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常に品薄状態で、注文してから10日程度かかるという代物
萩・石見空港。読者のみなさんもこの空港がどこにあるのかご存知の方はそう多くはないかもしれない。山口県と島根県の日本海側県境にある益田市にある空港でANAが一日2便東京と行き来している典型的なローカルエアポートだ。
ちなみに益田市は日照時間が最も長い町として有名で、11月中旬に訪れた際に驚いたのは夕方5時でも明るいということ。東京はほぼ夜の帳が下りた頃である。
そんな町の玄関ともいえる萩・石見空港横の丘の上ではミツバチがぶんぶんと飛び交い、賑やかに蜜を集めているではないか!そこは小さな養蜂場がある。雨が少ない温暖な気候と長い日照時間という好環境のなか、生産量は多くはないものの、味わい深い蜂蜜が生れている。
130mlの小さいサイズの蜂蜜を購入してみた。優しい香りに深い味わい。決して甘すぎるわけではなく、ほんのりとした味わいが妙に舌に残る。まずはそのままいただき、そしてパンに塗り、ヨーグルトに混ぜる。オニオンドレッシングに少し混ぜると深みが生れ野菜の味わいが不思議と引き立つのには驚いた。
マイルドな味わいの中に「品」がある、という蜂蜜だ。
聞くと、昨年度の日本はちみつマイスター協会が開催する「はちみつフェスタ2017」で最もおいしいはちみつコンテスト「第3回ハニー・オブ・ザ・イヤー」で、萩・石見空港ミツバチプロジェクトの「空港はちみつ(島根県)」が最優秀賞・来場者特別賞をダブル受賞したとのこと。
ビン入り130gで1,000円 (税込)というお値段も良心的。隠れたホンモノをたくさん抱えているPR下手な島根県ではあるが、この空港はちみつは、常に品薄状態で、注文してから10日程度かかるという代物。それは新鮮な証でもある。
今朝も紅茶と共にひとさじいただいたが、空港はちみつのおかげでスイッチオン!ぜひお試しいただきたい逸品である。
※掲載情報は 2018/12/07 時点のものとなります。
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キュレーター情報
フードビジネスデザイナー
嶋啓祐
全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことをライフワークにしています。ホンモノはいつも隠れています。全国の肥沃な土地で、頑固で不器用な生産者が作る「オーガニックな作品」を見つけて、料理人が少し手を加える。それが「ホンモノの料理」になります。毎月地方に足を運び、民泊に泊まり、地元の方々とのコミュニケーションを作るのが楽しみです。自然豊かな日本全体が食の宝庫です。自然、風土、生産者、素材、そして流通と料理人とその先にいる顧客。食に関わるすべての方が幸せになるような「デザイン」を仕事にしています。1963年に北海道は砂川(日本一になった美味しいお米ゆめぴりかの産地)で生まれ、18歳上京。大好物はイクラ、クレソン、納豆、ハーブ、苦手なのは天津丼などあんかけ系、豚足、焼酎。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。2018年より自宅料理コミュニティ「ビストロ嶋旅館」を主宰。