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ブルガリアでは新年になると、その年の健康を祈る伝統的な行事があります。子どもたちが近所の家を回り、木の枝で訪問した家の人の健康を祈るおまじないを唱えるというものです。その時になくてはならないのが木の枝である「スルバチカ」。ミズキ科の木の枝にさまざまな装飾が施された手作りの木の枝です。11月下旬に、この「スルバチカ」を作るワークショップをブルガリア大使館で開催しました。
今回、講師として登場してくださったのが元ブルガリア・エタル野外民族博物館染色技師の佐藤千香子さんです。ブルガリアの新年の過ごし方や、食事など写真を見ながらご説明いただきました。ブルガリアに限らず、ヨーロッパではクリスマスと新年は一緒にお祝いします。ブルガリアでは伝統的に、クリスマス前40日間の断食があります。断食と言っても、食事はしますが、肉などの動物と関連するものは一切食べません。野菜や豆を中心に食べます。体を清めるという意味合いがあり、24日のイブの日もお肉が入ってない料理を用意します。25日になると、断食は終わり肉料理が中心となります。
ワークショップはまず、スルバチカを作るところから始めました。通常は日本では手に入らない木を使用しますので、今回はミズキ科の木を使用します。枝を曲げて円を作り針金で留める作業に皆さんとても苦戦している様子でした。
装飾には、その年の豊作を祈って、食に関連するものがデコレーションされます。例えば、ポップコーンやミカンの皮などです。そして完成したのがこちら。
ブルガリアのクリスマスに欠かせないパン
ワークショップの後は、クリスマスで欠かせないブルガリアのパン「ピタ(フォカチャ)」を頂きました。ブルアリアでは伝統的に、1番年上の女性が取り分けて家族で食べますが、その時にパンの中にコインが入っていると次の年、幸運が訪れるといわれています。
今回は、ブルガリア伝統のパンも佐藤さんにご用意いただき、ブルガリアのハーブティーと一緒に楽しんで頂きました。ブルガリアは豊富な種類のハーブが自生しているので、ハーブティーの種類もとっても豊富です。
会の最後はこのパンをみなさんで分けて食べました。今回のイベントを通して、ブルガリアの文化を理解して頂けたと思います。少しでもブルガリアの文化が気になる方は、次回のワークショップに是非ご参加ください。
※掲載情報は 2017/12/24 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ブルガリア共和国大使館
ブルガリアはバルカン半島に位置し、北はルーマニア、西にセルビア、マケドニア共和国、南にギリシャ、トルコと隣接し、東には黒海があります。北海道より少し大きい国土で、首都はソフィアです。香水用のバラ栽培が世界最大産地ということでも有名です。ブルガリアの食でみなさんはヨーグルトを連想する人が多いと思いますが、さまざまな民族の食文化の影響、特にトルコ、ギリシャ、ルーマニア料理との共通点が多いです。また、良質なワインの産地としても有名です。