・中・下3冊あったなら下巻まで勉強しないと出てこないような品種。だからデュラスは愛好家の間では、「かなりマニアックな品種だよね」と言われるわけです。
でも、現地では、地元の学生が普通に鴨のコンフィなどと一緒にデュラスのワインを飲んでいる。パリの人にとって焼酎の黒霧島が珍しくても、日本ではコンビニでも買えるのと同じ。だから別にマニアックではないという話を、トップソムリエの方がしてくれたのが嬉しくて勇気付けられました。
ジョージアワインだって、2年くらい前から日本でもかなり注目を集めましたけど、現地に行けばお父さんたちが仕事終わりに一杯やりに行って飲むような、日本酒のワンカップのような存在もある。だから、日本でマニアックと呼ばれているようなワインも、そうやって気軽に楽しく飲んでも構わないし、教科書の1ページ目から勉強する必要なんてないんだと気が付きました。
ワインを僕なりの方法で広めたいという想いは当時も今も変わらないし、むしろ強まっているように感じます。もちろん、若い頃のような”ワイン愛好家憎し”という感情はもうありません。僕自身の思考がフラットになっているし、お付き合いしているソムリエやジャーナリストの皆さんも思考がすごくフラット。だから非常にやりやすいですね。
【「フランス・シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ」を叙任されていますが、こちらをいただくことになった理由や、現在どのような活動をされているのかを教えていただけますか?】
最大の理由は「シュワリスタ・ラウンジ」という、シャンパーニュ専門のWEBマガジンの運営によって、シャンパーニュのPRに貢献したと認めていただけたこと。2005年ごろ都内のあちこちにできたいわゆるシャンパンバーに、クリエイターなど僕の仕事仲間たちも通うようになって、「シャンパーニュ専門サイトを作ろう!」と意気投合して立ち上げました。
すでに至る所で飲み歩いていたメンバーばかりだったので、インポーターさんたちも「このメンバーがやるなら面白いね」と注目してくださって、そのうちフランスの生産者からも評価していただけるように。それがシュヴァリエへの推薦につながったというのが経緯です。
シュヴァリエを叙任したことによって、もっと頑張って彼らのためにシャンパーニュの魅力を紹介したいという原動力にもなっています。シャンパーニュはセレブリレィ的なアイテムになっている一方で、ひとつの農産物でもあります。そのことを表現することによって、生産者やインポーター、お店と一般消費者とを、僕ら流につなげていく活動ができればと思っています。
驚きと喜びを与えてくれたワインとは?
▲メドル・カルトイシャ・オーガニック 2014
スペイン タラゴナ地方で2010年に設立されたばかりのワイナリーで作られているオーガニックワイン
【今まで出会ったワインの中で、特に印象に残っているものがあれば教えていただけますか?】
最近の「この仕事をやっていてよかったな」と思うような出会いでいうと、中近東のワインとニューヨークワインがあります。
◆中近東ワイン
自分の体にものすごく合うワインがやっと見つかったという感じですね。いつ飲んでも体に馴染んで、マインド的にも心地よい。まるでスピリチュアルな部分で引き上げてもらえるような感覚になれるんです。
タンニンの当たりが良くて、飲みごたえとしてはユルっとしているんですよ。ユルっとしていると言ってもフィネス(洗練されている感)が失われているわけではなく、ゆったりと広がってくれるので、口の周りへの負担がない。
家で飲んでも、その日の怒りを全て忘れられる、贔屓のチームが試合で負けても全然大丈夫!むしろ相手チームのいいところ見つけちゃった!みたいな(笑)。これほどの出会いは初めてでした。
◆ニューヨークワイン
ニューヨークの有名なソムリエにポール・グレコという人がいるんですけれど、彼の経営するワインバーと彼のスタイルというものが、僕とすごく合っている。僕がワインを人に勧める場合、ワイン会などのイベントで伝える機会も多くあります。そのようなワインを伝える時に、相手が何を欲しているのかを会話を通して引き出していくスタイルなんです。
