八味仙
雲月 南青山店 住所:東京都港区南青山3-4-4
東京・南青山にある「雲月」は、京都の出町柳近くにある料亭御所雲月の土産物だけを扱う、隠れたお店。
京都の料亭は、私が関西出身ということもあり存じあげていましたが、近所を散策中に、たまたま南青山のお店を発見しました。
最初に、「小松こんぶ」とのセットを買った際に、今回ご紹介する「八味仙」とのセットだったのですが、気に行ってリピートで買ってしまいました。
もともと「雲月」を営む前は、享保16年より御所出入りの薬御用人であったため、家伝の漢方録をそのままに甦らせのが、このお店の看板商品の一つ「八味仙」。
「雲月」は現在、料亭なのですが、昔は「香具屋善七」と名乗っていた香具屋さんだったようです。享保16年より営んでいた頃の古文書の中にある七味唐辛子の一種の「八味仙」を再現したところ、現代の料理にも合うということで甦ったようですね。
こちらは、江戸中期に広まった「七味唐からし」の一つと考えられているものの、その薬味の数は実際10種類以上もあり、八味と遠慮して命名されているそうです。
正確には7つの味ではなく、「唐辛子・陳皮・白ゴマ・黒ゴマ・粉山椒・青のり・黒胡椒・麻の実・けしの実・ウイキョウ」と、10種類の香辛料を調合したもの。
また、通常の七味にはないゴマや青のりが入っていることで、香ばしさと磯の風味を感じることができます。更に、甘い香りと苦みが特徴で、スパイスとしてカレー料理にも使われている「ウイキョウ」も入っていて、口の中に入れると、最初に甘い香りが広がり、その後にスパイシーさが口の中に広がります。
通常の七味だと、最初に「ピリッとした辛さ」が口に中に広がりますが、「八味仙」はこういった原料を使っているからか、それがないんですね。
私は、「白菜と豚肉の重ね煮」に、ちょっとふりかけてみましたが、通常の七味では味わえない、香ばしさ・甘さ・スパイシーさが相まって新鮮な印象でした。
また、独特の風味がありますので、たまごかけごはんにかけてみても美味しくいただけると思います。
シンプルですが、見た目も、とても高級感があり、食卓に置いておくととても絵になりますので、ぜひ、食卓に常備し、自分好みの食べ方にふさわしい料理を見つけて、「一振り」してみてはいかがでしょうか。
雲月 南青山店 住所:東京都港区南青山3-4-4
※掲載情報は 2016/02/23 時点のものとなります。
洋菓子研究家
木村幸子
洋菓子に関わる雑誌・TV・WEB等での洋菓子監修・出演・コーディネート、洋菓子店やカフェの新商品開発、雑誌・企業へのレシピ考案・商品開発・製造及び指導、ホテル・イベントなどへの講演・出張講師、洋菓子に関わるイベント企画及び催行等を行っている。
パティスリーのような洗練されたお菓子を中心に、ママ&キッズ向け〜トレンド〜美容系まで対応。
ギネス世界記録「最大のチョコレートキャンディーの彫刻」の製作(2012年2月世界記録認定)
著書 『3・5・7ステップでできる!憧れのゴージャスチョコレシピ』
『大人のパンケーキ&フレンチトースト』
(共に主婦の友社発売)