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自然の恵みをまるごと飲む感覚
毎日、飲みたいと思うお茶は特別気取る必要もなく、暮らしの中に静かに寄り添ってくれるようなお茶なのかもしれません。最近、そんな「毎日でも飲みたいお茶」に出会いました。その名も「川根薪火三年番茶」。その名の通り、3年以上、自然育成されたお茶の樹を使ったお茶なのですが、これがちょっと珍しいお茶なのです。昨今、高齢や後継者不足の為、茶園が維持できず、放置されてしまっている場所が多いと良く耳にします。このお茶はそんな耕作放棄地で大人の背丈よりも大きくなってしまった、お茶の樹を冬の間にまるごと刈り取り、鉄の釜に入れ、薪でじっくり焙煎してつくる番茶です。お茶の葉を良く見てみると、葉はもちろん茎の部分も入っていて、見た目は少々ワイルド。木のお茶のような風貌です。ちなみにこのお茶の製法はマクロビオティックの創始者である桜沢氏の提唱するお茶作りに由来するそう。ティーバックの形になったものと、やかんで煮だすタイプの茶葉のものがあるのですが、ポットや水筒にティーパックをポンと入れてお湯を注げば、15分程でお茶が出来上がるというので私はティーパックの方をチョイスしてみました。
お茶の色味はほうじ茶のような透明感のある茶色。木のような香ばしい香りにリラックスしながら、一口ゴクリ……。あっさりさっぱりした味わいなので、ゴクゴク飲める軽やかさがクセになります。飲みこんだ後の余韻もとても印象的。あっさりしているだけでなく、お茶の味わいに深さと奥行も感じられます。それでいて、カフェインも少ないお茶なので、お子様からご年配の方、妊婦さんでもおいしく飲める!いいところだらけですね。一杯飲むとなんだか身体がポカポカしてくるので、寒い季節、身体の内側からお茶の樹の生命力を感じながら、温めるというのもいいかもしれませんね。
※掲載情報は 2018/12/27 時点のものとなります。
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キュレーター情報
日本茶アーティスト・煎茶道東阿部流師範
茂木雅世
急須で淹れるお茶とその「まわり」を、ちょっとおもしろくする人。煎茶の出番すらなかった場所にも積極的に急須とともに参上し、全国様々な場所でJAPANESE TEA PARTYを開催。多くのクリエイターとコラボをしながら普段急須を使ってお茶を淹れない若い人にも「やっぱり急須のお茶っていいね」と思ってもらえるきっかけとなるような風景や場所、物を多く生み出しています。