例えば、リースリングという品種の白ワインが何本かあるとします。その中から目の前のお客さんにどれを勧めるのか。「その人がデフ・パレードを観終わって飲みたいと言っているのか、メガデスを観てからなのか、ピンク・フロイドなのかで、勧めるリースリングが違うんだよ」と彼が言ったのを聞いて、まるで自分を見ているみたいだと思いました。
それまで僕は、そもそもニューヨークにワインがあることも知らなかったのですが、素晴らしい品質です。その素晴らしい品質のワインを、ニューヨークの人がどのようにサーブしているのかと言えば、サーブの仕方も格好いい。
マディソン・スクエア・ガーデンでビリー・ジョエルのコンサートを楽しんだ後に飲むワインもあるし、ヤンキースタジアムで野球を観戦した後に飲むワインもあって、そうことを僕も提案していきたいなと。
以前、「ブルックリンワイン対イングランドワインの会」というものを開催したことがあります。これらのワインについて知らない人に伝える僕なりの方法として考えたのが、ニューヨークやロンドンの映画好きの人、スポーツ好きの人、音楽好きの人に、ワインの世界に入ってきてもらうということ。そんなアイデアを生んでくれて、しかも自信をくれたのがニューヨークワインですね。
スポーツ観戦が大好きな一面も
▲オンラインの野球ゲームには、必ず1日1度はアクセスしています(笑)
【日常で今の“マイブーム”があれば教えていただけますか?】
今に始まったことではないのですが、サッカー、ラグビー、野球、アメリカンモータースポーツなど、スポーツ観戦全般が好きです。プロレスに関しては、国内のあらゆる団体の試合に足を運んでいるし、実際にプロレス関係のお仕事もさせていただいています。世の中をプロレス的に見ると全部楽しくなるんですよ。
【日頃使用しているお気に入りのアイテムがあれば教えていただけますか?】
フランスのシャンパーニュメゾン「シャンパーニュ サロン」へ取材に行った時にもらったグラスです。何か大切な節目の時には、これにシャンパーニュを注いで飲むことにしています。シャンパングラスにもいろんな形があって、それぞれ適した選び方というものがありますが、そういった機能を抜きにして「俺、頑張ってきたな」という時に使うグラスなんです。
【お仕事でもプライベートでも、今だから話せる失敗談が何かあれば教えていただけますか?】
男性が必ず一度はワインの壁にぶち当たり、恐怖を覚えるのがフレンチ初デートじゃないでしょうか。僕が若いころは今のようにインターネットも無いから、ろくな事前リサーチもできず、いくらかかるのか行ってみるまでわからない。
僕の場合、初めて訪れたレストランでメニュー表を見て、料理は7500円のプリフィクスがあって「よし、バイト代で払える」と。「じゃあ、ワインも少しは頼めるなぁ」と思ったら、「え?なんでワインが1万円も超えてるの?!」となった(笑)。当時はクレジットカードも持っていなかったので、トイレに入ってお財布の中身を確認したりして……。
リストの一番下の方に3500円と表示されているワインがあって、「これならいける!」と指差して注文したのがポートワイン。実はこれ、甘口の基本的には食前・食後酒なんです。でも、そこでソムリエの方は全て察してくれて僕に恥をかかせるようなことはせず、「この系統がお好きであれば、本日のメイン料理との相性的にはこちらのワインがおすすめです。グラスでのご用意が可能なので、いかがでしょう?」と、グラスワインを提案してくれたんです。
皮肉な様子も全くなく、助けてもらったことだけはわかりました。感謝ですよね。そんなこともあって、その店にはしばらく通いました。だから、ワインの知識を自力でたくさん付けるよりは、良いソムリエさんやお店のオーナーのような、ワインに詳しい人を1人見つけちゃった方が早いですよと、お伝えしたいですね。
テーマひとつでワイン会がぐっと楽しくなる
▲トルティージャ
ジャガイモと玉ねぎがたっぷり詰まった人気の定番メニュー。とりあえずのおつまみとして、最初の一杯とともに味わうのもおすすめ
