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香り高く、人を虜にする魅惑の焼酎
私がスーパーマーケットの商品企画部長を勤めていたときに、飲み心地に惚れて、惚れて、仕入れさせて頂きたくて3年ほど通ったことがある蔵があります。それが宮崎県日南市、「九州の小京都」と言われる飫肥にある、小玉醸造合同会社。
焼酎は一般的には、黄金千貫という白い芋をつかったものが多いのですが、いわゆるさつまいもと呼ばれる紅芋を使ったその焼酎は、華やかで香り高く、それでいてしっかりとした骨格も持ち合わせています。私は、魅力溢れるその味わいの虜になってしまったのでした。
会いたい方にはすぐにお会いして、自身がそう感じた訳を探りたくなる性分である私は、早速、蔵を訪ね、代表の金丸一夫氏から、蔵の生い立ちや、フィロソフィを伺うことになりました。
もともと宮崎市内で清酒・焼酎・醤油を造る「金丸本店」と言う明治時代から5代続く蔵でしたが、他の大手酒蔵と合併し、「金丸本店」は無くなってしまったそうです。金丸氏は、役員として、入られましたが、もう一度、焼酎を自らの蔵で醸したくなったそうなのです。現杜氏である息子・金丸潤平氏が東京農業大学・農学部・醸造学科で学び、清酒蔵、焼酎蔵で修行を終えたその後2000年に、蔵を閉める予定だった江戸時代から続く「小玉醸造」を引き継ぎ、現在に至ります。きっと「立ち止まらなければ、行けない場所がある」私は、そう感じました。
たくさんの蔵の思い出や、焼酎への情熱は伺えたものの、入手困難蔵のひとつでもあるその蔵は、すぐに仕入れのOKがもらえるわけもなく、数々の季節を特に仕込みの時期を中心に伺わせていただきました。そこで、私は昔ながらの手麹の製法を初めて目の当たりにします。手麹とは、機械を使わず、麹造りの最初の工程である米洗いから全てを手作業で行うやり方で、現在、宮崎県内に焼酎蔵は41蔵ありますが、この手麹で仕込んでいるのは3蔵しかなく、その中で芋焼酎を製造するのはこちらのみなのです。発酵しているときは、夜中もつきっきりで、麹とともに過ごし、発酵温度が上がり過ぎないように、しっかり醸せるように、見守り寄り添い手助けする作業なのです。
美味しさには必ず理由があると、改めて感じました。原材料のこだわりに加えこのような、一つ一つの作業は、最後に出来上がる商品の味わいを大きく左右し、個性をもたらします。
その中でも私の一番のお気に入りは、杜氏潤平 紅芋 原酒。原酒というのは、一切加水していないものをさします。つまり醸し出されたものそのものの味わいが楽しめるのです。この商品は、ヴィンテージごと、四季（春・夏・秋・冬）ごとに出荷されるため、貯蔵タンクの中で変わりゆく焼酎を、まるで蔵で味わうように、季節や熟成を感じながら飲める、とても興味深い焼酎です。そのままの味わいをストレートか、もしくは、ロックで、食後酒に飲むのが私のオススメです。レバーパテやポトフなどの料理の隠し味にもこれを使います。
蔵のテーマである「一途に醸す」・「笑酎～しょうちゅう～」を胸に、日本の文化、そして「國酒」である焼酎を、世界の皆様に届けられるよう蔵人全員で取り組みたいと話す、杜氏 金丸潤平氏。今年からは、同じ志をもった仲間の蔵とユニットを組んで、グローバルな戦略を展開されています。
ミラノ万博でも出展され、イタリアへの輸出も決まり、今月初出荷！秋の味覚をどのようにあちらで飲まれるのかもとても興味深いところです。
※掲載情報は 2015/10/19 時点のものとなります。
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キュレーター情報
catena株式会社 代表取締役
宮田理恵
catenaは、心に響くヒトやモノ、コトを繋げることで、新しい価値を創造する会社です。
地域ブランド商品を中心に、商品開発やメニュー開発。パッケージデザイン、ホームページ作成やイベント、ブランディングなど新しいカタチの提案やコラボレーションをトータルで、多角的にご提案しています。
全国の、世界の素晴らしい生産者を紹介する、オンラインショップ「catenacaena」も展開中！
Catena株式会社 代表取締役社長
＊宮崎県 みやざきブランドマーケティングアドバイザー
＊宮崎県 EU市場販路開拓実践塾 塾長
＊高知県 MBA塾 商品開発 講師
＊フードコーディネーター
