祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

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メキシコ滞在4日目の朝、ホテルで朝食を終えるとフォルタレサ蒸留所に向かいました。普段この蒸留所はツアーを行っていませんが、今回JUAST(テキーラフェスタ運営事務局)の主催するテキーラツアーでは特別にオーナーが蒸留所を案内してくれました。

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

実はこの蒸留所は、テキーラの聖地といっても過言ではない場所なのです。というのも、前回「テキーラの父」と紹介したサウザ(https://ippin.gnavi.co.jp/article-16064/
の創始者ドン・セノビオ・サウザから3代にわたりこの場所でテキーラを作っていました。

 

名門サウザは、創始者がメキシコの地酒に「テキーラ」と名づけ、2代目がアメリカの酒類コンペティションにテキーラを出品、世界に知れわたるきっかけを作りました。そして、3代目により原産地呼称制度が考案され、テキーラと呼ばれるためのルールが作られました。

 

しかし、3代目のドン・フランシスコ・ファビエル・サウザは病気を理由に、突然テキーラ作りをやめてしまいます。そして、サウザを売却してテキーラ業界から姿を消しました。

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

5代目にあたるギレルモ・エリクソン・サウザ氏は、一家が築いてきた蒸留所が他の人の手に渡るのを目の当たりにしてきました。テキーラ業界から離れても、時間が経つにつれてギレルモ氏の「テキーラを造りたい!」という情熱は日に日に大きくなりました。そして1999年、一念発起し蒸留所の再建に乗り出したのです。幸いにも、祖父が残してくれた土地とミュージアムとして保存されていた小さな蒸留所がありました。「フォルタレサ」は、そこから新しいスタートを切り、2005年についにテキーラ作りが再開したのでした。

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

そして、1999年から少しずつアガベ畑を増やし続け、いまでは広大な土地を所有する世界的な人気ブランドへと成長しました。

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

人気の理由は、ギレルモ氏の徹底したテキーラへのこだわりと愛情にあります。昔ながらのタオナと呼ばれる石臼を用いて加熱したアガベを絞汁し、大きな蒸留器を使用せず古い小型の蒸留器でゆっくり蒸留。本当に自信のあるものだけを販売しています。それが、「フォルタレサ」の信頼につながり、世界中で注目されるようになりました。

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

アガベ畑と蒸留所のツアーを終えて、洞窟に案内されました。真っ暗な道を進むとそこには、バーカウンターとプロジェクターが出現。そしてカウンターの奥に、ギレルモ氏の登場です。

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

ギレルモ氏は、プロジェクターを使いサウザの歴史からフォルタレサの製法のこだわりに至るまで分かりやすく解説してくださいました。そして、テイスティングの際、一口づつかみ締めるように飲む姿は、「フォルタレサ」への愛情と自信が表れていました。

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」
祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

テイスティングの後は、中庭に移動してランチタイム。こちらのアガベ畑は、その景観の美しさから世界遺産にも登録されています。鶏肉のBBQがメインでしたが、ブランコ、レポサドとも非常によく合います。まだ、販売されていないフレンチオーク樽熟成の試作品も頂きましたが口の中でとろけるようなほどよい甘みでした。日本での販売が楽しみです。

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

ギレルモさんはストリートドッグを引き取り、敷地内で育てているためいたるところに犬がいます。現在発売しているシリーズの1つのボトルラベルに描かれている絵をよく見ると、アガベ畑と愛犬の絵が描かれています。

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

最後に、ギレルモ氏に将来の夢を尋ねたところ「祖父が築いたサウザをもう一度取り戻したい」という答えが返ってきました。「大きな企業は資本もあり、畑も設備も買いたいものを買いたいだけ買える。フォルタレサは家族経営で設備投資にも限界があるけど、家族経営だからこそできることがある。たとえば、情熱を全員で共有することもそのひとつ。本当にいいものを造るという情熱を持ち続けて実行すれば、その先にチャンスが巡ってくるんだよ。」

祖父から受け継いだテキーラ造りへの情熱「フォルタレサ」

アメリカの有力紙や日本のTV番組でも紹介され、今最も注目されるブランドにまで成長しましたが、ギレルモ氏はそれに決して甘んじません。今よりもっといいものを造りたい。そのテキーラ造りへの姿勢から、偉大な祖父の血統が受け継がれていることを感じました。
彼のその情熱はいつまでも決して潰えることはありません!

 

次回は、テキーラの樽をモチーフに作られたアガベ畑の中のユニークなホテルをご紹介します。

※掲載情報は 2019/02/01 時点のものとなります。

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メキシコ合衆国大使館

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北・中央アメリカに位置するメキシコは、西は太平洋、東はメキシコ湾とカリブ海に面していて、国土の3分の1は平均高度約1700mのメキシコ高原が占めています。古代にはマヤやアステカ文明で栄え、16世紀にはスペインによって支配されます。1810年まで続いた300年ものスペインによる長い統治にもかかわらず、7000年という歴史を持つメキシコ料理はその影響を最小限にとどめ、トウモロコシ、マメ、唐辛子をベース にした伝統料理をベースにした独自の食文化を守り続けてきました。その結果、2010年にメキシコ料理はユネスコ世 界無形文化遺産として登録されました。日本人に馴染みの深い「タコス」以外にも、さまざまな絶品料理がありますので本場メキシコ料理の魅力を発信していきます。

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