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乳酸発酵した古漬けと酒粕でつくる東北の伝統食
秋も深まり、白菜が美味しい季節になってきましたね。
今回ご紹介するのは、白菜を使った宮城県気仙沼の郷土料理「あざら」です。
白菜は全国的に、冬の間、白菜漬けにして食されてきました。この白菜漬け、春先になると乳酸発酵して酸っぱくなります。いわゆる古漬け。そのままでも酸味があって美味しいのですが、酸味が出てちょっと食べにくなった古漬けを使った伝統料理が各地にあります。
気仙沼では、この白菜の古漬けに、魚のあらと酒粕を一緒に煮込んで食べるそうです。
家庭料理ですので、なかなか頂くことができないものですが、大正10年創業の老舗「金のさんま」や「海鮮丼」などで知られる「斉吉商店」さんが販売してくださっています。
斉吉商店さんのあざらは、白菜の漬物に、目抜けという魚、地元の清酒の酒粕を煮たもの。
マイルドな酒粕と乳酸発酵した白菜の酸味、お味噌も入っていて、まろやかなお味です。
お酒と一緒に、ご飯のおかずにもおすすめです。
お漬物の乳酸菌、麹と酵母の力で発酵した清酒の粕(酒粕)と微生物が大活躍の発酵食品。
食べ物を大切にしてきた伝統と地域の特産品からうまれた「あざら」です。
乳酸発酵でお腹にもやさしいのが嬉しいですね。
発酵食品がお好きな方には是非召し上がっていただきたい食品です。
☆本来は春先にいただくものですが、冷凍してあるので通年いただくことができます。
※掲載情報は 2015/11/02 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵コンサルタント
酒井里奈
国際基督教大学卒業後、大手銀行や証券会社に勤務した後、日本の発酵・醸造技術に興味を持ち、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科に入学、09年3月に卒業。同年、株式会社ファーメンステーションを設立。代表取締役。
同社では、「発酵で楽しい社会を」をテーマに地域の未利用資源を発酵技術で活用する提案をし、「発酵」「微生物」と人の暮らしや仕事を繋ぐデザイン性の高いプロダクトやライフスタイルを提案。
岩手の奥州市にて独自の発酵・蒸留技術をもとに、休耕田で栽培した米からエタノール、飼料、化粧品などをつくる地域循環事業を展開。この取り組みが多くの国内外のアワードを受賞している。
世界の発酵食品や仕事を探求する傍ら、日本の発酵・醸造文化の海外発信にも積極的に取り組んでいる。
好きな微生物は麹菌。好きな発酵食品は白菜の古漬け。
受賞歴:
日本政策投資銀行 第3回DBJ女性新ビジネスプランコンペティション特別賞「地域イノベーション賞」
ブリティッシュ・ビジネス・アワード(BBA)2014 Community Contribution
Creative Business Cup 2014 日本代表 等