ガストロノミーツーリズム先進国スペイン!マドリード・フュージョン2019レポート

ガストロノミーツーリズム先進国スペイン!マドリード・フュージョン2019レポート

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世界のトップシェフが集うマドリード・フュージョンとは?

ガストロノミーツーリズム先進国スペイン!マドリード・フュージョン2019レポート

2019年1月28日より、3日間の日程で開催された「マドリード・フュージョン2019」。(https://www.madridfusion.net/en/)今回で17回目を迎えたイベント「マドリード・フュージョン」は、昨年に引き続きマドリード市にある大規模な会議施設をもつパラシオ・デ・コングレソを会場に開催されました。

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このイベントに参加するのは、スペイン国内のスターシェフをはじめ、世界で活躍するトップシェフ達、そしてその最新動向を確かめようと世界各国からフードジャーナリスト達。端的に表現をするのであれば、マドリード・フュージョンは「食」にまつわる仕事を持つ世界中のプロが顔を揃え、情報を交換しながら学び、互いを高めあう「料理学会」です。

 

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今回はippin編集部が世界の注目が集まる「マドリード・フュージョン」をスペイン政府観光局の協力を得て初取材!スペイン=「パエリア」だけではない、今、スペインの食が注目される理由がそこにはありました。

料理のプロじゃなくても、誰もが持つ「食」への探究心を気持ち良いほどに刺激してくれる素晴らしい「食」の世界を現地からリポートします。
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スターシェフが続々と登場!

レストランの格付けガイド、レストラン評論雑誌などで、数多くの登場回数を誇るスペインのカリスマシェフ達。その活躍ぶりは今やスペインのガストロノミーツーリズムの牽引役として大きな軸の役割を果たしています。

 

そんなスターシェフ達122名が3日間の期間中、スピーカーとして舞台に立ちました。

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まるでサッカーのスター選手のように注目を集めるスターシェフ達。真剣な表情でシェフの一挙手一投足を見つめるのは、取材中のジャーナリストだけではありません。その会場にいる誰もが、惜しみなく披露されていく斬新で驚きの連続の革新的な料理に心を揺さぶられていました。

「料理学会」という意味

「そこまで詳細に教えてもいいの?」と驚かされますが、これこそがまさにマドリードフュージョンの醍醐味。この「料理学会」を通して、新しい試みや技術を共有することで、シェフだけではなく「食」に関係するすべての人が学ぶ場を提供しているのです。

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新しい調理法や、予想もできない素材を使って、まるで絵画のように美しく仕上げられる一皿。ライブクッキングの緊張感、シェフの熱のこもったプレゼンテーション、実演の間には音楽のプロモーションビデオのように、美しく刺激的で官能的な映像が差し込まれ、見ている人を飽きさせません。洪水のようにあふれ出す「情報」が会場にいる人を魅了していきます。

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まさに、エキサイティング!のひと言。シェフの説明に真剣に耳を傾ける会場では、隣に座っている人から躍動する心臓の音が響いてくるようです。

 

そして、誰もが思うのです「あー、食べてみたい!!」

会場が揺れるほどの大きな喝采

そんな興奮が頂点に達する瞬間が、マドリード・フュージョン1日目に訪れました。

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皆さんもその名を聞いたことがあるはず、 “世界一予約のとれないレストラン”として有名なカタルーニャ州コスタ・ブラバのロザス(バルセロナから車で2時間ほど)にあった『エル・ブジ(ブリ)』の元料理長フェラン・アドリア氏の8年ぶりとなるマドリード・フュージョンへの登場です。

 

巨大な会場が揺れているような錯覚すら感じるほどの大きな拍手。マドリードフュージョンまだ、始まったばかりのはずなのに、あたかもフィナーレを迎えたよな高揚感が会場を包み込みました。雰囲気にすっかり飲み込まれていると、舞台下のスペースは動けないほどのカメラマンで埋まり、アドリア氏の姿を少しでも良い場所から捉えようと、静かなる攻防戦が繰り広げられていました。

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まさにスペイン料理の革命を招いたカリスマ的な存在であるアドリア氏がこの日発表したのは、『エル・ブジ(ブリ)』が新たなステージを迎えるという、“elBulli1846”プロジェクトの大きなニュース。

 

2011年7月にレストランを閉店し、その後の動向が注目されていたアドリア氏ですが、『エル・ブジ(ブリ)』は研究機関としてelBulli財団を設立し、伝統を重んじながらも新たな料理法に挑戦し、国境や文化を越えて、料理界全体を盛り上げるため活動を続けてきました。

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(elBulli財団のウェブサイト https://elbullifoundation.com/

 

その新たなステージへの世界に向けての発表。スクリーンには膨大な情報が惜しみなく公開されているelBulli財団のウェブサイトが写し出され、2022年にはアドリア氏のレストランで30年以上に渡って研究開発されてきた調理法などを学ぶことができる博物館として、新たに施設がオープンされると発表されました。

 

elBulli財団から世界に向けてのメッセージをアドリア氏自身が伝えるという貴重な場に立会い、会場中が興奮に包まれます。アドリア氏のパワフルなプレゼンテーションには誰もが心動かされました。

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(左から)マドリード市長のマヌエラ・カルメーナ・カストリージョ氏、主催者であるジャーナリストのホセ・カルロス・カペル氏、elBulli財団のフェラン・アドリア氏

前衛的?芸術作品?新しく、美しい洗練された料理たち

マドリード・フュージョンでは、世界で話題を集める新進気鋭のシェフ達も登場します。テーマを掲げて、30分ほどの決められた時間の中でプレゼンテーションが行なわれていきます。

 

今回の発表では、シェフが自ら地域の素材を採取したり、集めたりする“ローカルフード”を大切にする考え方が多く見られました。地域色を生かした素材で作ったメニューは、運搬手段が発達し、地球の裏側からも届く食材を使うことが当たり前になった現代では、返って目が行き届かなくなっていた伝統的な食材などの価値を見直す機会を得ているのかもしれません。

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(デンマークから参加した「カデウ」のニコライ・ノルレガード氏によるプレゼンテーション)

 

伝統的手法に学び、既存の調理法に捕らわれず革新的な料理を完成させていく。そこには、時間を惜しまず研究し試行錯誤しながら、見つけ出した“答え”がたくさん隠されています。その価値ある“答え”を惜しみなく披露してしまうことこそ、まさにマドリード・フュージョンという「料理学会」が開かれる地、スペインのガストロノミーが進化しつづけていくという効果を生むのです。

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3日間に渡って行なわれた、驚きがたくさん詰まった発表の数々。17年間継続してきたマドリード・フュージョンですが、世界的な“ガストロノミー”への関心の高まりもあり、今後も注目が集まりそうです。

 

美食を求めてその土地を訪れる“ガストロノミーツーリズム”の先進国スペイン。マドリード・フュージョンを通して、「食べてみたい」そんな食への探究心が果てしなく続くように、スペインの食の魅力もどこまでも広がっていくのを感じました。

 

■マドリード・フュージョン2019
https://www.madridfusion.net/en/
■スペイン政府観光局
https://www.spain.info/ja/

 

※掲載情報は 2019/03/07 時点のものとなります。

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