日本人の主食である米を主原料とした日本特有の酒、それが日本酒。当然、米どころの地域は日本酒作りが盛んなわけで、安価に手に入るものから、希少なものまで、銘柄も豊富にあります。また、清酒、吟醸、大吟醸など、作り方の工程によってランク付けされるのも日本酒ならでは。最上級とも呼ばれるものになると1本数万円で取引される日本酒もあると聞きます。しかし、日本古来の酒として歴史のある日本酒は、庶民に親しまれ、いつも飲み慣れている酒が1番ウマい！なんて話もあり、「お酒は温めの燗がいい」だとか「肴は炙ったイカでいい」など、酒好きの人間には強いこだわりがあるのは本当の話。「酒は飲んでも飲まれるな」。上手なお酒の嗜み方ができる人ほど、真の酒好きといえるのでしょう。そんな酒好きも納得する、つい他人に語りたくなるウンチクのある日本酒と、意外や意外、目から鱗の日本酒と相性ピッタリな、そしてヤミツキとなるおつまみを厳選して紹介します。

ニュージーランド産のクリームチーズを味醂粕にたっぷりと透け込み熟成された大和屋のチーズ味醂粕漬。特有の甘い香りがふんわりと漂い日本酒や赤ワインと相性抜群です。料理のアクセントとして使用しても良いですし、そのまま、酒のアテとしてちょびちょびつつくのも良し。濃厚でまろやかな味わいは、酒好き、チーズ好きにはたまらない至福の時を与えてくれるでしょう。また、伝統のある大和屋ならではのこだわりの手土産として、喜ばれる逸品であることは確かです。

酪農王国として知られている千葉県。良質な牛乳を使用した新鮮なチーズは、クリーミーでまろやか、これまで食べていたチーズを全否定されるほど、驚きの味わいに感動するはずです。なかでもチーズ工房フロマージュKOMAGATAが手掛ける日本酒に漬け込んだ「酒びたし」はJAL国際線のファーストクラスでも納品された格別の逸品。日本酒と相性の良いチーズを肴に一杯やるのも乙なものですね。

1849年に創業した山本海苔店。宮内庁御用達としても知られる老舗海苔店が手掛けるおつまみ海苔のうにの味は、2枚の海苔でウニをサンドしたおつまみとしては最高の珍味。海苔本来の風味とうにの香りがふんわりと口の中で広がる幸せな時間を約束してくれます。もちろん、酒は日本酒。温かく燗して飲む日本酒と磯の香り、海苔のパリッとした食感がたまらなくウマイ。うにのほか「うめ」、「ごま」、「えび・ちりめんじゃこ」、「玄米」の5種。手土産にも喜ばれること間違いありません。

宮城県気仙沼で作られる日本酒。なんと海中で貯蔵されるという珍しい日本酒です。気仙沼の夏の海水温度は18度、冬になれば3度程度で、大きな差はあるものの、気温のように激しい温度の上下がないため徐々に熟成されると言われています。また、海特有のほど良い揺れも日本酒熟成の美味しさの要因とも。牡蠣の養殖用で使用する網かごを利用し、海中10メートルから15メートルほどに沈められ約1年間熟成させる日本酒は、海と同じく深い味わいを楽しむことができるお酒です。

兵庫県産の米、山田錦と六甲山の伏流水で特別醸造した原種をリムーザン・オーク仕様のブランデー樽に詰めて5年間熟成させた特別な日本酒。これまでの日本酒の概念を覆す、ほのかに樽の香りが香るウイスキーのようなに日本酒は、まろやかな味わいと自然な甘みがクセになる飲み口です。ウイスキーファンも日本酒ファンも楽しめるリムーザンは、水割り、ソーダ割りで香りを楽しみたい逸品。アルコール度数25パーセントと日本酒にしては高いですが、きつさを感じさせない特有の旨味を堪能ください。

20代から30代ほどの若い蔵人9人が集まり手掛けた日本酒「NINE(ナイン)」。「自分たちと同世代の人が飲んでも美味しい酒を」というテーマを掲げ作られた日本酒は、岡山県真庭市勝山を蔵元とし、岡山県産の米、水のみを使用する地場を大切にしたこだわりの酒作りを行っています。また、特異な点としては「菩提もと」と呼ばれる旧くは室町時代以前より酒作りの仕込みで使用される手法を使用していること。通常よりも手間暇をかけ丁寧に作られたシンプルな味わいが魅力です。

先代にある勝山酒造は約320年続く歴史のある酒蔵。かつて伊達家御用蔵として代々受け継がれてきたこだわりのある日本酒作りは、現在でも健在です。その飲み口は、とても繊細で飲みやすく、日本酒が苦手という方でも美味しさを感じられるほど。低温により長期健全発酵で作られる洗練された味わいに誰もが楽しめる1杯となるはずです。意匠の凝った上品かつ威厳のあるパッケージに負けない高級な日本酒の味をお楽しみください。