洋菓子に比べると比較的カロリーが低めでヘルシーと言われている和菓子ですが、和と洋の要素を絶妙に掛け合わせたもの、素材の組み合わせが新しいもの、美味しいだけじゃなく体にも優しいもの……など、今までにない新しさに満ちた和菓子が続々と登場しています。そこで今回は、手土産や贈り物としても喜ばれること請け合いの新感覚な和菓子を集めてみました。この夏の帰省土産にいかがでしょう？

明治5年に滋賀県近江八幡で創業し、昔ながらの伝統和菓子を作る一方で新感覚の和菓子を世に送り出している「たねや」。バームクーヘンで大ブレイクした「クラブハリエ」は、もともと「たねや」の洋菓子部門としてスタートしています。そんな「たねや」から登場したのが、夏野菜のトマトを使った「たねや寒天トマト」。ジュレ状の濃厚トマトゼリーと、ほどよい固さと弾力の寒天。食べる直前に仕上げとしてフレッシュなオリーブオイルをかけていただきます。トマトゼリーと寒天の食感の違いを楽しみつつ、こだわりのオリーブオイルの香りが鼻腔を抜ける、今までにない和のデザートに仕上がっています。

各種メディアでもおなじみの日本料理店「賛否両論」の笠原将弘氏が監修した和菓子が「あんころりん」です。パッケージには「クッキーまんじゅう」の文字が。見た目はおまんじゅうのようにぽってり丸く、しっとりホクホク系のクッキーのような生地。あんは名古屋限定の「西尾抹茶あん」のほか、「黒みつきなこ粉あん」、「ラム酒風味あん」、「黒ごまあん」など数種類のフレーバーが揃っています。日本茶はもちろん、紅茶やコーヒーにもよく合い、和菓子と洋菓子どちらの要素もいい感じに合わせ持っているのが特徴です。表面には笠原氏デザインによる可愛らしい焼印が15種類。おやつの時間が楽しくなるような可愛らしい和スイーツです。

大正時代から四代続く「常盤木羊羹店」は、熱海駅から徒歩15分ほどの場所にある老舗和菓子店。こちらの店内でひときわ目を引くのが、カラフルなパステルカラーがマカロンそのものという感じの「マカロンモナカ」です。桜＝ピンク、みかん＝オレンジ、ゆず＝黄色、抹茶＝グリーンという具合に、皮の色はそれぞれあんの味に合わせています。中でも抹茶味は希少な静岡県産の抹茶を贅沢に使用し、豊かな香りと濃厚な味わいが楽しめます。皮の内側にはあんがぎっしり詰まっていて、洗練されたビジュアルも相まって女性に大人気なのだそう。熱海温泉のお土産としても注目ですし、お取り寄せも可能です。

2017年上半期で話題を集めたNo.1スポットと言っても過言ではない「GINZA SIX」。必ず立ち寄るべき地下2階で行列の絶えないお店の一つが「くろぎ茶々」です。湯島から芝大門へと移転した黒木純シェフの「くろぎ」の姉妹店で、“料理屋の和菓子”をコンセプトとしたこだわりの和スイーツがイートイン、テイクアウト両方で楽しめます。高級感のある木箱に入った「常葉（ときば）・白練」は、抹茶の葛羹とクリームチーズの二層にからなる美しいスイーツ。モッチリした感触と後味の良い甘みで、風味豊かな抹茶と国産クリームチーズの酸味とコクが口の中で見事なハーモニーを奏でます。

和菓子の老舗「榮太楼總本舗」から、この６月に新ブランド「からだにえいたろう」がスタート。その名が表す通り、食物の栄養素に着目した体に良い和菓子が登場しました。第一弾のデビュー商品は「スローカロリー どら焼き」、「スローカロリー よもぎ豆大福」、そして「糖質をおさえたようかん こし餡」です。「スローカロリー」シリーズには、血糖値の急激な上昇を抑える特徴を持つ甘味料パラチノース（R）が使われています。一方、「糖質をおさえたようかん」では糖質の量を通常の羊羹の約半分にカット。このように、糖質の質と量から体への負担を抑えつつ、厳選素材から得られる栄養分にも着目しています。もちろん味は榮太郎クオリティ。お腹周りが気になる人、ダイエット中の人にもおすすめしたい新しい和菓子のスタイルです。

上品で縁起もののお菓子を販売しているのが、博多の中心部で2014年にオープンした「博多運盛」です。店名の「運盛（うんもり）」とは、冬至に「ん」のつくものを食べて運を引き寄せるという昔ながらの縁起担ぎのこと。だから看板菓子「うんどら」にも「ん」がつくのです。こちらは一口サイズのどら焼きで、野菜あんにはギンナン、ダイコン、キンカン、ニンジン、ナンキン、インゲン、レモン、レンコンという「ん」のつく国産野菜を使った８種類が揃っています。並べるとあんの色がカラフルで、野菜の風味が引き立つよう工夫されています。