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老舗旅館にレトルトカレーが登場
ホテルカレーといえば、高級ホテルの定番メニューだ。ホテルの個性もあらわれるという魅力がある。一方、テイクアウトグルメとしてレトルト製品が多くみられるのは、カレーというメニューならではだろう。
昨今、高級ホテルばかりでなくビジネスホテルでもレトルトカレー商品が見られるようになった。日本最大規模の宿泊特化型ホテルチェーンとして知られるアパホテルでは、「アパ社長カレー」が人気(近々本連載で掲載予定)。
ホテルばかりでなく、旅館でもレトルトカレーが登場し注目を集めている。箱根温泉旅館「一の湯」が販売を開始した「一の湯カレー」だ。一の湯といえば、創業寛永7年(1630年)の老舗旅館。老舗旅館とレトルトカレーはイメージが結びつかない。
実は、夕食メニューでしゃぶしゃぶを提供していたところ、使用している箱根山麓豚が甘さとやわらかさで大人気になったという。しゃぶしゃぶ以外でも、美味しい豚肉を気軽に味わってもらいたいとカレーの開発に着手した。
箱根山麓豚は、澄んだ水の恩恵と厳選された飼料によって大切に育てられた地産豚。開発にあたっては、脂質の適正化が肉の旨みを最大限に引き出すことができると捉え、8ヶ月に渡り試行錯誤を繰り返したという。
もも肉を使用することでやわらかい食感を実現、コクと旨味のあるスパイシーなカレーに仕上がっている。やはり何と言っても箱根山麓豚の美味さは格別だ。レトルトカレーで気軽に味わえるのは更に格別。
ジャパニーズ温泉旅館渾身のカレーがレトルトパックとなって、世界中の食卓へ提供されるとしたら、何とも微笑ましい光景だ。
※掲載情報は 2018/03/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ホテル評論家 旅行作家
瀧澤信秋
ホテル評論家、旅行作家。All About公式ホテルガイド。ホテル情報専門サイトHotelers編集長。日本旅行作家協会会員。日本を代表するホテル評論家として、利用者目線やコストパフォーマンスを重視する取材を徹底。その忌憚なきホテル評論には定評がある。フィールドは、ホテルステイからホテルグルメ、ホテルにまつわる社会問題までと幅広い。テレビやラジオ、雑誌などへの露出も数えきれず、業界専門誌への連載も手がけるなどメディアからの信頼も厚い。また、旅行作家としても旅のエッセイなど多数発表、ファンも多い。2014年は365日毎日異なるホテルへチェックインし続ける365日365ホテルを実践中。「365日365ホテル 上」(マガジンハウス)として上半期のホテル旅の記録をホテルガイドも兼ねて上梓した。著書に「ホテルに騙されるな!プロが教える絶対失敗しない選び方」(光文社新書)などがある。