黄柚子と黒胡椒が出会ってしまった!新ゆず胡椒「大吟 黒」

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ゆずの驚くべき味わいに五感が覚醒!

黄柚子と黒胡椒が出会ってしまった!新ゆず胡椒「大吟 黒」

ゆずの加工品はおよそ全国で作られていると思う。これまでも島根は津和野、益田、高知は馬路村、大分は中津江村、宮崎は銀鏡などのゆず加工品を味わい、どれも個性的で甲乙は極めて付けづらい。

 

そんな中、突き抜けるゆず調味料が現れた。青山界隈の散歩中に立ち寄ったセレクトショップ『TOBICHI』。糸井重里さんが主宰する、個性あるグッズを揃えたそのお店はいつ行っても刺激的だ。その日は奥で「フミ子の生ゆず胡椒」の試食がひっそりと行われていた。

 

試食した瞬間、風邪気味のせいかぼやけていた私の味覚はいきなり覚醒。全身がじわっとゆずの香りと味わいに包まれていく。こんな経験は初めてかもしれない。もちろん辛さに反応するのだが、決して味覚が麻痺するものではなく次々と味わいの異なるゆず胡椒を求め続けてしまう。

 

いくつかの種類があったが、特に印象的だったのが今回ご紹介する「フミ子の生ゆず胡椒 大吟 黒」だ。唐辛子を使わず、ゆずと胡椒、海塩だけで仕上げたもの。鍋にいれると洋風な香りと味わいに変化し、味噌汁に少し入れるとスパイシーな新しい香りが沸き立つ。豚肉のソテーに添えると肉の味わいが複雑に変化し、焼鳥に添えると適度な辛さから串がどんどん進んでいく。あらゆる料理に溶け込み、味わいはやさしく変化していく。

 

福岡県宗像市でフミ子さんとそのご家族が作るゆず胡椒。デザインはシンプルでわかりやすい。なぜかとても品よく感じる。風味を損なわないために保存は冷凍で、とのことだ。

 

ホンモノのゆずは香りにある。その風味を最も大切にしていると聞いた。こうした小さなホンモノを大切にいただくことが日本の食文化を維持していくことにつながるんだろうなあ、と思う。

※掲載情報は 2017/12/21 時点のものとなります。

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キュレーター情報

嶋啓祐

フードビジネスデザイナー

嶋啓祐

全国の農村漁村をくまなく巡り、そこで使うホンモノの素材を探すことをライフワークにしています。ホンモノはいつも隠れています。全国の肥沃な土地で、頑固で不器用な生産者が作る「オーガニックな作品」を見つけて、料理人が少し手を加える。それが「ホンモノの料理」になります。毎月地方に足を運び、民泊に泊まり、地元の方々とのコミュニケーションを作るのが楽しみです。自然豊かな日本全体が食の宝庫です。自然、風土、生産者、素材、そして流通と料理人とその先にいる顧客。食に関わるすべての方が幸せになるような「デザイン」を仕事にしています。1963年に北海道は砂川(日本一になった美味しいお米ゆめぴりかの産地)で生まれ、18歳上京。大好物はイクラ、クレソン、納豆、ハーブ、苦手なのは天津丼などあんかけ系、豚足、焼酎。趣味は全国の神社巡りとご朱印集め。2018年より自宅料理コミュニティ「ビストロ嶋旅館」を主宰。

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