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日本で育てられているお茶の樹のほとんどは、種から育ってはいないというのをみなさんはご存じですか?実はお茶の樹の多くは挿し木をして増やされているのです。もちろんそういったお茶でもおいしい物はたくさんあるのですが、種から大きく育ったお茶からはそれらとはまた違った味わいを感じることができるように思います。
このお茶は三重県から滋賀県の県境へと続く鈴鹿峠のふもと、「沓掛」の地に100年以上も前に植えられた茶の種が茶の樹となって作られたお茶。こういった種から育ったお茶の樹は寿命も長く、根は地中奥深くまでどんどん伸びていくそう。自然の中で自ら養分を取りに行く力もある、野生のパワーみなぎるお茶という感じでしょうか。昔から、心底疲れた時に決まって、私はこういうお茶が飲みたくなるのです。自然の力強さ。四季の訪れのような繊細なやさしさと穏やかさ。初めてこの「百年乃茶」を飲んだ時、優しいおもりのようなずーんとした安定感と、頭上をサーっと通り過ぎる爽やかな風を感じて思わず驚いてしまいました。このお茶の樹の育った場所に一度も行ったことがないのに、風景が見えたような気がしたんです。
さらに一口飲んだだけで「100年以上の間、たくさんの人に愛されて育ってきたんだよ。たくさんの風景を見てきたよ」とお茶が自ら語り始めるようなそんな感覚もあったんです。「お茶が語る!?風景が見える!?え!!?」って思ったあなた!是非、一度こんな自然の中でのびのびと育ったお茶を飲み、目をつぶってみてください。個人差はあるかもしれませんが、確かな自然の力強さを感じられると思います。普段よりも疲れたなあと思った時、今日は思いっきり贅沢しちゃおうと思った時には是非、このお茶のことを思い出してみてくださいね。
※掲載情報は 2016/03/02 時点のものとなります。
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キュレーター情報
日本茶アーティスト・煎茶道東阿部流師範
茂木雅世
急須で淹れるお茶とその「まわり」を、ちょっとおもしろくする人。煎茶の出番すらなかった場所にも積極的に急須とともに参上し、全国様々な場所でJAPANESE TEA PARTYを開催。多くのクリエイターとコラボをしながら普段急須を使ってお茶を淹れない若い人にも「やっぱり急須のお茶っていいね」と思ってもらえるきっかけとなるような風景や場所、物を多く生み出しています。