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ひと粒、そしてもうひと粒。
他県へと出張の際、旅の最後の楽しみと言えば土産選びだ。土産コーナーが大好きなボクは、帰りの時間を1本遅らせてまでも、土産コーナーをフラついている。
とくに初めて訪れる土地などでは、気合いを入れ探すのがボク流。同じようなモノが置いてあるはずなのに、売り場違いでくまなく探し、時間制限のあるクイズ番組のように、ハラハラドキドキ、帰りの飛行機、新幹線の時間ギリギリまで、めいっぱい。
独身であるため、ボクが探すものといったら、帰路にビールとともに口にする“おつまみ”的なモノが多いのだが、新神戸駅で見つけた黒カシューは、最近のめっけもんだった。関西方面へ出張の際に、必ずチェックする土産。それが「炭火焼肉たむら」のシリーズ。
知っている人も多いと思うが、芸人たむらけんじが経営する関西圏の焼き肉店だ。以前、この焼肉店の名前を冠したビーフジャーキー、コチュジャン風味、炭火焼肉風味の2種を買ったことがあり、一瞬でペロリ。ボクにとっては、信頼の「炭火焼肉たむら」なわけだ。
その「たむら」と創業昭和30年という神戸の老舗おつまみブランドである「伍魚福」との異例のコラボレーションで生まれた黒カシュー。カシューナッツを、醤油ベースの備長炭入り衣でコーティングし、一味唐辛子で甘辛く仕上げたナッツスナック。
一見、真っ黒で、独特な光を放っているため口に入れることを、躊躇しがちだが、ナッツ特有の甘みと食感、一味醤油の甘辛のバランスがとても良く、つい口へと放り込んでしまう。ボクのなかで「炭火焼肉たむら」の信頼度が、さらに増した納得の味だった。
※掲載情報は 2014/10/31 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フリーライター
板倉環
本土最南端、九州の鹿児島県で幼少期を過ごし、上京後アパレル会社に勤務。その後、出版社で雑誌編集を経て、2012年よりフリーライターとしてファッション誌を中心に執筆中。焼酎、日本酒、ビール、ワイン、ウイスキーなど、無類の酒好きで、甘いものから激辛まで、どんなものでも酒の肴へと変わる。ときにはお気に入りのヴィンテージウエアを眺めながらなんてこともあったり、なかったり。仕事柄、地方へと出掛けることも多く、長年酒場に通い続けた嗅覚を頼りに、土地々の地酒とともに、そこでしか味わうことのできない肴を口にする瞬間が1番の幸せと感じる。飲むことはもちろんのこと、食べることにも貪欲で、他人やメディアなどから、美味いと評判の店は、必ずチェックし、日々、行動範囲を拡大中。お気に入りの肴は「ニガウリのおひたし」、「万願寺炒め」。好きな言葉は「酒は飲んでも呑まれるな」。
