日に日に秋が深まる今日この頃。ほっこりとした甘いものがほしくなりますよね。秋は季節のスイーツが目白押しですが、この時期のスイーツの主役といえば、やっぱり「栗」！モンブランや栗きんとん、マロングラッセなどの定番から、今年限定のものまで。和菓子にも洋菓子にも合う栗。中でも、大粒の栗がそのまんまごろごろと入った食べ応えのある、この秋の一押しスイーツを集めてみました。

京都の丹波福知山に本店がある「足立音衛門」。ご存知の方も多いと思いますが、丹波は栗や黒豆など、和食やスイーツにかかせない上質な食材の宝庫として知られています。こちらの栗ケーキはホクホク感の強い丹波栗と、甘味の強いイタリア産の栗をバランスよく配合したもの。断面は驚くほど栗がびっしり詰まっています。栗以外の素材も、フランス産ラヴィエットAOC発酵バター、創業文化元年讃岐三谷家の手造り和三盆糖、沖縄粟国の塩、北海道本別町の契約農家の小麦などを厳選されたものばかり。もちろん、凝固剤や膨張剤といった添加物は一切使用していません。栗好きにはたまらない逸品です。

こちらは元祖祖栗最中こと『かち栗最中』。老舗和菓子店「銘菓の井上」の和菓子第一号として誕生した丹波の銘品です。大粒の厳選された良質の丹波栗と、栗を包み込むようにぎっしりと詰められた丹波大納言小豆の餡はいうまでもなく最高の組み合わせ。丹波大納言小豆は、丹波地方を中心に兵庫県・京都府などで古くから栽培される高級品種の小豆で、豆の皮が薄く大粒なのが特徴の高級小豆です。栗最中は全国の和菓子屋さんで発売されていますが、元祖はこちら。自然な栗と小豆の甘味を楽しむには、濃いめの緑茶と一緒に味わうのがおすすめです。

元和3年（1617年）創業の京都の老舗の和菓子店『亀屋清水』。古き良き伝統的な和菓子を排出する一方、新しい和菓子作りにも挑戦しつづける、革新的な和菓子店です。ご紹介する「大人の栗羊羹」もそのひとつ。一見すると香水や洋酒のようなおしゃれなパッケージに入ったこちらの商品。中身はなんと栗ようかんです。特徴は華やかに香るブランデー。大人の栗羊羹という商品名の理由はそこにあるようです。砂糖は抑えめにし、栗本来のほのかな甘みとブランデーのほのかな香りが楽しめるようかんは、まったく新しい和菓子と言えるでしょう。お酒好きにも喜ばんでもらえるはず。

続いてご紹介するのは、京都仙太郎の「栗蒸し羊羹」。箱を開けると、まさに木から落ちたかのように、ごろごろと栗がたくさん並んでいる姿に驚く方も多いはず。ほっくりと秋らしさを感じる栗特有の食感を残しつつ、甘く煮つけた栗と水分が多いしっとりとした甘く煮つけた栗と水分が多いしっとりとした羊羹の相性は抜群！栗スイーツといえば「すや」、「川上屋」などが有名ですが、名が知れているので、人とかぶるのを避けたい場合は、こちらがおすすめです。見た目にも秋を感じる栗羊羹。和菓子ですが、味がしっかりしておりコーヒーとも合うので、接待や得意先への手土産にも重宝します。

「栗の里」恵那・中津川にある「恵那寿や」は栗を知りつくした和菓子屋さん。「銀寄」は栗蒸羊羹や甘露煮に、「石鎚」は渋皮煮に使い分けるといった徹底ぶりです。そんな恵那寿やの茶巾絞り「栗きんとん」は栗を丁寧に裏ごしした栗餡の中に、あえて食感を楽しめるよう粒を残した栗をバランスよく混ぜ合わせた手作りの一品。まさに栗本来の上品な甘さと、ホクホクとした食感が味わえる栗きんとんです。甘味の中でも特に栗きんとんが好き、という方もいらっしゃるのでは。そんな方にぜひおすすめしたい一品です。

栗スイーツというより、まさに「栗」そのままと言ったほうが正しいこちらの栗菓子「金の実」。丹波産の大粒の栗をふっくらと炊き上げ、蜜に漬け込んだシンプルな栗菓子は、まさに栗そのものの味わいを楽しむための一品です。栗の甘味をそこなわず、ひきたてるような優しい蜜は、口の中で優しく溶けていくよう。大正6年、昭和3年には天皇陛下にも御買上げの栄えを賜ったという和菓子は、本物志向の大人に好まれる名品と言えるでしょう。

シンプルながらもセンスを感じるハイクオリティな和菓子屋「鈴懸」（すずかけ）。博多を代表する老舗和菓子屋です。熊本県産の栗をふんだんに使った栗蒸しは、栗タルトのような見た目と、程よい甘さが人気の一品。渋皮ごと煮込んだ栗の旨みは、野山のそよ風のように、秋の訪れを一層感じさせるもの。甘さ控えめの栗蒸しは、目上の方にも喜ばれる和菓子です。この季節の楽しみの一つとして心待ちにしているファンも多いのだとか。