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エリザベス二世女王陛下誕生祝賀会
先日、駐日英国大使館で「エリザベス二世女王陛下誕生祝賀会(The Queen’s Birthday Party)」が開催されました。
英国政府は2015年2月から将来、社会の変化につながる日英パートナーシップ促進を目指す「Innovation is GREAT~英国と創る未来~」キャンペーンを展開しています。英国は世界的に知られているブランドを数多く持っており、誕生祝賀会では今年のテーマである「Innovation(イノベーション)」にふさわしい英国製品が多数展示されていました。特に自動車産業は英国で盛んで、2014年には過去10年で最高の売上高を記録しました。当日は「アストンマーティン」、「ベントレー」、「ジャガー」、「マクラーレン」、「ロールスロイス」といった英国を代表するブランド車が屋外に展示されており、その他にも、ブロンプトン社の自転車やダイソン社の掃除機など、様々な分野に渡る「Innovation」がゲストの注目を浴びていました。
重厚な歴史を感じる大使公邸の廊下を通り、ガーデンに抜ける手前には、つい先日、第2子となるシャーロット王女ご誕生で各メディアを賑わせたケンブリッジ公爵ご夫妻の等身大蝋人形がお出迎え。ジョージ王子とシャーロット王女の写真も飾られていました。
メイン会場となったガーデンは、多くの木々や花々で囲まれています。イベントが開始するまでゲストは、ウェルカムドリンクを片手に談笑していました。
いよいよ「エリザベス二世女王陛下誕生祝賀会」がスタート。まずはティム・ヒッチンズ駐日英国大使がゲストにご挨拶がありました。
「エリザベス女王陛下は今年、89歳の誕生日を迎えられました。充実した人生を歩んで来られたことと推察いたしますと共に、いまだにエネルギーに満ち溢れ、1953年の戴冠以来、変わらず人々のために尽くされているお姿を拝見いたします度、大変喜ばしく存じます。本日はまた、日ごろより様々な分野で日英関係の強化にご協力、ご助言くださっている方々に、駐日英国大使館としてお礼を申し上げる会です。心より感謝しております。
さて、今年のパーティは2つのテーマがあります。まずは「ロイヤルファミリー」です。
本年2月から3月にかけて訪日されたケンブリッジ公爵ウィリアム王子殿下の東京、横浜、福島、宮城へのご訪問は記憶に新しいですが、本日は公爵ご夫妻にお越しいただいております(※1)。
そして2つ目は、英国がこれからも新しいアイデアや、製品開発で世界の先端を行くことを示す「Innovation」です。大使公邸前に展示されている最新の英国産ラグジュアリー・カーの車内で使えるiPhoneやiPad、APPLE Watchは、英国人のサー・ジョナサン・アイブがデザインしました。世界初の旗艦店を東京・青山にオープンし話題となった、掃除機で有名なダイソン社のサー・ジェイムス・ダイソンも英国人です。
今日、みなさまにご用意したお食事も「Innovation」をテーマにしています。例えば「フィッシュ・アンド・チップス」に紫蘇(しそ)を合わせていますが、他にも抹茶のパンナコッタや和風スコーンなどがあり、英国と日本の融合に「サプライズ」というスパイスを効かせた「Innovation」をお楽しみいただければ幸いです。
私達は「Innovation」の伝統に誇りを持ち、これから1年を通してキャンペーンを続けていきます。今年のテーマである「ロイヤルファミリー」と「イノベーション」が重なったニュースは、みなさまに祝福していただいた「シャーロット王女のご誕生」といえるでしょう。本日はシャーロット王女のひいお婆様の誕生祝賀会ですが、この日のために時代の最先端を走る写真家、デビッド・ベイリー氏による女王陛下の特別な肖像写真が飾られています。ベイリー氏は、1958年より日本製カメラであるキヤノンのレンジファインダーを愛用しています。この肖像写真は、今回が日本初公開となります。エリザベス女王陛下の誕生日をこうやってみなさまと祝福でき、非常に幸せです。伝統を守り、「Innovation」を生み出し続ける英国をこれからもよろしくお願いします。」
乾杯の後、ゲストは料理とドリンクを楽しみました。今回振舞われた料理も、大使がスピーチで触れた通り「Innovation」がテーマで、伝統的な英国料理や食材と、日本食が融合していました。ビュッフェ形式ではありましたが、それぞれの料理は一般的な「前菜」、「メイン」などとは呼ばず、「Kick Starters」、「Side Kicks」、「Main Attractions」、「Lights and Desserts」と、「Innovation」を彷彿させるネーミングになっていました。各カテゴリで特に印象的だったものをいくつかご紹介します。
Kick Starters
「冷たい緑のガスパチョ(Cool Green Gazpscho)」は、会場となっていたガーデンの芝生と同様、鮮やかなグリーンで爽やかな味わいも前菜としてぴったりでした。
Side Kicks
「夏サラダ、味噌ヴィネクレッド添え(Vegetable Summer Salad with Miso Vinaigrette)」は、大皿に盛られた彩り豊かな夏野菜に、味噌をからめたヴィネグッレットソースが絶妙にマッチしていました。
Main Attractions
「フィッシュ&チップス 紫蘇ペスト添え(Fish and Chips with Shiso Pesto)」は大使のスピーチでも触れられた力作。英国を代表する料理に、日本の薬味の代表でもある「紫蘇」をペストの材料として使い、「Innovation」が演出された逸品。
Lights and Desserts
「ジャパニーズ スコーン(Japanese Scones)」は、今回の料理で印象に残った一品。英国伝統のスコーンに、なんと日本の「餡(あん)」を入れ込んだこのデザートは、餡の甘味を感じるものの甘すぎず、ゲストの多くは斬新な組み合わせに驚いていました。
Drinks
ドリンクもノンアルコールから、お酒まで幅広く提供されていました。300年以上の歴史を持つ、世界屈指の老舗ワイン・スピリッツ商のベリー・ブラザーズ&ラッドからはワインが振舞われました。他にもノンアルコールドリンクのコーディアル「Belvoir Fruit Farms」や、英国を代表するジン「Bombay Sapphire(ボンベイ・サファイア)」が準備されていました。「Bombay Sapphire」は、ボトルの色に合わせ、ブルーグラスの中に紫蘇の花がアクセントとして添えられていました。
イベントを終えて
駐日英国大使館は2013年から、「Food is GREAT: A Taste of Britain ためしてみて、美味しいイギリス」キャンペーンを展開しています(※2)。今回のエリザベス二世女王陛下誕生祝賀会では、さらに英国政府が掲げる「Innovation is GREAT」をテーマとして加え、英国と日本のコラボレーションという新しい角度からのアプローチでゲストを驚かせました。「Innovation」とは、一般的には新しい技術の発明と認識されていますが、それだけではなく、アイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、みなさんの生活において大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革を意味します。今年の誕生祝賀会を通じ、「Innovation」に対する駐日英国大使館の想いは確実にゲストに伝わったはずです。一概には言えませんが、長い歴史のある組織は、その歴史を守ることと、新しいものを作り上げていくこと両方に積極的である気がします。伝統を重んじながら新しいことに挑戦し続ける英国のこれからの試みには、これからも目が離せそうにありません。
(※1) 大使公邸内に展示されていたケンブリッジ公爵ご夫妻の等身大蝋人形のこと。
(※2) http://www.facebook.com/oishii.igirisu
※掲載情報は 2015/07/10 時点のものとなります。
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