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秋の行楽のお供にぴったり!胡麻じゃなくてクミンがいい!
駅構内の売店では、行楽のお供にピッタリやお菓子やおつまみが並びます。電車に乗る前に、どれにしようか悩むのも楽しい時間。そんな瞬間に思わず手に取ったのが、「南部チップスカレー味」です。南部せんべいといえば、岩手県の郷土菓子である巖手屋が有名ですね。小麦香る真っ白なせんべいに、胡麻がぎっしり入った素朴な味で、よくお土産にもらっていたなぁ、と懐かしく思います。
巖手屋では、胡麻以外にも数多くのフレーバーの南部せんべいがあります。そのひとつがカレー味なのですが、封を開けた瞬間から鼻腔をくすぐるのは、胡麻ではなくクミンの香り。生地にクミンが練り込まれているのです。さらに、カレーパウダーが全体にかかっていて、もう「ビールがほしい!」と思うほど。後々までクミンの香りが心地よく残り、あっという間に袋の中は空っぽになってしまいます。見事なカレーとのコラボレーションと思っていたら、それもそのはず、千葉・検見川の名店「インド料理シタール」監修の商品でした。カレーパウダーで味つけは一般的にもよくありますが、クミンを練り込んでいるなんて、シタールならではの本格的な味に超・超・超納得です。
愛嬌のあるイラストにも注目
軽い食感なので、いくつでも食べられてしまうほどに後ひくおいしさ。これも、1948 年に南部せんべい屋からはじまった老舗店「巖手屋」の味だからこそではないでしょうか。通常のパッケージには、創業者である小松シキさんをモデルにした、おばあちゃんの手焼き作業の姿が描かれているのですが、カレー味ではターバンを巻いたインド人らしき姿に変わっていました。これまた愛嬌のあるイラストではありませんか。見ているだけで、ほっこりしちゃいます。
また、南部せんべいは普通に食べるだけではなく、醤油仕立ての汁に入れて食べる習慣があります。これをカレー味で試したらカレーの風味が加わって、一味ちがった味や食感に変わるかも・・・といいつつ、今も原稿を書きながらも、その脇には南部せんべいカレー味をつまんでいる次第。アレンジを楽しむ前に食べて無くなってしまうのが困りモノです(笑)
南部せんべいは胡麻やカレー味以外にも、落花生や醤油、オリバーソースとコラボレーションしたどろソース味など種類も豊富。昔ながらの味を大切にしながらも、新しい要素も取り入れて、ロングセラー商品を生み出しています。
岩手県の郷土菓子といっても、全国のありとあらゆる食べ物が、気軽に購入できる時代です。昔ながらの胡麻の味と比較しながら楽しむのも良いかもしれませんね。
※掲載情報は 2017/10/16 時点のものとなります。
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キュレーター情報
アジアンフードディレクター
伊能すみ子
アジアンフードディレクター/1級フードアナリスト 舞台制作や民放気象番組ディレクターを経て、食の世界へ。調理師専門学校で調理、食文化を学びながら、食の専門家であるフードアナリストとして活動を開始。メディアを中心に飲食情報の提案やアジア各国料理の執筆、講演、講師、レシピ制作などを行う。
「ASEAN食のコンシェルジュ」、「タイフードコンシェルジュ」、「カンボジア旅のリポーター」などの肩書を持ち、食と旅の提案も手がける。年に数回、アジア諸国を巡り、屋台料理から最新トレンドまで、現地体験を専門webサイトにて多数掲載。書籍『専門店が教える スパイスの基本』(PHP研究所)では、レシピを担当。日本にいながらも他のアジア諸国のおいしい料理を楽しめるような、環境作りを目指す。