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修道院で生まれたスペシャルメニュー
6月21日(木)にMiele Center表参道にて料理教室「門倉多仁亜さんと作るマウルタッシェン」がドイツ観光局主催で開催されました。「マウルタッシェン」と聞いてもあまり聞きなれない人もいらっしゃるとは思いますが、ドイツ南部シュヴァーベン地方の郷土料理です。
驚くべきは、この料理の由来です。修道院で肉が禁じられた期間に、どうしても肉が食べたい修行僧がパスタ生地にほうれん草、やタマネギ、パセリと一緒にひき肉を入れたことがきっかけで誕生した料理らしいということ。パスタに隠してしまえば、神様にも見えないだろう、という発想が面白いですよね。
ドイツ観光局アジア・オーストラリア地区総括局長の西山晃さんから、今回のイベントについてご紹介がありました。このマウルタッシェンなどを作るイベントは世界中のドイツ観光局で開催されているそうです。東京の前週はパリで開催されたとの事でした。
そして、今回マウルタッシェンの作り方を教えてくださったのがドイツ人の母と日本人の父を持つ料理研究家の門倉多仁亜さんです。幼少の頃から、ドイツ人の祖父母と一緒に生活する中でドイツ料理を自然に覚えたそうです。
具材作りは塩加減が大事!
早速、キッチンに移動して料理教室が始まりました。まずは、パスタの生地作りから始めます。薄力粉、強力粉混ぜ合わせたものに塩を少々振り、土台を作りその中に生卵を入れかき混ぜます。少しずつ水を加えながら、粉っぽさがなくなるまでこねます。
出来上がったら、生地が乾かないようにビニールに入れて冷蔵庫で1時間以上寝かせます。その後、ドイツではこのような機械を使って生地を引き伸ばしていきます。ここで重要なのは、下に新聞紙を置いて文字が見えるようになるまで、写真のように生地を引き伸ばします。
生地を薄く長く伸ばす
生地を寝かせている間に、今度は具材を作ります。牛乳でふやかしたパン粉、塩水で茹でたほうれん草を冷水に戻したもの。バターと一緒に炒めたタマネギ、合挽き肉やマジョラム、パセリをボウルに入れてかき混ぜます。塩加減が重要なのでかき混ぜた後、一度フライパンで具材を焼いて味見しながら味を調整してください。
タマネギはこのように茶色くなり、ねっとりするまで炒めます。
具材が完成しましたら、生地の上に乗せていきます。均等に具材を置いたら生地を被せます。
生地を正方形にカットしたら、生地が柔らかくなるまでボイルします。
鶏手羽元などなどでとったスープに、サイコロ状に切った玉ねぎ、人参、ズッキーニを入れて火を通します。
マウルタッシェンをお皿に盛り付け、スープを注ぎ、炒めんた玉ねぎをのせて完成です!多めに作っておけば、料理が作るのが面倒な時も、パスタを茹でるだけで簡単に作ることができて便利です。食欲の出ない暑い日にも、さっぱりとしているので食べやすいです。
今回は、ワインズオブジャーマニーの提供で、マウルタッシェンにぴったりなドイツのスパークリングワインと、リースリングも用意されました。マウルタッシェンのタネはスパイスを混ぜた豚肉ですが、ソースではなく繊細なスープといただくため、赤では重過ぎ、フレッシュな白では物足りない。料理自体の印象が「ミディアムボディ」なのです。
そこで、しっかりとしたアロマのあるロゼのゼクト(スパークリング) 「アイマン ピノ・ブラン・ド・ノワール・ゼクト エクストラ・ブリュット(写真左)」が選ばれました。このロゼはなんと、ピノノワール100%でできています。王道のシャンパンと同様の瓶内二次発酵式で丁寧に作られたゼクトであり、さらに樽熟成もしているのでふくよかなふくらみも現れます。まさに肉をスープで食べる、という中立的な味わいにぴったり。
もう1本のリースリング「キューリング・ギロー クヴィンテッラ リースリング・トロッケン」(写真右)は、豊かなアロマを持ちふくらみのあるのが特徴。リースリングのメンソールなアロマとマウルタッシェンに使用されるマジョラム(ハーブ)の香りとよく合います。
ドイツといえば、ソーセージというイメージが浮かぶ人もいるかもしれませんが、現在ではヨーロッパの中でもビーガンやベジタリアン先進国としても知られています。さまざまな国と国境を接していることから、近隣諸国と食文化が融合して生まれた伝統料理なども多く存在します。「マウルタッシェン」をはじめ、まだまだ日本では知られていない絶品料理が多く存在します。是非、機会がありましたら皆様もドイツの食文化に触れてみてください。
※掲載情報は 2018/07/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ドイツ連邦共和国大使館
駐日ドイツ連邦共和国大使館は、日本におけるドイツ政府を代表する機関です。ヨーロッパの中心に位置しているドイツと日本は、去る2011年、外交関係を樹立してから150周年という節目を迎えました。そして、今後も互いに両国が協力し合いながら、現在の友好関係を保ち、またより深めながら手を取り合って未来へ向かっていこうという思いをこめ、「ドイツと日本-ともに未来へ」というモットーの下、日本の皆さんにより深く、広く、ドイツを知ってもらうべく、様々な形で活動を行っています。こちらのサイトでは、ドイツの伝統や郷土・食文化についてお伝えします。