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レバーとハーブとスパイスと粗挽き肉のハーモニー
写真を撮っているそばからよだれが出ちゃう、ついつい「へっへっへ」と声さえ漏れてしまう私の大好物。小金井市のドイツソーセージ専門店「ケーニッヒ」のレバーヴルスト。
レバーヴルストというのはレバーのソーセージという意味ですが中身はペースト状。なので、薄くスライスしたパンに塗って食べるのが正解。今日は黒いドイツパンがないので、バゲットのスライスに。味はたっぷりだから少し付ければいいんですが、ついつい厚塗りしてしまう。レバーとハーブとスパイスの香りを鼻からたっぷり吸い込みつつ、パクッ!
一口食べて、もうめろめろ。「ケーニッヒ」のレバーヴルストは粗挽き肉がほどよく入っていて、これをかみしめるとまたおいしい。
ソーセージのマイスターで味の天才
店主の島崎智融さんは、精肉の仕事で独立した父上から肉のノウハウと起業マインドを受け継いでいる人。若い頃に海外で食べたホットドッグのおいしさに衝撃を受けて、それ以来のソーセージオタク。
いやいや、その後単身ドイツに渡って修業してマイスターに。そして帰国し父上の会社の専門店部門として「ケーニヒ」を開業した。その智融さん、いっしょに食事をしていると、料理の選び方や食べ方、そして味を表現する言葉から、本当に食の知識と経験が豊富な人だと感じる。共通の友人の話によれば、若い頃あるラーメン店で一口食べて、従業員にも秘密であるレシピをすらすらと当ててみせてその店の主を青ざめさせたこともあったとか。味の天才です。
本場ドイツでも金賞を受賞したオリジナル商品
智融さんによると、本場ドイツでよいとされるソーセージは一般にきめ細かく挽いた絹挽きであるそうな。そこが粗挽きを好む日本とはちょっと事情が違うらしい。でも、智融さんは本場の押し売りはしない。店では地域のみんなが好きなもの、和風や家庭的なものも出しながら、少しずつ本場の味を伝えてファンを増やしてきた。このレバーヴルストも、そんな中で生み出した「ケーニッヒ」のオリジナル。しかし、味はやはり世界の誰にも通じる。この商品はドイツの見本市SUFFA2008の食肉加工製品品評会で金賞を受賞したものの一つなのだ。いや、賞があろうとなかろうと、ビールによし、赤ワインによしのこの味は、末永く売っていってください。
※掲載情報は 2015/08/29 時点のものとなります。
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キュレーター情報
FoodWatchJapan 編集長
齋藤訓之
北海道函館市生まれ。1988年中央大学文学部卒業。レストランビジネスを志していたはずが、レストランビジネスに役立つ本を作る仕事にのめり込む。柴田書店「月刊食堂」編集者、日経BP社「日経レストラン」記者、日経BPコンサルティングのブランド評価プロジェクト「ブランド・ジャパン」プロジェクト責任者、農業技術通信社「農業経営者」副編集長等を経て、フリーランスのライター・編集者として独立。2010年10月株式会社香雪社を設立し、農業・食品・外食にたずさわるプロ向けの情報サイト「Food Watch Japan」をスタート。著書に「入門 日本の七十二侯と旬の食」(洋泉社)、「食品業界のしくみ」「外食業界のしくみ」(ともにナツメ社)、「農業成功マニュアル―『農家になる!』夢を現実に」(翔泳社)、「創発する営業」(共著、丸善出版)、「創発するマーケティング」(共著、日経BPコンサルティング)など。