【ワイン初心者でも実践できるような、手土産ワインの選び方を教えていただけますか? 】
”スマートな上司にはアルゼンチンワイン”など、すでにippinの記事で具体的にご紹介しているので、それを見ていただくのも一つの方法ですが、ワインの知識がなくてもできる最も簡単な方法は、「そこで何が行われていて、どんなものがあったら楽しいのかな?」と発想してみること。ワインは無限なので、いくらでも何とでもなります。特にテーマが無ければ、何を持って行ってもいいんです。
◆「スペインサッカーを観よう」という会なら
アンドレス・イニエスタという選手がワイナリーもやっているので、そこのワインを飲みながら観るとか。そしてスペイン料理を用意するなら、包丁を使わない「スペアリブのパエリア」がおすすめです。
フライパンに米を入れて、スペアリブをそのまま入れて、インゲンをパキッと割って、焼肉のタレと、他にも好きな味付けをお好みで加えて、ちょっと赤ワインなんかも入れちゃって、火にかけるだけ。女性がたくさん参加する場で男性がそういうことをすると、すごく格好いいと思います。ユニフォームを着れば、さらに盛り上がりますね。
◆婚約のお祝いなど女性同士の集まりなら
ワインは味よりもエチケットのデザイン重視で選んで構わないと思います。ハートマークが入ったものとか。難しいことなんて考えなくていいんです。たくさんの人が持ち寄る場なら、その場では封を開けない可能性もあるし、ワインなら冷蔵庫で冷やして後で飲んでもらうこともできます。
◆2人で事務所を起こす知り合いなら
僕の経験談ですが、彼らの仕事始めの時にお祝いで持って行ったのが、「DUBL(ドゥブル)」。イタリアのカンパーニャ州で有名なサングレゴリオというワイナリーと、フランスのシャンパーニュでカリスマと称されているジャック・セロスがコラボして作ったスパークリングワインです。
若い2人の門出としては、シャンパーニュはむしろ上目線過ぎるかな?と考え、かといって安いものだとあまり意味がないし…と考えた結果、二人組で作ったワインという意味づけで選びました。
でもこれって、ワインの知識がないと正直難しい。そんな時になんでも相談できるお店を探しておくことをおすすめします。ネットショップは安いけど、初心者の方は尚更探すのが大変だと思います。デパートのワイン売り場にも良いソムリエさんがいるので、そういう方に恥ずかしがらずに相談するのも手ですね。
【また、自分がゲストを呼んでホームパーティーをする際におすすめのワインがあれば、それも教えていただけますか?】
僕がゲストを招く立場でパーティやイベントを主催する場合、必ず何かテーマを決めるようにしています。そして、そのテーマに引っかかる人をお招きするんです。
例えば、「ソーヴィニヨン・ブランで世界一周」というテーマで、世界のソーヴィニヨン・ブランを集めたりして、ワインをテーマにする方法。あるいは、ワイン以外のところからテーマを持ってくる方法も。
◆「プロレス選手の引退試合を観ながらみんなで熱くワインを飲もう会」なら
最初は軽めでスタートしつつ、最後はヘビー級の赤ワインを用意しました。ビリー・ジョエルのスタジアムライブを見ながら、ちょっと明かりを落として「ニューヨークワインを飲む会」をしたこともあります。
◆「相撲を観ながら飲むスパークリングワインの会」なら
九重親方にちなんで9種類のぶどうを使ったワインを用意する。
◆「競馬を観戦しながらのワイン会」なら
「今日のワインは12.5%のアルコール度数だから、とりあえず1、2、5だけは買い続けよう」など、発想は単純で構わないんですよ。
何かを観ながら、音楽を聴きながらなど、ワインと何かを合わせることが多いですね。「アメリカ西海岸のロックを聴きながらカリフォルニアワインを飲む会」とか、映画「仁義なき戦いワイン会」ってのもありましたね。映画の舞台が広島というだけで、広島の「三次ワイナリー」さんにワインを送ってもらって。こういうテーマがあるだけでも、ワインって楽しくなるんですよ。
新しいメディアがまもなくスタート!
