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熱田神宮のある“由緒正しい地”に生まれた和菓子屋
この時期、そろそろ秋の行楽を検討している方々も多いことだろう。前回ご紹介した「きよめ餅」は愛知県民なら誰もがしる熱田神宮名物であるが、今回は愛知県人ですら知らない“純愛”を和菓子にした逸品をご紹介したい。
日本人なら誰もが一度は名前を聞いたことのある「日本武尊」。日本書紀や古事記に残るものであるため、地域によって諸説さまざまな伝説が残っている。その中の1つとして有名なのが、日本武尊の「しろとり伝説」だ。共通しているのは日本武尊が「英雄」であったこと。
日本武尊は、宮簀媛(みやずひめ)と愛知県にて婚約。その後、宮簀媛(みやずひめ)は日本武尊との間に武田王(たけだのきみ)と佐伯命(さえきのみこと、佐伯王)の2人を産んだとされている。
そんな日本武尊であったが、自分の武力を過信したばかりに、怪我を負ってしまう。能煩野(のぼの)にて没した後、お妃である宮簀媛(みやずひめ)のいる熱田の森へ、白鳥になって帰ってくるという伝説。
妻である宮簀媛(みやずひめ)に対する愛情の深さを感じることができる、一般的な日本武尊のイメージと、違う一面が垣間見ることができるきっかけを与えてくれた。
箱には三種類の「しろとり」をかたどった和菓子が入っている。手前から、黒糖味、抹茶味、ジンジャー味。私は母と何味かを当てつつ、おやつにいただいた。一口いただくと「うんうん」と口に広がる味で、特徴が全く違う。そして、さくっとした食感がとても軽いのだ。半分に割ってみると、次の写真で軽い口当たりがお分かりいただけるだろうか。
販売は熱田神宮境内にある、「きよめ茶屋」のみ。とても軽く、手土産に持ち運びしやすい。また、緑の箱には「熱田神宮参拝記念」というシールも貼ってあるため、お友達との会話も弾むのではないだろうか。
“If I were a bird, I would fly to you.”
(もしも私が鳥だったら、あなたのもとへ飛んでいくのに。)
ふと、中学校で習った英文が頭をよぎった。その頃は、こんな気持ちを理解できる年齢ではなかった。しかし、今なら、分かるような気もする。万国共通、愛情に変わりはないのだなと。
でも、できることなら、元気で帰ってきてほしかった。
きっと、宮簀媛(みやずひめ)はそう思ったのではないだろうか。
なぜなら、人は一人では生きてはいけないのだから。
※掲載情報は 2018/10/03 時点のものとなります。
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キュレーター情報
発酵料理研究家/観光連盟アドバイザー
高橋香葉
「日本人の体を健康できれいにするには、日本伝統文化の発酵食が一番良い」として発酵料理の研究に取り組む。テレビ、雑誌、書籍などを通じて、発酵食品の良さを伝える普及活動を行っている。
日本で初めて、米麹と醤油をあわせた新調味料「しょうゆ麹(醤油麹)」の作り方とレシピを公開し、発酵業界に新しい風を入れた。その活動は、フードアクションニッポンアワード販促部門を受賞。その後、読売新聞にて「オンリーワン」として掲載された。
現在は、日本全国を回り、全国の発酵食品だけでなく温泉巡りをし、日本の伝統文化を勉強している。
自治体の観光連盟アドバイザー、特産品開発審査委員などを歴任。市場調査から、販売戦略、プロモーションなどのマーケティング講師も行っている。フードアナリスト協会「食のなでしこ2016」。
主要著書:
◎「しょうゆ麹と塩麹で作る毎日の食卓」(宝島社)
◎リンネル特別編集「しょうゆ麹で作る毎日のごちそう」(宝島社)
◎「知識ゼロからの塩麹・しょうゆ麹入門」(幻冬舎)
◎おとなのねこまんま555(アース・スターブックス)等