記事詳細
紹介している商品
ラオフェス”で感動!「カスカラ」で素敵なお茶の時間
毎年、ゴールデンウィークを過ぎると週末が慌ただしくなります。というのも、東京では野外のフードフェスティバルが目白押しだからです。特に東南アジアをはじめとするアジア圏のイベントが多く、夏本番に向けて食べたくなるエスニック料理の飲食店や物産のブースがたくさん登場します。
特に東京には、多くのアジア食材店があり、私もある程度の食材は網羅していたのですが、今回、貴重な食材と出会ったのでご紹介します。
近年、日本でも食のグローバル化が加速、さらに細分化されていることもあって、アジア圏で生産されたコーヒー豆に注目が集まっています。コーヒー自体は愛飲されている人も多いかもしれませんが、私が注目したのはコーヒー豆でも“果肉”の方です。
訪れたのは、東京・代々木公園で開催された「ラオスフェスティバル」。通称“ラオフェス”と呼ばれ、日本とラオスの友好親善をはかり、相互の発展につなげていくきっかけとして、2007年にスタートしました。
出店していたのは、「ラオス コーヒー農家 共同組合」です。ラオス産のコーヒー豆やアジア圏でハーブティーとしても使用する植物であるバタフライピー商品などが並ぶなか、『リンロムコーヒー』さんが販売していた、ちょっと不思議な名前の「カスカラ」に目が留まりました。
カスカラとは,皮や殻を意味するスペイン語で、コーヒーの実の果肉や皮を乾燥させたもの。コーヒー豆の元々の形は、コーヒーの木に成る赤色鮮やかな実です。その見た目からコーヒーチェリーと呼ばれ、果肉の中にある種が加工されて茶色いコーヒー豆になります。
コーヒー豆は知っていても果肉となると、日本では見たことのない人がほとんどではないでしょうか。コーヒーチェリーといわれてはいても、果肉を乾燥させることで赤黒く変化するので、干しぶどうのようにも見えます。酸味のあるフルーティーな香りで、コーヒーの実がフルーツであることを実感しました。
楽しみ方としては、紅茶のように煮出して飲んだり、梅酒のようにアルコールに漬け込んだりしてもおすすめとのことです。酸味に加えてポリフェノールの渋みも感じられ、とても興味をそそられました。お好みでハチミツなど甘みを加えると、一層飲みやすくなるので、まるで紅茶を楽しむように手軽にいただけますね。
ラオス南部の高原でコーヒー栽培
コーヒーの木が育つ条件は難しく、天候や温度、土壌など、環境によって、栽培できるエリアが世界中でも限られてしまいます。赤道直下の南北回帰線のそれぞれ25度といわれていて、その範囲は「コーヒーベルト」と呼ばれています。
リンロムコーヒーの農園は、ラオス南部にあるボラベン高原にあり、コーヒーベルトの最北地域です。標高約1000mの地は一日の温度差が大きく、日照、雨量も多く、コーヒー栽培に適した地域です。栽培は無農薬、有機肥料を用いて栽培されていて、赤く熟した実を手摘み収穫し、果肉と種子(コーヒー豆)の分別を手作業でされているんですって。
今回、アラビカ種のドリップパックのコーヒーも購入してみたのですが、深煎りの濃厚な味わいなのに後味がスッキリしていて、カスカラと豆との両方を楽しめました。
リンロムコーヒーは、毎年、ラオフェスに参加されていて、ラオスのコーヒー農家支援のため、コーヒーの木のオーナー制度を募っています。2019年度も間もなく募集がありそうなので、私のように東南アジア好きな人にプレゼントしたり、コーヒー好きな人におすすめしたら喜ばれるのではないでしょうか。
*今回、カスカラをメインにご紹介させていただきましたが、本来はオーナー制度にてコーヒー豆と一緒にお送りするもので、サイトではカスカラのみの販売はしていませんでした。しかし、「収穫できるものを無駄にしない」というラオスの教えに基づき、カスカラも大切に加工されていると感じました。また、ラオスは近年、旅行先としても人気急上昇な国なので、お土産としてもカスカラをおすすめしたく、ご紹介させていただきました。
※掲載情報は 2019/06/13 時点のものとなります。
- 0
キュレーター情報
アジアンフードディレクター
伊能すみ子
アジアンフードディレクター/1級フードアナリスト 舞台制作や民放気象番組ディレクターを経て、食の世界へ。調理師専門学校で調理、食文化を学びながら、食の専門家であるフードアナリストとして活動を開始。メディアを中心に飲食情報の提案やアジア各国料理の執筆、講演、講師、レシピ制作などを行う。
「ASEAN食のコンシェルジュ」、「タイフードコンシェルジュ」、「カンボジア旅のリポーター」などの肩書を持ち、食と旅の提案も手がける。年に数回、アジア諸国を巡り、屋台料理から最新トレンドまで、現地体験を専門webサイトにて多数掲載。書籍『専門店が教える スパイスの基本』(PHP研究所)では、レシピを担当。日本にいながらも他のアジア諸国のおいしい料理を楽しめるような、環境作りを目指す。