▲メディアのネーミングには、「ミュージック+ワイン」や「ライフ+ワイン」など、そこにワインを加えることによって今がもっと素敵になりますよ、という想いが込められているそう
【今後、ワインやお酒に関連することで挑戦したいことや、夢があれば教えてください。】
今まさに動いているのが、「+W+wine(プラスダブル プラスワイン)という新しいメディア。いろんな人に書いてもらうブログサイトの集合体みたいなものを立ち上げようと動いています。ジャーナリストの方にご参加いただいてもいいですし、一般のワイン愛好家の方に表現の場とし使ってもらうとか、インポーター発信のちょっとした情報が拾えるようなサイトになればと考えています。
それともう一つ。フェスを開催したいですね。セミナーと試飲会を組み合わせた業界向けのイベントはありますが、一般の人と業界の人との交流ができて、そこに音楽もあってという、ワインだけじゃない感じにしたいです。
【 ippinユーザーの方へ、何かメッセージをお願いします。】
とにかくワインを怖がらないで欲しいと思います。どのジャンルでも権威付けする人って必ずいるじゃないですか。バレエでも歌舞伎でも。高尚に観ようと思えばいくらでも高尚に観られるけど、ある程度の知識があれば、それなりの楽しみ方ができるはずなんです。
ワインの知識だって、興味を持ってくれたところから広げていけばいいんです。野球で例えると、最初はルールなんてほとんど知らなくて「大谷選手なら知ってるよ」という程度だったのが、「大谷ってもう1人他のチームにもいるの?」「先発とセットアッパー?役割が違う?それって何?」みたいな。知れば知るほど面白くなってくるじゃないですか。
本は最初のページから開くしかないけれど、Webのように好きなところから入っていい。もしきちんと体系付けて学びたくなったら、その時に初めて専門書を開けばいいんです。それと、ワインについて気軽に教えてくれる存在を持つことです。お店の人、友人、先輩や後輩、誰でも良いので、最初から自力で勉強しようなんて思わないことです。
バル パンチョ
神奈川県藤沢市辻堂2-16-8
0466-36-3118
17:00~翌2:00
月曜日・第2日曜日・第4日曜日
ぐるなびページ
http://r.gnavi.co.jp/14wy4s7r0000/
岩瀬さんが試飲会で出会った店主のパンチョさんは、そのワイン知識やセレクト眼に定評がある存在。「ここには、マニアックで美味しい“変態ワイン”がたくさんあるんですよ。近所にあったら間違いなく入り浸ってしまうので、自宅から遠い辻堂で良かったと思いますね(笑)」と岩瀬さん。
【プロフィール】
MC/ライター/コンサルタントなど様々な視点・役割から、ワイン、シャンパーニュ、ハードリカーなどの魅力を伝え、広げる「ワインナビゲーター」。ワインに限らず、日本酒、焼酎、ビールなども含めた「お酒をめぐるストーリーづくり」「お酒を楽しむ場づくり」を得意分野とする。シャンパーニュ愛好家たちとシャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』を立ち上げ、編集長を務める。ワイン専門誌「WINE WHAT!?」では特集企画・ワインセレクト・執筆を担当。そのほか、飲食店向けワインセレクト、コンサルティング、個人向けワイン・セレクトサービスにも携わる。「豊洲パエリア」「フィエスタ・デ・エスパーニャ」など、お酒と笑顔をつなげるイベントの企画・MC実績多数。
フランス・シャンパーニュ騎士団 シュヴァリエ叙任。
デイリーワインとかんたんおつまみレシピのWEBサイト「いっしょに!ワイン」運営。
プライベートサロン『14(キャトルズ)』でのユニークなワイン会運営。
http://rd-daijiiwase.jimdo.com/
※掲載情報は 2016/07/02 時点のものとなります。
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