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記事詳細
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メキシコ最終日の夜、グアダラハラ市内にある「LA TEQUILA」へ向かいました。こちらはテキーラが1300種類(500)ブランドあり、テキーラ生産者やセレブが通うレストランバーです。
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洗練された雰囲気の店内はいつも満員。カクテルメニューはもちろんの事、モダンメキシカンから伝統料理のメニューまで幅広く楽しめるのも魅力のひとつです。
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今回、こちらで待ち合わせをしたのは今メキシコで最も注目されているテキーラブランドのひとつ「ムチャ・リガ」のオーナーであるブルーノ氏とヤキーン氏。ツアー参加者を最終日のディナーにご招待いただきました。この日は参加できませんでしたが、もう1名の共同オーナーとヤキーン氏の二人は元々は異業種で働いていましたが、テキーラ好きが高じて自分たちが納得するテキーラを作ってみようという話から「ムチャ・リガ」のプロジェクトは始まったそうです。
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メキシコのプロレス「ルチャリブレ」をモチーフにした、ボトルが印象的です。直線のみで形成されたボトルのデザインは、見る角度によって表情が変わります。全て手作業で作られているという徹底ぶりです。飲んだ後、インテリアとして部屋にかざっても素敵です。
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最終日にふさわしく、伝統的なメキシコ料理とテキーラ・ムチャリガの贅沢なペアリングを楽しませていただきました。最初は、ビーフジャーキーのようなメキシコで定番の前菜である牛肉を燻製して乾燥させた「セシーナ」にワカモレを合わせて。おつまみとして食べ始めたら止まりません!最初は硬いですが、噛むたびに牛肉の脂が口の中にじゅわーっとひろがります。プロレスのルーキーをイメージした「BRAVO(ブランコ)」と一緒に頂きました。上質なブルーアガベ本来の味わいをダイレクトに感じます。油分をさっと流してくれる爽やかなテキーラです。
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レッドマスクのベテランヒール役選手がモチーフの「CANIBAL(レポサド)」には、ビーフタコスがぴったりです。青トウモロコシを使用したトルティーヤは、メキシコ人に非常に人気が高く、白いトルティーヤより癖がなく素材の旨みを引き出します。ホワイトオークで熟成されたマイルドな味わいのレポサドと相性がバツグンです。
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「LA TEQUILA」では、メキシコ先住民の料理も提供しています。スペインの侵略によってメキシコの食文化は大きく変化を遂げましたが、昆虫や昆虫の卵は今でも珍味として食べられています。上の写真は、メキシコのキャビアと呼ばれる蟻の卵です。プチプチとした食感と濃厚な旨みを感じます。
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チャプリネスというバッタは、油で揚げて提供されます。サクサクの食感とシソのような風味が特徴的。タコスのトッピングとしてもおすすめです。
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実力者であり強い選手をイメージした「INVICTO(アネホ)」にはグサノ(芋虫)を合わせて。
燻製香のある独特の食感のグサノと樽由来の豊かな香りのするアネホとの相性は抜群。
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若手オーナー達が作り出す「ムチャリガ」。ボックス入りにリニューアルされ、現在販売しているアメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、イギリスなどでも話題となったボトルデザインは今までのテキーラにはないアートを取り入れた独創性があります。その一方、テキーラはブルーアガベ100%を使用し、忠実に伝統的な手法で作られています。そのギャップがまた面白いところでもあります。そして、メキシコの伝統である「ルチャリブレ」という要素が入ることによって唯一無二のブランドとなるのです。是非、伝統と革新が詰まった新しいテキーラを味わってみてください!
※掲載情報は 2019/03/05 時点のものとなります。
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キュレーター情報
メキシコ合衆国大使館
北・中央アメリカに位置するメキシコは、西は太平洋、東はメキシコ湾とカリブ海に面していて、国土の3分の1は平均高度約1700mのメキシコ高原が占めています。古代にはマヤやアステカ文明で栄え、16世紀にはスペインによって支配されます。1810年まで続いた300年ものスペインによる長い統治にもかかわらず、7000年という歴史を持つメキシコ料理はその影響を最小限にとどめ、トウモロコシ、マメ、唐辛子をベース にした伝統料理をベースにした独自の食文化を守り続けてきました。その結果、2010年にメキシコ料理はユネスコ世 界無形文化遺産として登録されました。日本人に馴染みの深い「タコス」以外にも、さまざまな絶品料理がありますので本場メキシコ料理の魅力を発信していきます。