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蓋を開けた途端、ぱっと光輝く宝石箱のような伝統の上箱寿司
「今年の桜の開花はいつなのかしら」と思いを馳せながら京都旅行をご検討されている方々に、ぜひ『祇園 いづ重』をご紹介したいと思います。
鯖姿寿司の名店『いづう』から暖簾分けをされ、明治末年、東山真葛原に店舗を構えたのが始まりだといいます。昭和23年より八坂神社の向かい、祇園石段下に移転開業された『いづ重』。お店に行けば途切れることなくお客様が順番待ちをしています。それもそのはず。『いづ重』は全国にお取扱い店舗もなく、お取り寄せもできず、催事などに出店されることもほとんどないので、お店を訪ねる他ありません。
しかし、お店に行けば、そこは「京寿司の楽園」。伝統の鯖姿寿司はもちろんのこと、初夏の鮎姿寿司、夏は鱧寿司、秋はぐぢ(甘鯛)姿や秋刀魚寿司、冬の蒸し寿司、スタンダードな太巻きや粽(ちまき)、いなり寿司を加えて春夏秋冬の味を楽しめる貴重な一軒。海から遠い京都人が生んだ知恵の結晶といえましょう。
むっちり詰まった寿司飯の「寿司の盛り合わせ」で十分堪能した後は「上箱寿司」(1,620円)を持ち帰り、再びお土産を楽しみます。この「上箱寿司」は明治時代から受け継がれた品。「京都に行ったらいづ重さんで上箱寿司をお土産に買ってくる」のが家族の暗黙の了解となっています。また、手荷物に若干の余裕があれば、ご近所奥様に「京都土産の箱入り娘をおひとつね」と冗談を言いながらお渡ししても喜ばれます。多少長い時間持ち歩いても崩れることなく、また、お腹の具合によって分け合えるのも嬉しいところ。
代々伝わる手法により、今でも毎日おくどさん(かまど)で焚き上げた熱々のごはんには花菱酢醸造元 齋造酢店のものを使って寿司飯にし、小鯛や穴子、厚焼き玉子に海老などの贅沢な具材を使って、丁寧に押した「上箱寿司」。具材に保存料を使わず、一切の妥協を許さない逸品です。蓋を開けた途端、ぱっと光輝く宝石箱のように、丁寧に市松模様に敷き詰められた押し寿司をひと口食べた時の感動はひとしおです。時代の流れにしなやかに対応しつつ、伝統の味や家訓を後世に引き継ぐことは極めて難しいことだと思います。
海外からのお客様への対応も完璧で、英語、中国語、韓国語のメニューもあります。彼らの注文もスムーズで、「これで3度目。結局、毎回同じものを食べてしまうわ」という外国人のリピーターと「美味しいよね」と意気投合。
伝統の鯖姿寿司やいなり寿司は新幹線構内で予約受取可能
加えて私たち京都への訪問客には嬉しいお知らせ。「鯖姿寿司」や祇園詣の土産物として大好評の「いなり寿司」は、新幹線京都駅構内のお土産店『古都みやび』での引取が可能になったそうです(要事前予約)。「上箱寿司」を本店で買えなかった皆様、新幹線のなかで「もう一度楽しかった京都」を思い返しながら幸せに帰路に着くのはいかがでしょうか。
※掲載情報は 2018/03/09 時点のものとなります。
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キュレーター情報
秘書
水越かをり
上場建設会社に入社後、総務、広報を経て、会長・社長の秘書として約20年担当。
「手土産」を選ぶ際、特に気を付けている「気遣いさせすぎない手土産選び」。社内でもプライベートでも手土産をお勧めする場合は必ず自分で買って試食をしたものの中から選んでいます。「味」「見た目」「コストパフォーマンス」「差し上げる方の出身地」「その方の大切にしているもの」等色々な視点で差し上げる方を思い浮かべながら、話題の新商品から老舗の伝統の味を守る品物まで、差し上げる方に寄り添った品物選びをしています。
プライベートでは現在は英会話、着物を現在習っています。どちらも個人レッスンで先生に恵まれ、仕事とはかけ離れた集中できる時間を大切にしています。長年訪れる香港の友人たちとの交流の中で、従来嗜んでいた茶道や華道に加え着付けを習い日本の伝統について英語で語り合うこと、また、世界の習慣を学ぶことも楽しみのひとつです。来たる東京オリンピックに向かい、訪日される海外の方々へのボランティアガイドをするので、一緒に日本の伝統文化の事を触れた折に日本の手土産の習慣についても説明できる日を楽しみにしています。