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鮮烈な出会いだった「黒岩土鶏」
これは本当に久しぶりに感動を覚えた鶏です。
宮崎の小林というエリアがあって、そこの農家さんが作る野菜を使っているんですけど、その方から、「良い鶏がいるよ」という話を聞いた事があったんですね。その時は紹介してもらうという話は無かったんですが、後日、宮崎で繋がっている別の方がFacebookで、この「黒岩土鶏」の情報をアップしていて、やっぱり気になったんですよね。その話を小林の農家さんに話しをしたら、すぐ黒岩牧場さんを紹介してもらったんですよね。最初は、お試しということで2羽頂いて試したんですけど、一回食べたら、本当に久しぶりに感動しました。地鶏なのでもちろん歯ごたえはあるんですけど、皮に含まれる油分というか脂も美味しい。
この鶏はフランス系の赤鶏『ラベルルージュ』という品種から作られていて、宮崎の尾鈴山で放し飼いをしているんですよ。ぼくは育ちも宮崎なので、結構鶏は「鶏刺し」を含めていっぱい食べてきているんで、なかなか新しい鶏で「おっ!」って、いうことは多くないんですけど、この鶏との出会いは本当に鮮烈でしたね。
うちの店に届く時には脂も入っているのが非常にありがたくて、熱い鉄板で肉をあらかじめ焼いておいて、最後の仕上げで上から溶かした脂をかけると「ぶわっと」白煙がたってお客様に非常に喜ばれるんですよね。もうSL機関車が蒸気を出しているみたいな光景ですよね(笑)。
届いたものは全て余すことなく使えるのもこの鶏を評価する理由の一つで、鶏ガラはブロード(イタリア料理でいう出汁)として使っていますし、内臓系も味がしっかりしているので、全部しっかり提供ができますし、お客様にも喜んでいただけます。内臓系が美味しいというのは、いい鶏の証拠でもあると思っているので、次の楽しみは、黒岩土鶏の「卵」。この鶏の卵であれば抜群に美味しいと思うので、またの機会に出会えるのを楽しみにしています。
※掲載情報は 2015/05/16 時点のものとなります。
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キュレーター情報
シェフ
中原弘光
『 La fontana azzurra』のオーナーシェフ シェフ 中原弘光。
1975年宮崎県生まれ。『フォーシーズンズホテル椿山荘 東京』、イタリア料理『BiCE東京』、フランス料理『ぎんきょう』、『リストランテ キオラ』料理長、2009年から「リストランテ シルベラード」統括総料理長を経て、2015年、オステリア『NAKAHARA』オープン。2016年より宮崎県の食材をふんだんに用いた『 La fontana azzurra』をオープン。
本場イタリアの技法を使って旬の食材の持ち味を最大限に引き出した、才気あふれる料理は、多くのファンを魅了しています。
2011年、宮崎県より、料理界からは初めてとなる「みやざき大使」に任命。県内外のイベントにて郷土の食材を用いながらその魅力を伝えている。