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地元民なら誰しもが懐かしく感じるおなじみの味ってありませんか?地元に帰ったときに、実家で食べたり、実家の両親が贈ってくれたりしたときに感じる「この味」は各都道府県、あるいは市町村ごとに異なるものです。
日本ではさまざまな国のスイーツやお菓子を楽しむことができますが、やはり私たち日本人にとってなじみ深いのは和菓子の中でも、多くの和菓子に入っている「餡」の原材料である小豆は「邪気を祓う」とも言われ、お饅頭なども古くからお供え物の定番としても重宝されてきました。
そこで今回は、そんな魅力あふれるあんこを楽しむことができる「地元」の和菓子を都道府県別に紹介いたします。北は秋田から南は福岡まで、ご当地らしい和菓子を選んでいますので、ぜひ観光や出張などの際のお土産選びの参考などにお役立てください。
秋田:上質な玉子の旨みもある中の白餡の組み合わせがたまらない「金萬」
こちらは、秋田の人ならおそらく多くの人が知っている和菓子ではないでしょうか。もう60年以上のヒット商品になるのが、【株式会社金萬】の「金萬」です。小さな今川焼、大判焼みたいな形状で、はちみつや玉子をたっぷり使用したカステラ風の生地に、上質な玉子の旨みもある中の白餡の組み合わせは絶妙です。生タイプと真空パックがありますので、用途によって選べるのも魅力。紹介者のフードジャーナリストのはんつ遠藤さんのオススメは、電子レンジで10~20秒温める食べ方。ふわふわで超美味になるそうです。
山形:あんこと栗の相性がたまらない「楽」
こちらは、山形県鶴岡市にある老舗の和菓子屋【木村屋】。明治20年(1887年)創業しており、「木村屋」の屋号は東京銀座木村家で修業して暖簾分けを許されたことに由来するのだそうです。いろいろな和菓子がありますが、中でも「古鏡」と並んで人気の和菓子が一粒の栗を丸ごと包んだ「楽」です。和菓子風味の良い選りすぐった小豆を時間をかけて丁寧にあっさりと炊き上げてつくった餡と、大栗の栗の相性のよさが味わえます。紹介者の洋菓子研究家の木村幸子さんは、常温で食べた際の柔らかな食感と、冷やして食べる際のさっくりとした食感の食べ比べをオススメしてくれています。鶴岡市に行った際にはぜひ購入したい和菓子です。
福島:薄い皮で包まれあんこを堪能できる「柏屋薄皮饅頭」
こちらも福島では知らない人はいないのではないでしょうか。創業は1852年(嘉永五年)、今年の7月1日で165年目を迎える和菓子屋【柏屋】。色々なお菓子がありますが、絶対に味わいたいのがこだわっている餡を堪能できる「柏屋薄皮饅頭」です。餡は2種類あり、上品でなめらか、口どけのよさとさらっとした甘味が特徴の「こしあん」と、甘さひかえめ、小豆本来の素朴な風味と食感が楽しめるの「つぶあん」。薄い皮で包まれているので、どちらの餡も存分に堪能できます。紹介者の食業プロデューサーである松田龍太郎さんが、『餡と皮の黄金比が絶妙なバランス』と表現する、一度は味わいたい和菓子です。
静岡:お餅とお漬け物を一緒に食べているような味わいの「さくら葉餅」
和菓子などでよく目にする塩漬けの桜葉。その桜葉で全国シェアの7割を誇るのが、静岡県松崎町です。その松崎町にある【お菓子処 梅月園】で食べられるのが、塩漬けした桜の葉2枚で、真ん中のお餅をはさんだ「さくら葉餅」です。紹介者のベジアナ・農業ジャーナリストの小谷あゆみさん曰く、控えめな甘さのあんこを塩々した葉っぱが包み、お餅とお漬け物を一緒に食べているような味わいが楽しめるのだそうです。桜葉の良さを存分に知る街で作られる和菓子、静岡に行った際にはぜひ立ち寄ってみてください。
長野:サクッとした食感と餡が絶妙な組み合わせの「くるみるく」
長野県のお土産でくるみやくるみのお菓子をもらった方もいるのではないでしょうか。長野県東御市は、大正時代からくるみの木の栽培が奨励され、日本でも有数の生産地になったそうです。チーズ&ワインナビゲーターの山田好美さんに紹介してもらったのが、東御市にある老舗御菓子【花岡】の「くるみるく」です。シュー生地をくるみの形に焼き上げ、中にくるみが入ったあんこがたっぷり詰まっています。サクッとした食感と餡が絶妙な組み合わせなのだそうです。くるみの美味しさがたっぷり味わえる和菓子です。
