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饅頭や最中など、和菓子の核となるのはなんといっても「あんこ」。あんこを存分に楽しめるお菓子の特徴は、あんこの存在感がありながらも皮との相性がバツグンで、お菓子そのものの美味しさのバランスを保っていることです。ここでご紹介するあんこ菓子は、あん好きならもちろん、そうでない方でも美味しく食べることができるものばかり。主張しながらも奥ゆかしさをあわせ持つ、そんなあんこスイーツの世界を覗いてみましょう。
1:あんこを潰さないように練る!こだわりの豆あんのどら焼き
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日本橋から近い人形町は、和菓子老舗がずらりと並ぶ場所。そんな人形町に『清寿軒』があります。『清寿軒』のどら焼きは、皮もあんこにもこだわりが詰まっています。材料や製法に妥協せず、食べた人をどら焼きの悟りの境地へと誘うことでしょう。豆あんが使われていますが、小豆を5、6時間かけて煮込み、豆を潰さないように手で練っています。しつこく口に残らないさっぱりとした甘さも、あんこが苦手だという方はもちろんのこと、あんこ好きの舌を唸らせます。
2:あんこの存在感は一目瞭然なのにあっさりとした上品な味わい
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横浜で有名な老舗和菓子老舗店の『喜月堂』が提供している最中は、写真を見て分かるようにあんこがはみ出しています。この存在感のあるあんこが皮との絶妙なバランスを保ち、あっさりとした甘さが楽しめるところが人気の理由の一つです。他店にもはみだし系あんこスイーツはありますが、味やバランスに説得力があるのは、この最中が一番ではないでしょうか。威勢のよさを感じるほどはみ出しっぷりのいいあんこに、おめでたい雰囲気もあり、祝い事や年末年始の挨拶の手土産にもぴったりです。
3:繊細な甘さと凛とした存在感のあんこが自慢のまんじゅう
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愛媛県にある『宮川菓子舗』の名物は「うすかわまんじゅう」といっても過言ではないでしょう。地元の方が、“ふるさとの味”として愛してやまないお菓子なのです。皮の外側から見てもあんこの量が分かるくらいたっぷり入っています。こだわりのこしあんは、繊細な甘さ。主張しすぎず凛とした存在感があるのは、この「うすかわまんじゅう」ならではです。一つひとつ手作りなので、皮の薄さが均等ではなく、その不揃いさが面白い食感を産み出しています。
4:媚びない美味しさ!あんこのあり方を物語る「あんまき」
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愛知県にある『小松屋本家』の「あんまき」は、食べる方々に対して決して媚びていない――。そんな物語が始まりそうな「あんまき」は、あんこがあんこであるための役割を説いてくれるお菓子かもしれません。皮があってはじめてあんこの美味しさが分かるように、皮とあんこがお互いの美味しさをバランス良く保つように作られています。食べ応えのある皮の食感と粒を感じる粒あんは、これこそが「あんまき」だと私たちに教えてくれているような説得力。ぜひ一度お試しを。
5:地元の方々の愛を感じる銘菓「うさぎ餅」で歴史を感じる
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静岡県の古庄交差点にある看板にある『駿河三大名物兎餅』の看板。この言葉が物語るのは、地元の方々の「うさぎ餅」愛と、東海道を歩く江戸の旅人へのロマンです。この場所で300年前まで作られていた「うさぎ餅」ですが、一時期作り手がいなくなってしまい、製造が途絶えてしまいました。地元の方々が「駿河三大名物兎餅」を絶やさぬようにと、建てられた看板なのです。そして、1994年に松木屋がその意思を受け継ぎました。古い歴史をもつ「うさぎ餅」は、江戸の旅人からもきっと愛されていたことでしょう。
※掲載情報は 2017/10/28 時点のものとなります。
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