記事詳細
紹介している商品
ひな鶏1羽を丸ごと味わうボリュームと贅沢さが何よりの魅力
最近、疲れ気味だなぁ、元気出ないなぁ、っていうときありますよね。なにか精の付くものを食べたい。一緒に気持ちもグッとアゲたい。そんなときの選択肢として、韓国料理のサムゲタンを考えてみてはいかがでしょう。漢字では「参鶏湯」と書いてサムゲタンと読みますが、もともとは高麗人「参」と「鶏」肉の「湯(スープ)」という意味。滋養強壮成分のサポニンを多く含む高麗人参に加え、ひな鶏を丸ごと1羽使うので、良質のたんぱく質を効率的に摂取できます。そのほかひな鶏のお腹にはナツメ、銀杏なども入りますし、もち米も詰まってボリューム満点。韓国では真夏のスタミナ料理としても有名ですが、アツアツのスープはこれからの時期、身体の芯から温めてくれる貴重なご馳走です。
韓国では専門店もたくさんあるポピュラーな料理だけに、最近は日本でも焼肉店や、韓国家庭料理店へ行けばメニューにも載っています。でも、日本でサムゲタンの専門店というとまだまだレアなんですよね。東京、新大久保にある「高麗漢方参鶏湯」はそんな希少なサムゲタン専門店のひとつ。お店に行ってメニューを見るとびっくりしますよ。サムゲタンのほかはチヂミが2種とドリンクがあるだけ。まさしくサムゲタンを目指して行くためのお店なのです。
味の秘密は何よりスープにあります。煮込む食材はなんと30種類にものぼり、黄耆、鹿角といった韓方材に、木の実、野菜などを加え、じっくり8時間煮込んで仕上げています。できあがったスープを見ると真っ白ではなく、ほんのり黒みを帯びているのが染み出たエキスの証です。このスープに鶏のうま味を加えるため、食べる前に全体をよくかき混ぜるのが美味しく味わうコツだそうです。箸休めに用意されたカクトゥギ(大根の角切りキムチ)と白菜キムチの味も逸品。テイクアウトの場合は容器を密封してくれますので、食べるときに温め直すだけでお店とかわらない味を楽しめます(現在宅配は対応していません)。
※掲載情報は 2015/10/18 時点のものとなります。
- 8
キュレーター情報
コリアン・フード・コラムニスト
八田靖史
コリアン・フード・コラムニスト。慶尚北道栄州(ヨンジュ)市広報大使。1999年より韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。韓国料理の魅力を伝えるべく、2001年より雑誌、新聞、WEBで執筆活動を開始。最近はトークイベントや講演のほか、企業向けのアドバイザー、韓国グルメツアーのプロデュースも行う。著書に『魅力探求!韓国料理』(小学館)、『新大久保コリアンタウンガイド』(晩聲社)、『かんたん、ヘルシー韓国おつまみ』(大空出版)ほか、語学テキストも多数。2014年7月には韓国の地方グルメを紹介する『八田靖史と韓国全土で味わう 絶品!ぶっちぎり108料理』(三五館)を発売し、ソウルだけに留まらない韓国地方旅行の可能性を大きく切り開いた。韓国料理が生活の一部になった人のためのウェブサイト「韓食生活(http://kansyoku-life.com/)」を運営。