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銘菓の中には、日本独自のものとして知られているけど、実は“外国から伝わってきたものだった”というお菓子がたくさんあります。江戸時代以前に伝わった外国のお菓子は、さぞかし当時の人々の興味を引いたことでしょう。なんとか自分たちで作りたいと、菓子職人が試行錯誤を繰り返しながら作ったレシピは、今私たちが食べることのできるおいしいお菓子の原型として現存し、大切に保管されています。今回はすっかり定着しているものから比較的新しいものまで、日本で食べられる外国発祥のお菓子をご紹介します。
鉄砲と同時期にポルトガルから伝わった糖蜜で揚げたカステラ、長崎・平戸の郷土銘菓「カスドース」
長崎・平戸の郷土菓子「カスドース」をご存知ですか？糖蜜で揚げたカステラにグラニュー糖がまぶしてある、南蛮風フレンチトーストといったところ。黄身のコクと、グラニュー糖の歯ざわりが特徴の味わいです。外国との貿易が盛んだった安土桃山時代にポルトガルから伝わったとされ、旧平戸藩松浦氏の門外不出のお菓子として扱われていました。元祖として知られる松浦家の御用菓子司『蔦屋』の「カスドース」は約400年前から変わらぬ南蛮菓子です。
ちゅるんと美味い究極のシンプルスイーツ。富士山の恵みを閉じ込めた「水ゼリー」
「富士山麓の水の美味しさを伝えたい」と富士山駅近くの洋菓子屋『アーヴェント』が作る「水ゼリー」。富士吉田市吉田地区水源のPH値7.8、硬度38のお茶やコーヒーに合う水道水uでs。よく冷やしてそのまま食べても、お好みで黒蜜やレモンをかけて食べてもおいしく味わえます。ところで、ゼリーはフランス発祥のスイーツ。ところが、コーヒーゼリーだけは日本発祥だそう。水ゼリーも繊細な日本人独特の感覚から生まれたスイーツといえますね。
ブランド名：アーヴェント
商品名：水ゼリー（お取り寄せ可）
一子相伝で守られる味！シンプルで奥深い上品な甘さとサクサク感。江戸時代から続く福岡銘菓「鶏卵素麺」
日本三大銘菓のひとつでもある福岡の『松屋利右衛門』の伝統菓子「鶏卵素麺」。このお菓子はポルトガル伝来の「フィオス・デ・オーヴォス（卵の糸）」が原型といわれています。江戸時代に博多商人であった初代・松屋利右衛門が「鶏卵素麺」として、福岡藩主へ献上したことが始まりだとか。卵黄と砂糖のみで作られた、卵の風味と蜜の甘さを味わえる卵菓子。シンプルだからこそ奥深い、一子相伝の味は、変わらず親しまれています。
ブランド名：松屋利右衛門
商品名：鶏卵素麺（お取り寄せ可）
江戸時代に伝わったチーズタルトをアレンジ。かぼちゃとチーズが織りなす歴史の味「肥前ケシアド」
江戸時代中期にポルトガルから伝わった「ケイジャーダ」という名のチーズタルト。1639年創業の佐賀の菓子舗『鶴屋』がこれを真似て、手に入らないチーズの代わりにかぼちゃ餡を代用して「けし跡」を作りました。当時のレシピからチーズを練り込んで現代風にアレンジしたものが「肥前ケシアド」です。現代でも親しまれる味をと3年の歳月をかけて完成した逸品。菓子職人の苦労をしのびながら、かぼちゃとチーズが織りなす味わいを堪能してみては。
ほろりとした食感のスペイン伝統菓子を京都風にアレンジ「京都宇治抹茶和三盆のポルボローネ」
口の中に入れるとホロホロとくずれて溶けていく、はかない食感がクセになる「ポルボローネ」。元々はスペイン・アンダルシアの郷土菓子だった焼き菓子を、嵐山の『京嵯峨寶楽庵』が観光銘菓としてアレンジしました。それが京都産宇治抹茶と和三盆と和の素材を使った『京都宇治抹茶 和三盆のポルボローネ』。和洋折衷で、抹茶の香ばしさが口に広がるクッキーは、一つ、またひとつとのばす手が止まらなくなるおやつです。
※掲載情報は 2018/09/28 時点のものとなります。
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