富士山麓の水道水のうまさを表現する珍しいゼリー

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河口湖一帯の水のうまさは富士山のおかげだった

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富士河口湖町に行って来ました。所用で何カ所か訪ねて回ったのですが、そのたびにお茶とお水をいただいていました。それでしみじみ感心したのは、どちらでいただいたお茶・お水もたいへんおいしいのです。おかしなにおいがないのはもちろん、尖った感じがなく、しかも全く味がないというのではなくて、ミネラルの配合のせいなのか舌に優しく触れて喉ごしにほのかな手応えがある。これはわざわざ汲んできた名水ではと尋ねてみると、みなさん「水道水です」とおっしゃる。とは言え、ただの水道水ではない。仰ぎ見る威厳みなぎる逆光の富士山。あの雄大な斜面の下に雨や雪がしみ込み、何十年もかけて麓に達して湧き出る水がこの一帯の水道とのこと。

菓子工房自慢の水道水のよさをそのまま伝えたい

富士山麓の水道水のうまさを表現する珍しいゼリー

さすがは富士山の水、ありがたいだけでなくうまいものだとうなりながら、お土産を物色していて見つけたのがこのダンボール箱。目が釘付けになったのは「富士山の水ゼリー」の上にある「吉田の水道水」の文字!作っている「アーヴェント」は富士山駅近くの洋菓子店(いやー、知りませんでした。4年前に富士吉田駅が富士山駅に改名していたとは)。しおりによれば、「アーヴェント」の工房で使っている水道ももちろんこの富士山から来る水。それはpH7.8、硬度38で、お菓子作り、お茶、コーヒーに最適な水とのこと。「この富士の恵の美味しさをお伝えしたくて、お水のゼリーを作りました」と書いてある。なるほどと共感して迷わず買って来た次第です。

富士へのリスペクトとお菓子屋さんのプライド

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器にあけると、見た目は大ぶりのダイヤ氷と思うほど。お味は? 水です。富士山北麓の水道水のうまさそのままの水、という感じ。砂糖は使っていますが、極限まで甘さを抑えています。いや、お菓子としての甘さはほとんど感じません。香料の香りもない。なかには「水がうまいなら水を売ればいいじゃないか」という人もいるでしょう。しかし、それで水をそのまま売ったんじゃあお菓子屋の名がすたると「アーヴェント」の方は考えた――というのは私の想像。そこでこの水の実力を最大限活かしながら、製菓の技をごく控えめに差し挟んだ……。そんな、富士へのリスペクトとお菓子屋さんのプライドのせめぎ合いさえ感じてしまう、世にも希なお土産です。

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アーヴェント

※掲載情報は 2015/10/20 時点のものとなります。

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キュレーター情報

齋藤訓之

FoodWatchJapan 編集長

齋藤訓之

北海道函館市生まれ。1988年中央大学文学部卒業。レストランビジネスを志していたはずが、レストランビジネスに役立つ本を作る仕事にのめり込む。柴田書店「月刊食堂」編集者、日経BP社「日経レストラン」記者、日経BPコンサルティングのブランド評価プロジェクト「ブランド・ジャパン」プロジェクト責任者、農業技術通信社「農業経営者」副編集長等を経て、フリーランスのライター・編集者として独立。2010年10月株式会社香雪社を設立し、農業・食品・外食にたずさわるプロ向けの情報サイト「Food Watch Japan」をスタート。著書に「入門 日本の七十二侯と旬の食」(洋泉社)、「食品業界のしくみ」「外食業界のしくみ」(ともにナツメ社)、「農業成功マニュアル―『農家になる!』夢を現実に」(翔泳社)、「創発する営業」(共著、丸善出版)、「創発するマーケティング」(共著、日経BPコンサルティング)など。

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