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フィレンツェ出張で出合ったパワフルでエレガンスを感じる赤
先日、恒例のイタリア・フィレンツェで開催されるメンズファッションの展示会「Pitti Immagine Uomo」へ訪れた際に出合った、パワフルでエレガントでもあり、イタリアらしい赤ワインを今回はご紹介したいと思います。
フィレンツェの名物料理といえば、「ビステッカ・ア・ラ・フィオレンティーナ」。骨付きの牛肉を豪快に炭火で焼いたステーキが有名ですが、この力強い肉料理にまさにぴったりだったワインが、イタリアワインの象徴的な品種である“サンジョヴェーゼ”主体で造られたトスカーナのワイン「フォンテル-トリ キャンティ クラシコ マッツェイ」です。
このワインに出合ったのは、あるアートイベント後のディナーの席でした。そこでお会いしたのが、24代目当主としてご兄弟で歴史あるワイナリーを経営しているフランチェスコ マッツェイ(Francesco Mazzei)氏です。
マッツェイ家は12世紀からワイン造りを行ってきた歴史を持ち、『カステッロ ディ フォンテルートリ』は1435年にマッツェイ家が取得したトスカーナの名門ワイナリーです。イタリアワインの代名詞ともいえる「キャンティ」はまさに、マッツェイ家が最初に公の文書にワイン名として使用し、記録に残したとも言われています。
私の記憶では、キャンティといえばフィアスコ(藁)に包まれたどっしりとした瓶を思い浮かべるのですが、こちらのマッツェイ社が手掛ける「フォンテルートリ キャンティ クラシコ」はとても洗練されていて、高級感を感じさせていました。
クラシコという名の通り、1900年代前半から同じラベルで代々受け継がれてきた1本だそうで、黒っぽい果実の濃厚な香りとハーブの爽やかな香りがバランス良く感じられ、程よいタンニンが脂の多い肉料理の後味をさっぱりとさせてくれます。まさに、トスカーナの肉料理にはなくてはならないワインといった感じです。
ところで、今回のワインと出会うきっかけとなったのが、ダビデ像で著名なGalleria Dell Accademiaで開催された「Fabric is Art」のレセプションパーティーでした。歴史ある彫像に最新のプロジェクションマッピングを投影するという演出は日本ではなかなか見られないイタリアらしい遊び心いっぱいのサプライズでした。
この素敵な「Fabric is Art」のレセプションパーティーにお誘いいただいたのは、ピッティ・ウオモアンバサダーの平林聖子さんです。平林さんには、毎年1月6月の「ピッティ・ウオモ」の出張の際に色々と素敵なご縁を繋いでいただいています。
トスカーナの名門ワイナリーを受け継いできた「マッツェイ」のワインは、その伝統に裏打ちされた魅力あふれる数々のワインを生み出しています。大量生産のキャンティとは一線を画すトスカーナのテロワールを感じることができる貴重な1本です。
今回、パーティーでお会いしたフランチェスコ マッツェイさんから、フォンテルートリのお屋敷に招待を受けていたのですが、残念ながら仕事で行けなかったので、いつかこの素敵なワイナリーを訪ねてみたいと思いました。
「フォンテルートリ キャンティ クラシコ マッツェイ」は、皆さんにもぜひ味わっていただきたいとてもパワフルでエレガントなトスカーナの珠玉のワインです。
※掲載情報は 2018/03/05 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ファッション評論家
黒部和夫
最大手アパレルでメンズ商品開発室長、プレス責任者を歴任。
日本流行色協会、日本アパレル・ファッション産業協会、日本メンズファッション協会、繊維ファッション産学協議会、ファッション業界4団体の委員を歴任。
服飾に関する豊富な知識と幅広い交友関係を持ち、外見力向上、ファッション教育のスペシャリスト。
プルミエールヴィジョン 「明日のメンズファッションを語る世界の4人」に選出、パリにて世界のファッションジャーナリスト300人に講演。
NY在住の妹、パリ在住の従妹、各国の友人など国際ネットワークによる情報の速さにも定評がある。
欧米のファッション業界関係者から名付けられたニックネーム「カルロ」は国内外のファッション、PR、雑誌業界関係者に広く知られ、社名の由来となった。
(財)日本流行色協会メンズカラー選定委員。(財)ファッション産業人材育成機構 IFIビジネススクール特別講師。青山学院大学など各総合大学で講演多数。学校法人杉野学園ドレスメーカー学院特別講師卒業制作審査委員会委員長。
日経電子版「メンズファッション」にて連載中⇒http://style.nikkei.com/fashion/