三重:自然な甘みともっちりとした弾力が特徴の「生ういろ」
こちら三重県伊勢市の地元の方では知らない人はいないのではないでしょうか。大正12年に創業し、昭和13年に「ういろう」専門店となった【虎屋ういろ】です。名古屋の「ういろう」は米粉を蒸して作られますが、【虎屋ういろ】の「生ういろ」は小麦粉から作られています。小倉や栗などの定番から季節限定まで、約35種類ものバリエーションが楽しめるのも魅力。紹介者のエグゼクティブ・アシスタントである依田早苗さん曰く、自然な甘みともっちりとした弾力が特徴という「生ういろ」。伊勢を訪れた際には、ぜひ一度味わってみてください。
石川:お餅もこしあんも口どけが良くなめらかな食感の「あんころ餅」
こちらも石川県のお土産で食べたことある方もいるのではないでしょうか。【圓八】の「あんころ餅」は、石川県の方に知らない人はいないといわれるほど有名店です。創業は1737年(元文2年)で今から270年以上も前になるほど古く、天狗があんころのレシピを教えてくれたというエピソードに始まっているとの話もある、いわくのある和菓子です。おもちを覆っているあんこは、出来上がるまでには3日もかかっているほどこだわっています。お餅もこしあんも口どけが良くなめらかな食感が楽しめ、雑味のないあっさりとした味わい。ご紹介者の一級フードアナリスト、利酒師の雅珠香(あすかりん)さん曰く、いくつでも食べられるおいしさなのだそうです。駅や空港の販売店でもみかけることができるそうですので、石川県にいったらぜひ味わいたい和菓子です。
京都:つきたてのお餅に粒あんが入った「麦代餅」
京都には歴史あるお店が多いですが、こちらのお店も昔から地元の方に愛されてきたお店です。140年以上の歴史のある和菓子屋【御菓子司 中村軒】。こちらでは色々な和菓子がありますが、あずきの美味しさとなめらかな口あたりで、夏の季節にしか味わえない水羊羹「水鏡」や「栗もち」や「栗大福」などの季節限定の和菓子から、つきたてのお餅に粒あんが入った「麦代餅」や「かつら饅頭」などの和菓子まで多くあります。四川飯店グループ オーナーシェフの陳 建太郎さんにご紹介をいただきましたが、おもちを使った和菓子が特に印象に残っているそうです。種類も豊富なので相手の好みに合わせて選べるのも魅力な和菓子です。
大阪:ぷちぷちとした食感が癖になる「けし餅」
大阪土産で食べたことがある方も多いのではないでしょうか。延宝年間の創業で三百数十年、けし餅一筋に製法を守り続ける【大阪小島屋】の「けし餅」。北海道の小豆で作ったこしあんを餅皮で包み、けしの実をまぶした和菓子です。甘さ控えめの餡ともちもちしたもちの部分のバランスが、とてもたまりません。紹介者のシェフグラシエ・シェフパティシエの江森宏之さんは、日が経って餅皮が固くなった際は、けしの実が少しこげる程度にオーブントースターなどで焼くそうです。皮も柔らかく風味が良くなって、別の味を楽しむことができるそうです。ぷちぷちとした食感、ぜひ一度味わってみてください。
福岡:サクッとした食感で中はもっちりな「梅ヶ枝餅」
「学問・至誠・厄除けの神様」としても知られる太宰府天満宮は、修学旅行などで訪れた方も多いのではないでしょうか。こちらの名物の和菓子は「梅ヶ枝餅」ですが、参道にも色々なお店が並んでいますが、その中でスイーツプランナーの山口真理さんに紹介してもらったのが【かさの家】です。観光客の方なども並ばれているそうですが、餅は焼かれている為にサクッとした食感で中はもっちり。程よい甘さのあんこが食べやすいのだそうです。食べ比べなども楽しいですが、腹持ちもよいので散策中にはぴったりな和菓子です。
※掲載情報は 2016/06/15 時点のものとなります。
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