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創業明治35年!老舗調味料製造販売元のこだわり調味料とは
スパイス好きの私としては、地方に行くと必ずその土地の調味料や香辛料を探してしまいます。その中でも七味は、好きな香辛料のひとつで、その名の通り、7つの原料を粉にして挽いて調合したもの。それぞれの成分の配合が異なりそれが個性となって表れてくるわけです。
今回ご紹介するのは、大阪・堺に店を構える「やまつ辻田」さんの七味唐辛子です。季節ごとに旬の原料の調合を変えて作り上げるその七味は、まず「香り」が他の七味とはまったく異なるものでした。特に山椒の香りに特徴があり、その香りのあとから青海苔や柚子のほのかかな「匂い」が漂うといったところでしょうか。
その反面、味わいは唐辛子の辛さが味覚を強く刺激してくれます。しかし、その余韻は単に辛さだけではなく、他の6つの素材がバランスよくじわじわと旨みとなっていきます。
たまたまタイミングよく、百貨店の催事で辻田社長にお会いした時の印象は強烈でした。山椒の魅力や調合の秘訣、季節の重要さをアツく語る辻田社長。その迫力と魅力にとりつかれた「やまつ辻田」ファンがひっきりなしにブースにやってきます。
お会いして以来、私はいただいた携帯用の七味缶を持ち歩き、時間なく牛丼や立ち食いそばで昼を済ませるときに、そっとふりかけます。するとどうでしょう、牛丼の香りに複雑さが加わり、味わいもシャープに!ざるそばのつゆに山葵ではなく七味を入れると出汁の味わいが複雑になり、蕎麦の旨みが強くなっていくように感じます。
妥協のないホンモノの日本の調味料がここにあります。
※掲載情報は 2019/11/08 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードビジネスデザイナー
嶋啓祐
全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことをライフワークにしています。ホンモノはいつも隠れています。全国の肥沃な土地で、頑固で不器用な生産者が作る「オーガニックな作品」を見つけて、料理人が少し手を加える。それが「ホンモノの料理」になります。毎月地方に足を運び、民泊に泊まり、地元の方々とのコミュニケーションを作るのが楽しみです。自然豊かな日本全体が食の宝庫です。自然、風土、生産者、素材、そして流通と料理人とその先にいる顧客。食に関わるすべての方が幸せになるような「デザイン」を仕事にしています。1963年に北海道は砂川(日本一になった美味しいお米ゆめぴりかの産地)で生まれ、18歳上京。大好物はイクラ、クレソン、納豆、ハーブ、苦手なのは天津丼などあんかけ系、豚足、焼酎。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。2018年より自宅料理コミュニティ「ビストロ嶋旅館」を主宰。