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リアルメキシカンフードを体験する
2010年にユネスコ世界無形文化遺産として登録されたメキシコ料理。日本でも、年々メキシコ料理店の数は増加し、レストランの味も本格的になってきています。そんな中、メキシコ大使館商務部では、より多くの人にメキシコ料理の魅力を知ってもらいたいと、2017年に2回、メキシコ料理を深く理解するシェフをお呼びしてワークショップを開催します。第一回目は、「メキシコ料理マヤの恵」と題して、6月19日(月)にTOROTOKYOエグゼクティブシェフ小河英雄様を講師として迎えワークショップを開催致しました。
小河英雄シェフは、もともとフランス・イタリア料理を学び、シェフとして活躍していました。そんな中、小河シェフの料理がメキシコ大使館観光局の目にとまり、本場メキシコ料理を日本に伝えるために、ユカタン半島メリダのレストラン5店舗で修行をし、帰国後は若干29歳にしてメキシコ料理を中心とした8店舗の統括責任者兼総料理長となりました。現在は、ラテンレストラン「TORO TOKYO」(http://torogastrobar.jp/)のエグゼクティブシェフとして活躍しています。
メキシコ料理に欠かせない「うちわサボテンノパル」。今回は、ノパルを使ったスムージーを作って頂きました。ノパル、パイン、マンゴーとオレンジジュースを混ぜ合わせる事によって、とても風味がよく爽やかなスムージーになります。
1品目は、南米では欠かせない魚料理「セヴィーチェ」です。南米の国々ではよく食べられる一品ですが、今回シェフにご用意頂いたのは「ユカタン白身魚のセヴィーチェ」です。特徴としては、刺身用の白身魚を細目に切り、赤玉ねぎのスライス、コリアンダー、ハバネロで味付けをするので、非常にピリっとしています。キーライムの爽やかな風味がさっぱりとした味わいを引き出します。
2品目は「レチェティグレ」です。「トラの乳」を意味しますが、この一品は魚を漬け込んだマリネ液を使った一品です。今回は特別に、色鮮やかなメロンサボテンソースを引き、マンゴーで和えたスペシャルバージョンです。
3品目は「ソバ デリマ」と呼ばれるユカタン料理の代表的なスープです。メキシコでも、ユカタン以外ではなかなか食べられないメニューをご用意頂きました。特徴は、ほろほろととろける鶏胸肉と、すっきりとしたライムの風味。さらにクミンなどのスパイスが食欲を増進させてくれます。トップに乗っているのは、豚の皮を揚げて乾燥させた「チチャロン」と呼ばれる揚げ物です。
今回のワークショップの最初にメインディッシュとなるメキシコを代表する一品「タコス」の具の下ごしらえをしていました。「コチニータピビル」という豚肉をアチョーテという伝統的な香辛料と、オレンジジュースに漬け込んで、バナナの皮でくるんで蒸した豚肉料理を作っていらっしゃいました。1時間ほど蒸した後にオーブンから出すと、見ているだけでとろけそうな一品が出来上がっていました。それをさらに煮詰める事で豚肉のとろみが増します。今回は特別にアボカドを食べて育った「アボトン」で「コチニータピビル」を作って頂きました。
続いてトルティーヤを作ります。メキシコでは各家庭にあるトルティーヤプレスを使って、小河シェフが一枚づつ丁寧に作ってくださいました。
そして完成したのがこちら。日本ではなかなか食べる事ができない本格的なタコスが完成しました。「コチニータピビル」とトルティーヤとのバランスが絶妙な逸品です。トップには、ユカタン赤玉ねぎのピクルスが乗っています。このピクルスには、スパイスやビネガーなどが使われていて、タコスの味を引き締める役割をしてくれています。
今回、小河シェフに作って頂いたユカタン半島伝統の料理の数々。とても手の込んだ料理を手際よく、丁寧に作る姿がとても印象的でした。そして、ここまで本格的なメキシコ料理を味わえる事に感動すら覚えました。本場のメキシコ料理を体験したい人は是非「TORO TOKYO」へ足を運んでみてくださいね
※掲載情報は 2017/07/19 時点のものとなります。
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キュレーター情報
メキシコ合衆国大使館
北・中央アメリカに位置するメキシコは、西は太平洋、東はメキシコ湾とカリブ海に面していて、国土の3分の1は平均高度約1700mのメキシコ高原が占めています。古代にはマヤやアステカ文明で栄え、16世紀にはスペインによって支配されます。1810年まで続いた300年ものスペインによる長い統治にもかかわらず、7000年という歴史を持つメキシコ料理はその影響を最小限にとどめ、トウモロコシ、マメ、唐辛子をベース にした伝統料理をベースにした独自の食文化を守り続けてきました。その結果、2010年にメキシコ料理はユネスコ世 界無形文化遺産として登録されました。日本人に馴染みの深い「タコス」以外にも、さまざまな絶品料理がありますので本場メキシコ料理の魅力を発信していきます。