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チョコレートが盛り上がるこの時期だけにオススメしたいのが、伝統的手法でバターを作るフランス唯一の職人として名高い、ジャン=イヴ・ボルディエの新作"ベネズエラ産カカオ豆とチョコレート入りバター"です。
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ジャン=イヴ・ボルディエは、フランス北西部ブルターニュ地方の城壁に囲まれた港町、サン・マロに本店があります。19世紀に発明された木製撹拌槽を使った伝統的なバター製法で、契約農家から毎日届くミネラル豊富な牧草を食べて育った乳牛のミルクに、ブルターニュの塩田で採れた純度の高い塩などその土地の良質な原料のみを使用し、3日間かけて丁寧に作られます。注文に応じて塩分量を変えたり、成型も用途に合わせ一つ一つ職人の手で行ったりと、星付きレストランもお墨付きのワンランク上の発酵バターです。
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今回は本店ではなく、サン・マロから電車で1時間ほど内陸の都市、レンヌの中央市場にあるボルディエの支店へ行ってきました。店頭では”バターを泣かせる”と言われる作業を見ることができます。これは職人が木ベラでバターの塊をペタペタ叩く作業のこと。水分を飛ばして空気を入れながら、シルキーでコクのある風味豊かなバターに仕上げていく、ボルディエのバターの美味しさの秘訣です。店頭には無塩、薄塩、有塩のプレーン3種、人気の海藻入りやブルターニュらしいそばの実入りなどフレーヴァー8種類が並んでいました。どれもそそる組み合わせで、買い占めたい気持ちを抑えるのが精一杯でした。
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いくつか購入した中で、一番気になり、一番気に入ったのが新作の"ベネズエラ産カカオ豆とチョコレート入りバター"でした。HPには、子どもだったボルディエが学校から帰るとママが用意してくれた初めてのおやつが、バターとチョコレートを塗った”ママの笑顔のタルティーヌ”で、その思い出が蘇るフレーヴァーと綴られていました。そんなスイート・メモリーを聞くと、バゲットに塗って食べないわけにはいかないですよね!
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ミルキーな風味の中にフローラルでほんのりスパイシーなチョコレートの香り、ちょっぴりビターでカカオ豆のカリっとした食感も同時に堪能できる、まさにチョコ好きもバター好きも虜にする贅沢な味わいです。
できればバゲットに厚切りでのせ、少し柔らかくなった状態でサンドして食べると、香りも口どけも最高の状態で召し上がれますよ。更に、トリュフのようにそのまま、或いはいちごやドライフルーツにサンドして食べちゃう禁断の食べ方もオススメです。ちなみにHPには、鶏肉、鴨の胸肉、子牛の腎臓、ホタテ貝柱のソースにも最適と掲載されていました。さすが美食の国ですよね!
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ボルディエのバターは本店、レンヌ以外に、パリの高級スーパーマーケット『ボン・マルシェ』でも購入できます。レンヌは世界的に有名な観光地、モンサンミッシェル行きのバスの発着地でもあるので、帰りに立ち寄るのもいいですよ。お店にはバターの他に、美味しいチーズ、キャラメル、オイルサーディンなども販売していますからお土産探しにも最適です。
なお、日本でも世田谷の『BREAD&BUTTER FACTORY 用賀』やフランス食材を扱うサイトからも購入可能ですが、ご紹介した商品は新作で未入荷かもしれませんのでご確認ください。
※掲載情報は 2018/02/15 時点のものとなります。
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キュレーター情報
地中海の食・音楽のコーディネーター
おきよし(沖淑子)
大型レコード店のワールド・ミュージックのバイヤー担当後、いつかは南の島へ移住を夢見ながら東南アジア~南インド~モロッコの音楽&食を探訪。数年前より音楽フェスティバルで訪れたマルセイユで地中海料理の魅力に目覚め、現地のシェフに料理を学ぶ。
2012年2月に代官山にオープンしたフレンチ・デリ&カフェ「table ogino」のオープニングスタッフとして勤務。2013年には、レバノンでオリーブ収穫の手伝い&家庭料理を学び、都内で中東料理イベントやケータリングも行う。現在は日本エスニック協会の汎地中海料理のアンバサダーとしても活動中。
また、スパイスやハーブをミックスしたジャム作り、特に好きな音楽を聴きながら夜な夜な煮る“深夜のジャム活”をFB、instagram、twitterで発信中!