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メキシコの旅も架橋に入り、最後に訪れた蒸留所「カーサ・カマレナ蒸留所」。1938年創業で、家族経営の生産者としてはメキシコ中でも最大規模を誇ります。
まず最初にアガベ畑を見学。メキシコで3番目に大きなアガベ畑を保有しています。なんと300万個以上のアガベを栽培しているそうです。アガベの成熟度を自社でコントロールでき、さまざまな風味のテキーラを作ることができるのが強みです。
アガベ畑の後は、蒸留所を見学。アガベを蒸し焼きにする古典的なマンポステラ(煉瓦製蒸し焼き釜)の他に、巨大なアウトクラベ(圧力釜)が大迫力!
「カーサ・カマレナ蒸留所」は最新のリサイクル設備を兼ね備えており特許も取得しています。テキーラ作りの際に発生するバガス(アガベの搾りカス)は通常廃棄されますが、牛の肥料として再利用します。環境にも優しい最先端の蒸留所といえます。
倉庫には、何千個にも及ぶ樽がぎっしり。「カーサ・カマレナ蒸留所」では3ヶ月で一年分のテキーラを作り、9ヶ月は休暇となるそうです。アガベや製造工程にはとことんこだわりますが、テキーラの価格をリーズナブルに抑えることができるのは徹底した作業の効率化の賜物です。
カマレナ家の歴史が分かる、簡易的なミュージアムには一族の写真やビンテージボトルが展示されています。1938年にドン アグスティン カマレナ氏によって会社が設立されましたが、彼は家族を残し先立ちます。残された妻は6人の子どもを養うために経営を引き継いだそうです。今では、6人の子ども達もそれぞれ蒸留所を経営しています。
ラボも特別に見学させて頂きました。こちらで酵母の実験を行っているそうです。蒸留所でも酵母を保管していますが、天災などに備えて別の場所でも保管しているそうです。
今回は、委託で受けているブランドの瓶詰めを見学することもできました。機械ではなくひとつひとつ手作業でボトルが箱づめされていきます。
ウェルカムドリンクは「カスコ・ヴィエホ」。非常にまろやかで繊細な口当たり。伝統的な製法で手間隙かけられていますが、非常にコストパフォーマンスが良いことで知られているテキーラです。
続いてはカマレナブランコ。アガベ本来のコクや香りが感じられます。
最後はプレミアムテキーラの「マラカメ」。マラカメとは、メキシコの先住民ウイチョル族のシャーマン(呪術師)の事をさします。スペイン人が侵攻してきた際、山奥で暮らしていたので支配から逃れた先住民です。彼らがつくる刺繍やビーズアートは世界中でも高く評価されています。ウイチョル族が作るビーズのアクセサリーが印象的なこちらのテキーラは、原料処理と製造工程において非常に長い時間を費やし、こだわり抜いてつくられた逸品です。発酵にシャンパン酵母を使用することが特徴で、非常にエレガントな風味です。
ランチは、肉厚の鶏肉をトルティーヤに挟んで頂きました。付け合せのノパル(サボテン)料理も噛めば噛むほど旨みが出てとても相性がよかったです、さっぱりとした鶏肉のタコスにはカマレナのブランコがよく合います。
伝統的な製法で、とことん時間を掛け作られるこだわりの「カーサ・カマレナ」のテキーラ。創業当時から変わらない作り手のこだわりがテキーラに詰まっています。伝統を重んじる一方、製造過程を革新し、徹底的に無駄を省くことで低価格で高品質のテキーラを提供できることができるのです。より多くの人にカマレナのテキーラを飲んでもらいたい。そんな思いが伝わってきました。
※掲載情報は 2019/02/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
メキシコ合衆国大使館
北・中央アメリカに位置するメキシコは、西は太平洋、東はメキシコ湾とカリブ海に面していて、国土の3分の1は平均高度約1700mのメキシコ高原が占めています。古代にはマヤやアステカ文明で栄え、16世紀にはスペインによって支配されます。1810年まで続いた300年ものスペインによる長い統治にもかかわらず、7000年という歴史を持つメキシコ料理はその影響を最小限にとどめ、トウモロコシ、マメ、唐辛子をベース にした伝統料理をベースにした独自の食文化を守り続けてきました。その結果、2010年にメキシコ料理はユネスコ世 界無形文化遺産として登録されました。日本人に馴染みの深い「タコス」以外にも、さまざまな絶品料理がありますので本場メキシコ料理の魅力を発信していきます。