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ラベルに描かれたツリーのイラストも毎年変わります
このビールは、アメリカ・カリフォルニアのアンカーブルーイングが1975年からクリスマスのためだけに造るスペシャルビールです。アンカーブルーイングは、このブルワリー独自製法で造る『スチーム・ビア』が有名。1965年にフリッツ・メイタグが廃業寸前のこの醸造所を買収し、それまでの伝統を守りつつマイクロブルワリーとして復活しました。これがその後のアメリカ国内での爆発的なマイクロブルワリーの革命のきっかけとなったことでも知られています。
現在は世界的に有名なブルワリーでありながら「小さなことはいいことだ」という精神で、いまだに手間暇をかけた手作りのビール造りをしています。そして、日頃お世話になっている皆様に「感謝と祝福」の想いを込めて、毎年レシピを変えてクリスマスのために醸造。これは今年で43回目となります。
細やかに手作りでビールを造るこのブルワリーらしく、このビールのラベルに描くツリーの絵も毎年変更。しかも北米に実在するツリーをモデルに描いていています。例えば2015年はDeodar Cedar。これはカリフォルニアクリスマスツリーとしてよく知られるヒマラヤの原産の木です。その名は、古代のサンスクリットのdevadāru（＝神の木材の意）から由来し、優雅に垂れた枝と青緑色に常緑の針葉樹は、150年以上に渡りサンフランシスコで人気の木です。また、2016年のラベルは、Pinus Solitarius。それは大陸間鉄道の建設開始から1,000マイル離れた場所で1869年に発見されたという1,000マイルの木。広大で荒涼とした風景の中に凛と孤独に立つ木だそうです。
そして、2017年のラベルに描かれるツリーは、Santa Lucia Fir。カリフォルニア州の中央海岸沿いのサンタルチア地域のみに生息するという珍しい原生種です。選んだ木についての紹介は、ブルワリーからの感謝の想いとともにボトルネックのラベルにメッセージとしてつけられています。
味わいは毎年トップシークレット！栓を抜くまで秘密です
クリスマスエールはいろいろなブルワリーで欧米を中心に造られています。そのほとんどがスパイスを使い、独特のアロマなどを楽しめるものになっています。この『アンカースペシャルエール』も、原料表示は麦芽、ホップそして香辛料と印刷され、ハーブやスパイスの風味が楽しめるビールということがわかります。でもその味や詳しい原料、アルコール度数は毎年変わり、その味わいは開栓するまで極秘なのです。
グラスに注ぐと、ローストした麦芽の深い色を持つビール。ちなみにこのような香りを楽しむビールは、なるべく丸みのあるグラスがオススメです。
それでは早速味わってみます。「ん？」…飲む前に私が想像していたイメージとはちょっと違う、小さな驚きのあるおいしさです。強いて言えば、まさに今年のラベルに描かれたツリーのようなイメージ、でしょうか。
アンカーブルーイングの方々は、きっとこのビールを飲んだ時に皆さんがどんな笑顔になるのかを楽しみにしていると思います。なので、私もここで味の印象をお伝えするのは控えておくことにします！
パーティへの手土産に！みんなが笑顔になります
ちなみにボトルは、355mlと1,500mlの２種類。1,500mlの大瓶には、オリジナルの可愛いメッセージカードも付いていて、気のおけない友人たちとのパーティなどに持参してもさらりとメッセージを添えることができます。私の知り合いのご家族は、この大瓶を年末にいつも予約して、行きつけの美味しいレストランで友人たちとクリスマスに開栓するのを毎年楽しんでいます。
今年もあと僅か。2017年はどんな年でしたでしょうか？
クリスマスに笑顔で迎えられたことを感謝して乾杯。そして、まもなくやってくる2018年。みなさんがそれぞれに光り輝く年になるように、そんな想いを込めてこのビールでもう一度、乾杯しませんか？
※このビールは日本の酒税法では発泡酒となります。
※掲載情報は 2017/12/17 時点のものとなります。
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キュレーター情報
ビアジャーナリスト/パンコーディネーター
宮原佐研子
日本パンコーディネーター協会認定パンコーディネーター、日本ビアジャーナリスト協会所属ビアジャーナリストとして日本ビアジャーナリスト協会HP、雑誌『ビール王国』（ワイン王国）、世界22カ国158本のビールを紹介するe-MOOK『ビールがわかる本』（宝島社）、ビアエンタテインメントムック誌『ビアびより』（KADOKAWA）他執筆。『ビール王国』では、「コンビニ限定うんまいビア ペア」で、コンビニエンスストアで買えるビールとパンのペアリングを連載。日本パンコーディネーター協会主催の講座「ワインよりおすすめ？パンとビールのおいしい関係」でパンとビールのペアリング体験講座も実施。
