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チョコレートは桜島の形
先日、通常のお仕事で熊本へ行き、その足で鹿児島県鹿屋市へ。
2年前に伺ったときに、このチョコレート展開のお話をお聞きし、どのようになっていくかとても楽しみでいました。
今回は、鹿屋市の福祉事業施設「Lanka」で取り組む、ビーントゥバーチョコレート「Kiitos」のご紹介です。「Kiitos」は、フィンランド語で「ありがとう」の意味。
このビーントゥバーとは、カカオ豆からチョコレートの完成までのすべての加工工程を作り手の手で作業がされるチョコレートのことを言います。
素材は、厳選したカカオ豆と有機のきび砂糖のみ。1枚1枚丁寧に工程の中で、色々な部分で「Lanka」の仲間が携わり、就労支援として現在大きく広がり、注目をされています。
丁寧に作られるチョコレートの形はまさに鹿児島・桜島!線が入れられているので、細かく割りやすいのもポイント。
そして、このように「Lanka」の仲間が描いたイラストが包装紙に生まれ変わり、丁寧にチョコレートを1枚1枚包みます。お持ち帰りの紙袋などもすべて仲間たちが手書きをしたものが使われていました。
そんなささやかな気遣いが温かみを感じますよね。
チョコレートが並ぶと素敵なパッケージだというのが一目瞭然。こんな形で採用されて商品になり、市場に出回る。イラストを描いているときは思いもよらなかったのではないでしょうか。見れば見るほどに愛着がわいてくるチョコレートです。
この「Kiitos」チョコレートですが、ガーナ、ベトナム、ペループレミアム、トリニダード・ドバコのジーンバンク・オルティノーラ、コーヒーチョコレートと種類も豊富。チョコレートによって、無垢なタイプの「スムース」と「クランチ」とありますのでお好みで選ぶことが出来ます。私のお気に入りは、「ガーナ」のスムース。チョコレートの厳選した基本材料で作られていて、酸味とフルーティーな味わいで滑らか。仕事が詰まっているときに、つまみ食いをよくしてしまいます。止まりません(笑)
廃校の校舎を再利用された施設
「Kiitos」の工房は、120年の歴史に幕を閉じた「鹿屋市立菅原小学校」の校舎を再利用し、宿泊施設や食堂などを設けた「ユクサおおすみ海の学校」として再出発した中にあります。
海の真横にあり、海に一番近い学校と言われていた場所です。
私もこの日は、校長室に宿泊しました(笑)宿泊もおすすめです。
工房はいつでも見学が出来るようになっていて、この日は、イベント出店前で大忙しでした。丁寧に小ロットで作り、1枚1枚包装していく。
Lankaの仲間が丁寧にされている様子をこの日は見学することが出来ました。
私の手元にあるチョコレートも、包んでくれたのだな。と思うと、味わって食べる気持ちがさらに増していきます。食材も言えることですが、食べると作り手の気持ちは、体の中に入るとわかります。
優しい、激しい、尖っている、貧弱、明るいなど。
食材そのものがその人そのもの=子供・分身だったりするのではないでしょうか。
「Kiitos」のチョコレートは、Lankaの仲間たちの頑張りがチョコレートに宿り、優しさがあり、元気なチョコレートに変身しているように思います。
「Lanka」のリーダー大山さんは、
「Kiitosは小さい店だと思いますが、どこにも負けないチョコレートです!」
と私に強くお話しくださいました。
福祉の世界で、このような展開を繰り広げるのは、作業もブランディングも困難が多々あるかと思います。その困難を超えて、どこにあっても自信にあふれているチョコレートが完成です。作り手の心がしっかりと伝わるものとして、これからも、九州だけでなく全国そして世界にこのチョコレートが広がり、みんなが明るい未来がありますように。
そして、食べたときにKiitosの意味の「ありがとう」という言葉が自然に口から発せられたらと願います。
現在、Kiitosのチョコレートは、ホームページからはもちろん、関東でもイベントなどでも出店され始めています。
九州では、博多阪急での催事や工房のあるユクサおおすみ海の学校内や、以前に紹介されていました、福岡のコーヒーショップ「COFFEE COUNTY」さんなどのショップなどでも購入可能です。
COUNTYさんのコーヒーとのコラボの「コーヒーチョコレート」も出来ていてそちらもおすすめですよ!
ぜひお試しくださいね!
※掲載情報は 2019/10/06 時点のものとなります。
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キュレーター情報
スイーツプランナー
山口真理
福岡と東京を拠点とし、カフェや企業などのメニュープランニング多数。全国を訪れて生産者と出会い、食卓をつなぐパイプ役として素材をベストな状態でスイーツに添えるレシピ提案をする。福岡県農商工連6次化産業開発アドバイザー。農家をピックアップした冊子と食材をセットで送る「ふくおか食べる通信」レシピコーナー撮影フードスタイリスト並びにメニュー開発。フードコーディネーターとして撮影スタジオでのフードスタイリングも多数。Yahoo!JAPAN「日本の定番選定委員会スイーツ101」選定人。フェリシモ商品「シリコン型お菓子の会」「ミニシリコン型お菓子の会」プロデュース。フェリシモ出版「毎日のごはんを楽しく作る雑貨のカタログSweetsBook」ポプラ社「スイーツの仕事」出版。文化放送「ピピットサンデーWakuwakuMix」出演。