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モノづくりの楽しさを詰め込んだ東京下町発のワイン
以前からラベルデザイン（ワイン用語で「エチケット」）でワインを選ぶとだいたい正しく自分の好みに合うワインが見つかりますよ、という説をいろいろなところで書いたり、おしゃべりしてます。ippinでも過去に私の連載でいろいろ紹介していますのでご一読いただけましたら。さて、その理由をざっくり言えば、ラベルデザインは概ね生産者自身が考えていて、そうなればラベルデザインには生産者のセンスがあって、そのセンスを手に取った人が気に入ったのなら、その中身のワインも手に取った人の好みに合うはず、というもの。それを昔でいうところのレコードジャケットが気に入ったらそのレコードを買うという音楽好きの用語「ジャケ買い」になぞらえて、ワインもジャケ買いを推奨しているんです（まぁ、もちろん、音楽もワインも目論見違いもありますが…）。
前置きが長くなりました。今回紹介するワインも、ジャケ買い推奨な1本。なんといってもわかりやすい。ロゼワインが注がれたグラスの上にガーリックが鎮座。つまりはこの赤ワインにはガーリックを使った料理が合いますよ、というメッセージ。使われているブドウ品種はサンジョヴェーゼ。サンジョヴェーゼといえばワインの世界で著名なのは、イタリアはトスカーナ。ここで造られるワインといえば世界的にも人気の「キャンティ」、「キャンティ・クラシコ」。つまりはイタリアン×ガーリックの組み合わせは鉄板。こちらで使われているサンジョヴェーゼはまだまだ珍しい日本のもので、長野県須坂産。長野県でガーリックならキノコ系の料理、マッシュルームのガーリックとひき肉の詰め物のフリット、なんてのが浮かびます。華やかないちご系のアロマながらしっかりと芯の強いワイン。カジュアルなパーティドレスをふんわり着こなすけれど体幹の強そうなスレンダーな女性…というような妄想。ペペロンチーノにイチゴを添えるなんてユニークメニューも面白そう。芯は強くとも軽やかさがあるので、同じイタリアでも南に下って、カジキマグロのソテーにフライドガーリックを添えた一皿など魚介系との組み合わせも楽しいでしょう。
こちらのワインは、そんな幸せなテーブルを広げてくれるラベルデザインで統一。ホタテ×デラウェア、白身魚×シャルドネ、肉×メルロー、クラフトバーガー×アジロンなどヒントが書かれているので、これを参考に自分なりのペアリングを広げていけます。いずれもラベルに書かれた食材だけではなく、そこから連想されるものまで、楽しくあわせていけるんです。
ワイナリーの紹介もしていきましょう。こちら東京・御徒町の「Book Road」。以前、このコラムでも紹介したニューヨークのブルックリン・ワイナリーと同じようなアーバン・ワイナリー。ブドウを各所から買い付け都会で醸造・熟成・ボトル詰めから販売までを行うスタイルです。こちらでは山梨、長野を主に、神戸からもブドウを仕入れます。日比谷線の仲御徒町から徒歩5分ほど。蔵前まで続くこのエリアは昔からモノ作りの人たちが集まり、Book Roadも標榜するのはモノづくり。クラフト的な手触りと考え方。大切に造ったワインを手に取る人にも存分に楽しんでほしい。だからラベルデザインも楽しく、わかりやすく。その考えに至った理由や、これら作品をつくり奮闘されている女性醸造家のエピソードなどは近々、日本ワイン専門webマガジン「Vinetree Magazine」でご紹介しますので、合わせてお読みいただけましたら！
※掲載情報は 2019/06/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ワインナビゲーター
岩瀬大二
MC/ライター/コンサルタントなど様々な視点・役割から、ワイン、シャンパーニュ、ハードリカーなどの魅力を伝え、広げる「ワインナビゲーター」。ワインに限らず、日本酒、焼酎、ビールなども含めた「お酒をめぐるストーリーづくり」「お酒を楽しむ場づくり」が得意分野。
フランス・シャンパーニュ騎士団 オフィシエ。
シャンパーニュ専門WEBマガジン『シュワリスタ・ラウンジ』編集長。
日本ワイン専門WEBマガジン「vinetree MAGAZINE」企画・執筆
（https://magazine.vinetree.jp/）ワイン専門誌「WINE WHAT!?」特集企画・ワインセレクト・執筆。
飲食店向けワインセレクト、コンサルティング、個人向けワイン・セレクトサービス。
ワイン学校『アカデミー・デュ・ヴァン』講師。
プライベートサロン『Verde（ヴェルデ）』でのユニークなワイン会運営。
anan×本格焼酎・泡盛NIGHT/シュワリスタ・ラウンジ読者交流パーティなど各種ワインイベント/ /豊洲パエリア/フィエスタ・デ・エスパーニャなどお酒と笑顔をつなげるイベントの企画・MC実績多数。
