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沖縄に来られたことのある方、または、沖縄料理店に足を運んだことのある方なら、きっと沖縄県産のもずくを食べたことがあるのではないでしょうか。ぬるぬる、つるつる、シャキシャキとした独特の食感のもずくに甘酢をかけて、すりおろしたにんにくや生姜なんかをちょっとだけ添えて、ずずずっと吸い込む。癖になるおいしさですよね。さらに、身体にいいという話なので、毎日の食卓に登場させたい健康食でもあります。
そのためか、沖縄県内の一般家庭でももずくは頻繁に食べられていて、毎日のように食卓に上がります。食べ方も色々で、もずく酢だけでなく、てんぷらにしたり、炒め物に使ったり、味噌汁に入れたりと、いろいろな方法で食卓に上ります。
本州とは違う独特の沖縄もずく
さてみなさん、沖縄県のもずくは、本州のもずくと種類が違うというのをご存じですか?沖縄県で一般的に食されているのは、「太もずく」と呼ばれるもずくで、本州のそれと比べると、その名の通り太く、ぬめりが強く、中心が空洞でコリコリとした食感があるのが特徴です。本州で一般的に生息し食べられているもずくは「糸もずく」と呼ばれる種類で、つるつるっとしたなめらかな食感が特徴です。
そして、沖縄県に限らず、自然のままに育ったもずくというのは本当にごく少量で、流通量の99%(SUNUIホームページ参照)は養殖されたもずくだということをご存じの方は少ないのではないでしょうか。もずくは、本来は珊瑚や砂地に自生し、群生せず、潮の流れや深さがほどよく、かつ透き通った海で太陽の光を浴びて光合成を促進させて育ちます。こういった条件が整っている場所は年々減り、そのため群生せずに、条件の整った場所に点在しています。一方、養殖もずくは、地面に這わせたロープなどに付着させ、群生させて育てます。収穫方法も異なり、天然もずくは手摘みが基本ですが、養殖もずくは掃除機のような機械を使って吸い取ります。その違いは、太さやぬめり、食感、色合いや香りに影響を与えます。
今回ご紹介するのは、流通量のわずか1%(SUNUIホームページ参照)ほどしか獲れない天然の沖縄県産もずく「sunui」です。
天然もずく「SUNUI」
「SUNUI」は、沖縄方言で「もずく」のこと。
その海の美しさでダイビングスポットとしても人気の沖縄県の離島・久米島に自生する天然もずくを、この道30年を超えるベテランの海人(うみんちゅ)たちが手で収穫しています。群生していない天然もずくを手で収穫して回るので、それはもう大変な手間です。それでも、このおいしさを伝えるために、このような収穫方法を続けています。
そのおいしさは、ミシュランガイド東京2016で二つ星に輝く銀座の料亭等でも認められ、現在では高級料亭を中心に、料理人にも愛用されています。
もずくのおいしい食べ方あれこれ
せっかくおいしいもずくをご紹介したので、食べ方も一緒にご紹介したいと思います。生のもずくをそのまま入手できればいいのですが、これは生産地でも旬の時期だけ味わえる贅沢。広く流通しているものは基本的には保存のために塩漬けになっているので、まずはしっかり塩抜きをしましょう。
塩抜きの仕方
1.ざるにもずくを入れて流水でしっかり洗います
2.ボウルにたっぷりの真水を張り、もずくを30分ほど浸します
3.最後に、再度ざるに入れて流水でしっかり洗います。
※塩抜き後は冷蔵庫で保存し、できるだけ早く食べ切りましょう
もずく酢
1.塩抜きしたもずくはしっかり水気を切る
2.米酢:醤油:砂糖:かつおだし=1:0.25:0.25:3の比率で混ぜて1にかけたらできあがり
※おろしたしょうがやにんにくを少量添えるのもおすすめ
※そうめんにのせてもおいしいです
もずくのてんぷら
1.もずくはしっかり水気を拭き取り、食べやすい大きさに切り、軽く小麦粉をはたいておく。にんじん・たまねぎ適宜は薄い細切りにしておく。
2.ボウルに小麦粉カップ100g、冷水100cc、卵1個を入れて衣を作る
3.1を2の中に入れて混ぜ、食べやすい大きさになるよう、5cm四方に切ったクッキングシートの上に薄めに広げる。
4.170度に熱した油に、3をクッキングシートを下にして滑らせるように入れて、きつね色になるまで揚げる
※クッキングシートは揚げている途中で自然にはがれてきます
※お好みでにらやネギなどを入れるのもおすすめ
もずくのにんにく生姜炒め
1.もずくはしっかり水気を切っておく。しょうがとにんにく適宜はすりおろす。
2.フライパンに油を熱し、1を入れて炒める。
3.2にかつおだしカップ1/2、醤油適宜をいれて、ある程度水気がなくなるまで炒める。
※お好みでたまねぎなどのほかのお野菜を入れてください
ちょっと早いですが、4月3日は「もずくの日」です。
ぜひいろんな食べ方に挑戦して、沖縄県産太もずくを楽しんでくださいね。
Swimmy.Inc
沖縄県宜野湾市嘉数4-8-13.
※掲載情報は 2016/03/26 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ソルトコーディネーター
青山志穂
東京都出身、沖縄県在住。
大手食品メーカー勤務から一転、塩に魅せられて塩の道へ。塩の専門店で社内資格制度の立ち上げなどを行ったのち、2012年に(社)日本ソルトコーディネーター協会を立ち上げて独立。現在は、塩のプロフェッショナルであるソルトコーディネーターの育成のほか、全国を飛び回りながら、塩の基礎知識や使い方などに関する講座や講演、テレビやラジオ、雑誌などへの出演、塩売場のコーディネートなどを行いながら、塩の啓蒙活動に努めている。有名シェフとの塩をテーマにしたコラボレーションイベントや食品メーカーの商品企画も手掛ける。著書に「塩図鑑」(東京書籍)「琉球塩手帖」(ボーダーインク)「日本と世界の塩の図鑑」(あさ出版)など。