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誰でも1日だけレストランオーナーになれる!
「レストランデイ」という言葉を聞いたことがありますか?フィンランドのヘルシンキから始まったこの「レストランデイ」は、2011年の5月に始まったイベントです。簡単に言うと「誰でも、その1日はレストランを開ける」というイベントです。
ヘルシンキの若者から始まったこの取り組みのコンセプトは「レストランデイには、誰でも好きな場所で自由にレストランをオープンできるようにし、みんなで食事の時間を楽しく過ごそう」というものです。日本の方にはちょっと不思議かもしれませんが、フィンランド発祥のこのイベントは、ヨーロッパを中心に広がり、定着したといっても良いほどのイベント規模になっていて、今では1年に4回、3ヶ月毎大々的に行われています。
何より特筆すべきところは、レストランを開く際に申請が要らないということです。厳密に言うと、レストランデイ主催のサイトに登録をするだけということですが、日本の方はびっくりするかもしれませんね。
至る所で開催されるレストランデイ
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もう一つのレストランデイの特徴は、「どこで開いても良い」ということです。自分の庭で開いても良いですし、自分の家が片付いているのであれば勿論家の中に招いても良いですし、中には建物の3階くらいから、籠に物を入れて下にいるお客様と商品とお金をやり取りする人まで現れます。もちろん、自分でメニューから、提供する価格まで自由に設定ができます。
公園、港、自宅、本当にこの日はフィンランド中に様々なレストランがオープンしてまさにカーニバル状態になります。いたるところでオープンされていたら、どこで開催されているか分からない。そんな方もいらっしゃると思いますが、ここで活用されているのが、レストランデイ専用のアプリです。ノキアでも知られているフィンランドならではで、このアプリを使うと、登録されている各国のレストランの場所がマッピングされていて、自分がいる付近のレストランが簡単に検索できます。
フィンランドでは、同様な取り組みでフリーマーケットの垣根を下げる「クリーニングデイ」というイベントも開催されておりますが、共通しているのは、メーカーや政府が音頭を取っているわけではないという事です。若いクリエイターや、意識の高い人達がこの取り組みをSNSを通じて発信し、大きな取り組みになっていきました。
田園調布でレストランデイを体験できるイベント
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そんなレストランデイが世界的に開催されたのが、5月16日(土)でした。その日、実は日本でもレストランデイを体験できるイベントが開催されていました。その内の一つでもある田園調布で開催されたレストランデイの様子をご紹介します。
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今回の主催者は「Sticka」さん。北欧の魅力を以前から発信することで多くのファンを持っています。通常は、毎週火曜日12時~18時にOPENをする北欧食器や北欧雑貨のお店ですが、毎月土曜日にOPENする日も月に1回あります。今月は、その日が丁度レストランデイが開催される5月16日でした。「Sticka」さんのお店は、、築80年の古民家を改修して運営を行っています。店内にはフィンランドのコーヒー保存容器や、ソルト保存容器を初めとして北欧の食器、雑貨が並んでいます。
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今回のレストランデイで体験できたのは、手作りきのこスープや、豊洲で活動をしている「Bakery+plus」さんが作ってきた、北欧シナモンロール、北欧風イワシバーガー、ベーコンチーズパン、ミルクブレッド、ライ麦パンの他にも、北欧のきのこスープ、サーモンとディルのクリームディップ ラスク添え等で、その場で食べることもできましたし、持ち帰りすることも可能でした。
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参加者は、自分の好きなタイミングで会場にやってきて、お目当てのパンを購入して帰る方もいらっしゃれば、長い時間座って販売者や主催者と談笑してくつろぐ方もいらっしゃいました。このイベントの醍醐味は、近所に住んでいても顔見知りじゃない人達とレストランデイを通じて会話が生まれ、親しくなっていくことです。このような繋がりが紡がれていく事が、SNSとの相性が非常によく、フィンランド以外の国にも広がっていったのだと思います。次回の世界的なレストランデイは8月16日(日)の予定です。その前に、このstickaさんに訪れてみるのもお勧めです。フィンランドのヴィンテージ食器や雑貨、そして今回のレストランデイの会場となった庭を見ると、少なからず「レストランデイ」の雰囲気を感じられるはずです。皆さんも遊びにいってみてはいかがでしょうか?
※掲載情報は 2015/05/22 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フィンランド大使館
ムーミン、サンタクロース、サウナのふるさととして知られるフィンランドは、日本と外交関係を樹立してから間もなく100周年を迎えます。東京・名古屋・大阪から直行便で約10時間。一番近いヨーロッパの国として、季節を問わず日本から多くの観光客が訪れています。ムーミンやサンタクロース以外でも、美しい自然、優れた教育制度や洗練されたデザイン、高い技術力にゲーム産業やスタートアップなど世界から高い関心を集めているフィンランド。2014年にはムーミンの生みの親であるトーヴェ・ヤンソンの生誕100周年、2015年にはフィンランドを代表する作曲家ジャン・シベリウスの生誕150周年、2017年には独立100周年を迎えます。そんなフィンランドの情報を食文化という切り口を中心に皆様にお伝えしていきます。