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大きな求肥と桜餡の和風クレープ包み
桜の季節が近づいてまいりました。
今日は、最近気に入って良く食べている、この時期にぴったりな和菓子を紹介させていただきます。
金沢にある「村上」は、創業明治44年の老舗です。
あるとき、手土産を探してデパ地下を歩いていたところ、試食をさせてもらったのがきっかけで知ったのがこちらの「ふくさ餅」でした。
手触りの良い袋を開くと、名前の通り、ふくさのような形をしています。
全体に気泡の入ったちょっと不思議な皮はどこかで見たことがあるような……
そう、クレープのちりめん皺にそっくりです。
皮のとじ目をそっと開くと、中には大きな求肥が桜餡とともに入っていました。
しっとりとした独特の食感の皮に風味豊かな桜餡と大きな求肥。
この組み合わせが絶妙で、日本人の好きな「もちもちとした食感」を存分に楽しめるお菓子でした。
季節限定の「桜ふくさ餅」の他、上品な甘さのこしあんと求肥が黒糖風味の焼き皮に包まれた、「黒糖ふくさ餅」もあります。
どちらも甲乙つけがたい美味しさですが、両方食べ比べてみると、「桜ふくさ餅」は餡よりも求肥が、「黒糖ふくさ餅」の方は、求肥よりもこし餡の存在感を強く感じました。
私は両方買って、交互に食べています。
季節限定のふくさ餅、次はどんなものが出てくるのか、今から楽しみです。
※掲載情報は 2019/03/17 時点のものとなります。
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キュレーター情報
菓子研究家
吉川文子
菓子研究家。友人に出したお菓子が好評で、作り方を教えてほしいと言われたことがきっかけとなり、1995 年に自宅でお菓子教室「Kouglof]を始めました。1999年「きょうの料理大賞」でお菓子部門賞を受賞。藤野真紀子氏、近藤冬子氏、サントス・アントワーヌ氏に菓子を学び、伝統的な洋菓子をベースに、誰にでも手軽に作れて再現性の高いレシピ作りを目指しています。特に、バターを使わず、オイルで作るお菓子のレシピを多数考案しております。「オイルでつくるふんわりケーキとサクサククッキー」(オレンジページ)、「バターを使わない作り置きのお菓子」(マイナビ出版)、「バターなしでおいしいパイとタルト」(誠文堂新光社)、「バターを使わないコーヒー、紅茶、日本茶のお菓子」(文化出版局)など著書多数。