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若い世代にも受け入れられる革新的な青磁
「三階松」は、江戸時代、長崎の見張り番をしていた鍋島藩が藩用窯で江戸のお殿様に献上した絵柄で、平成の時代の今、復活させた。しかし、あくまで、江戸時代のままではない。江戸時代から続く光った青磁ではなく、マットな肌触り。枝は金色にした。そこには、現代のコンクリートのマンションの生活にも溶け込む新しさを求めたという。
畑萬陶苑の4代目畑石眞嗣さんが作るこの青磁には優しさと温かさがある。白い土にガラスの粉末をコンプレッサーで吹き付け、サンドブラストといって、青磁のツルツル感を搔き落としていく。だから、松、竹、梅、桃、宝づくし、小槌など伝統的な形や模様だが、和だけでなく、洋の食事にも使える。このシリーズは若い世代のお客さんのファンが多い。(三階松は7,560円)
世界各地で数々の賞を受賞
畑石さんは、鍋島藩の藩用窯として歴史を刻んできた伊万里大川内山で伝統を極めるだけでなく、常に新しさを追究し続けてきた。1986年には全国伝統的工芸品展で会長賞を受賞してから数あまたの受賞歴がある。2004年には欧州国際芸術祭リール2004リールグランパレで欧州重要伝統文化大賞、2008年第105回九州・山口陶磁展経済産業大臣賞をはじめ、イギリス、オーストリア、モスクワ、カザフスタンなど国内外で数々の賞を受賞している。
世界から逸品が集まるフランスの見本市「メゾン・エ・オブジェ」に3年前から出品して、ヨーロッパで注目され、食器だけでなく、伊万里の伝統柄でデザインされた香水瓶はパリっ子に人気だ。
パーティーや記念日でも活躍
今年は戌年。食器ではないが、犬の置物(12,960円)を是非、ご紹介したい。動物や人形の置物の命は目。畑萬陶苑で、目や口を描くのは畑石さんだけ。優しい目は、人と寄り添ってきた犬が描かれている。癒される。
犬のお皿「犬皿手まり文」(7,560円)は、桃の節句用。このほか、端午の節句男の子用の「雲文様」もある。佐賀ではお雛様に必ず犬の置物をそえる。犬は安産と言われているからだが、健やかに幸せに育ってほしいとの親の願いが込められている。陶磁器は大切に扱わないと壊れてしまう。ほんまもんのお皿を幼いころから使えば、ものを大切にする心が自然と芽生える。このほかにも、日常使いの赤ちゃんから幼児まで使える食器がある。
端午の節句の武者人形。都会のマンションで収納に困る方々へはこちらの小箱入り武者人形(54,000円)を。端午の節句が終われば箱に閉まって、箱を飾ることもできるし、アクセサリー入れにもなる。
※掲載情報は 2018/03/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ippin特派員
タカトウアキ
日本列島津々浦々に生きる人たちは、土地を耕し、野菜、果物、お米、そして、家畜を育て、魚を釣り、加工品をつくり、食卓で喜ぶ老若男女の顔を思い浮かべながら逸品として仕上げていきます。食の芸術品をどんな器に載せたら映えるのか。さらに職人たちは陶磁器やガラス、布に息を吹き込んでいきます。そんな「イッピン」を誰よりもどん欲にお遍路さんのように歩き回り、探していきます。日本はもちろん世界の人々に、ニッポンの食にまつわる「ものづくり」の素晴らしさを皆さんにお伝えしていきます。ようこそ、タカトウアキの世界へ。
タカトウアキ
流通の現場で30年間、目利きとして最高の品物を探し出し、生産者にも注文を出してさらに世界で通用する日本の逸品を世にデビューさせてきたタカ。日本やアジアを中心に世界の最前線を取材してきた経験から、各国の要人から日本をプライベートに旅行するときに泊まる旅館から旅先での食事、お土産までのアドバイザーとして頼られるアキ。好奇心と舌の確かさは折り紙つきの二人がそれぞれ、日本全国を歩いて知った、とっておきの「イッピン」をどうぞ。