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紀州の誇る名産「南高梅」が入った“年越しそば”
真っ白な砂浜に真っ青な空。2019年最初の花火を和歌山県白浜町で迎えた。
理由はイタッて単純、「紀州南高梅」が入った年越しそばが振る舞われるからだ。時間は午後10時30分から。10時に開いた臨時駐車場に花火号を止めて会場に赴くと、すでに50人ほどが並んでいた。ただいまの気温1度。0時までにはマイナスになるかも知れない。気温が下がるのに比例して若いカップルの列がどんどん伸びてゆく。
関係者が整理券を配りだした。限定1000食。駐車場では多摩や埼玉など多くの県外ナンバーもみかけた。カウントダウン終了後には温泉に入って暖まろうという狙いなのか……。
肉厚の南高梅がゆるりと茶褐色の出汁温泉に浸かりながら、お蕎麦の隣でダラリと沈み込んでいる。丸いはずの南高梅が私にはハート型に見えてきた。おおーっ、酸っぱい。。。
市長の挨拶から、「3、2、1、ゼロ」と海に向かって斜めに放たれた七色の花火。酸味の効いた華やかな色使い。ハナビストが以前から気にいっている青や紅。真冬という空気の透明度から、いつも以上に色が鮮やかだ。早打ちからスターマイン、輪星の追い打ちと演出も“梅(ウメ)エー”もんだ。LEDのイルミネーションと絡めると尚いい。まるで先ほど食した南高梅入りのお蕎麦みたいだ。
南紀白浜カウントダウン花火 撮影:冴木一馬(ハナビスト)
そういえば日本で最初の花火玉は長玉(ながだま)といわれ獣の皮に黒色火薬を詰めたもので、まん丸いものではない。まさに南高梅みたいな形だったのだ。帰宅したら新年会が続く。二日酔いには南高梅を入れた焼酎が良いらしいので、とびっきりの大玉を地元『福梅本舗』で買って帰るとするか。
そんなことを考えている間にラストのスターマインが始まった。紅、黄色、緑の菊から花雷を数発、最後に銀冠菊(ギンカムロギク)で締めるとは酸味の効いた年越しそばみたいだ。さぁ、今年も南な(皆々)様方の期待に応えられるよう志を高くもち梅(うま)く撮影します。
※掲載情報は 2019/01/20 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ハナビスト
冴木一馬
山形県鶴岡市出身
報道カメラマンを経て1987年から花火の撮影を始める。1997年花火師(煙火打揚従事者)の資格を取得。 同時に肩書をハナビストとし、世界各地の花火を記録をしながら歴史や文化の研究をはじめる。 2002年から花火を題材にした版画の製作と同時に花火大会運営のプロデュースも手がける。 同年11月、1000大会の撮影を記録。 写真の原版は2万点以上ストック。 スチールに関してはワンシャッターにこだわり多重露出をおこなわず、花火本来の姿を追い求めている。 世界各地の花火をはじめ、あらゆる種類の花火写真があり、その解説も行う。
【受賞暦】
富士ゼロックス株式会社 「美の計算」 日刊工業新聞社賞受賞 2002年
【Post】
大阪観光大学 学外研究員
日本花火写真協会顧問
フォトサロン写楽顧問
花火の会顧問
【趣 味】
オペラ鑑賞
焼物鑑賞
スポーツカー
【好 物】
お雑煮
チョコレートスフレ