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豆腐やシイタケなどの具材と出汁のやさしい味わい
豆腐料理の名店として知られる台東区根岸の「笹乃雪」。その創業は1691年……凄い歴史を誇ります。JR鶯谷駅からほど近い同店は、ランチタイムはもちろん、夜の会席も人気を博す有名店です。江戸で初めて絹ごし豆腐を作り、根岸の地に豆腐茶屋を開いたのがその始まりですが、同店では「豆腐」ではなく「豆富」と表記します。笹乃雪には必ず2個ずつ提供される名物メニュー、「あんかけ豆富」などもありますが、今回わたしが注目したのは「うずみ豆富(お茶漬け)」です。
こちらは、コース料理の最後から2番目に出てくる、いわゆる締めの一品で(最後は甘味)、豆富を中心とする具材が載ったお茶漬けです。わたしは初めていただいた時からそのやさしい味わいのファンに。先日伺った際に、会計場所で「とうふ茶漬」の名前で瓶詰が売られているのを発見。お茶漬けの作り方を聞きながら購入しました。中身は豆富のほか、わらびやシイタケなども細かく刻まれ、砂糖やみりんなどで味付けされた総菜です。そのまま食べてもお酒のお供になりそうですが、やはり店同様にお茶漬けにしてみます。茶わんにご飯をよそい、とうふ茶漬と海苔を適量載せ、あとは(お茶でもいいのですが)熱々のかつお出汁をかけるだけ、と調理はカンタン。お好みでワサビもいいですね。宴会の後や食欲のない朝なども、ヘルシーでズルズルっと流し込めそうです。クセが少なく、広く老若男女に受け入れられる……そんな食材「豆腐」を専門に扱う東京屈指の老舗の逸品を、手土産にいかがでしょう。
※掲載情報は 2015/09/30 時点のものとなります。
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キュレーター情報
コピーライター、グルメガイド
菅野夕霧
コピーライター、PRコンサルタント、Yahoo!ニュース配信元の『市ケ谷経済新聞』編集長。グルメや酒、沖縄離島旅が趣味。特にランチは“狙い”を定め、日々電車に乗って都内を中心に食べ歩いている。甘いモノを苦手としている関係で、“甘くない”土産の逸品を追求中。現在、All Aboutグルメガイドとして老舗店を紹介する「100年店ランチ」、日本トランスオーシャン航空の機内誌『Coralway』にて、「小さな島の小さな食堂」を連載中。著書に『ヤフートピックスを狙え』(新潮社)など。