帰省や暑中見舞い、友人の来訪など、手土産を選ぶことが多いこの時期。東京みやげとひとくちに言っても様々なものがありますよね。ここでは、東京でしか買えない珈琲豆とマリアージュが楽しめる厳選菓子をご紹介します。話題の珈琲や知る人ぞ知る珈琲まで、珈琲好きなあの人に絶対に喜んでもらえる逸品を取り揃えました！

食に精通する小針さんのイチオシが、世田谷区深沢にある『カフェテナンゴ』の珈琲豆。こちらは中米スペシャルティコーヒーの専門店です。

最近話題のスペシャルティコーヒーですが、その内容はご存知でしょうか。定義はまだ確立されていませんが、簡単にお伝えするならばフェアトレードの観点も含み、珈琲の木になる種子の段階からカップに注がれるまで徹底管理された豆のこと。産地ならではの味わいが感じられるのも特徴のひとつです。

Fucasawaでもオーナー自らが直接生産者を毎年訪ね、最高品質のものだけを厳選。その品質の高さはコーヒー通の中でも評判です。箱を開けた瞬間から焙煎したてのいい香りが漂います。午後のひとときにぴったりの逸品です。

一躍話題になったサードウェーブコーヒーという言葉。19世紀後半から始まった大量生産のファーストウェーブ、1960年代にシアトルから広がった深入り豆が主流のセカンドウェーブに対し、豆や生産者の価値を見直し、豆ごとに各工程を厳選したスペシャルティコーヒーを楽しむのが、サードウェーブコーヒーです。

その言葉を広めるきっかけとなったのがブルーボトルコーヒーです。その魅力を実感したというのは、おもてなしのプロである依田さん。あらゆるアプローチからディテールにまでこだわったコーヒーを一口飲めば、ただ美味しいだけでなく話題になった理由が分かるのだそう。国内には東京の清澄白河と青山に２店舗のみ。話のタネにもおすすめです。

食の専門家である里井さんとワイン研究家の瀬川さんの両名が選ぶのが、世田谷、狛江、代々木上原にお店を構える『堀口珈琲』のコロンビアコーヒー。酸が豊かで心地よい柑橘のニュアンスを伴う“ナリーニョ”産、酸がやや穏やかでフルーティーな余韻が残る“ユネスコの文化的景観地域”産、フローラルで甘美な風味が印象的な“カウカ”産など、ひとくちにコロンビア珈琲と言っても、地域によりまったく違った味わいが楽しめるのだそう。コーヒー好きなあの人と飲み比べをしてみてはいかがでしょう。

コーヒー好きの間で名高い、珈琲焙煎人の中川ワニさん。そのワニさんが新富町にある生活こっとうのお店『さんのはち』のために、“普段使いの骨董の器で頂く珈琲”をテーマに“オートクチュール焙煎”したのが、『さんのはちオリジナルブレンド』です。お店で味わうこともできるので、味わいを確かめてから手土産に選んでみてはいかがでしょう。

珈琲と良く合う焼菓子から、ガトーバスクを紹介します。日本洋菓子界の重鎮の一人であるオーナーの柳シェフによる、フランス・バスク地方の伝統的な焼き菓子ガトーバスクは、古典的な形はそのままに日本人好みへと味を変えているのだそう。シットリと柔らかい生地にほんのりとラムレーズンの薫りがひろがります。焼きたてほやほやのものを手土産にもできます。やさしいカフェオレとの相性も抜群です。

珈琲には絶対にチョコレートを合わせたいという人も多いでしょう。そんな方におすすめがこちら。一度食べたら他のものでは満足できないと、多くのファンを魅了する『KEN’S CAFE TOKYO』の「ガトーショコラ」です。イタリアの最高級チョコレートDOMORIや国内最高峰のカルピス特選バターなどの素材で仕上げるガトーショコラはまさに、最高の贈り物と言えるでしょう。苦みが特徴の深煎り珈琲に合わせてどうぞ。

エスプレッソのような濃厚な珈琲にあわせたい逸品がこちら。恵比寿の人気店、菊地シェフの『パティスリー・レザネフォール』に並ぶ「オテロ」です。まるでお手玉を連想させるようなまんまるのチョコレートボールの中には、軽やかなメレンゲが隠され、フォークを入れた途端にろほろとほどけていく繊細な仕上がり。ブラックエスプレッソともに大人な組み合わせをお楽しみください。

バランスの良い珈琲と合うスイーツもご紹介しておきましょう。お茶の水女子大と有名店・不二家がコラボしたバウムクーヘンです。学生が０（ゼロ）から企画し、レシピはもちろん製造過程や、販売方法、パッケージデザイン、ネーミングなどのすべてを商品開発したのが「2層の贅沢バウム～お茶の水仕立て～」です。やさしい甘さとほろ苦い抹茶がさわやかに香るバウムクーヘンには、クセのないバランスよい珈琲を合わせてどうぞ。